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第160話・歴史的スパチャ

【¥10,000】【¥10,000】【¥10,000】【¥10,000】【¥10,000】【¥10,000】【¥10,000】【¥10,000】【¥10,000】【¥10,000】【¥10,000】【¥10,000】【¥10,000】【¥10,000】【¥10,000】【¥10,000】【¥10,000】【¥10,000】【¥10,000】【¥10,000】【¥10,000】【¥10,000】【¥10,000】【¥10,000】【¥10,000】【¥10,000】【¥10,000】【¥10,000】【¥10,000】【¥10,000】【¥10,000】【¥10,000】【¥10,000】【¥10,000】【¥10,000】【¥10,000】【¥10,000】【¥10,000】【¥10,000】【¥10,000】【¥10,000】【¥10,000】【¥10,000】【¥10,000】【¥10,000】【¥10,000】【¥10,000】【¥10,000】【¥10,000】【¥10,000】【¥10,000】【¥10,000】【¥10,000】【¥10,000】【¥10,000】【¥10,000】【¥10,000】【¥10,000】【¥10,000】【¥10,000】



 スパチャを許可してまだ2分。

 延々と画面を埋め尽くす赤色に、透とテオドールはパニックになっていた。


「あの、透……この数字って全部お金ですよね……? ちょっと色々とおかしくないですか?」


「はっ、え? なんだこれ……最高でも十数万くらいのものを想像してたんだけど……」


【テオドールちゃんのご飯代!!】

【¥10,000】


【これでいっぱい食べて!】

【¥10,000】


【深夜の罪の味、悶える姿が最高!】

【¥10,000】


 コメント欄は熱狂の渦に包まれ、画面に表示される金額は信じられないほどに膨れ上がっていた。

 テオドールと透が互いを見つめ合う中、世界中からの愛と支援のメッセージが止まらない。


「これ……これってもう、ただの配信じゃないですよね? なんていうか、ちょっ、ちょっと皆さん落ち着いてください! そんなにお金使って大丈夫なんです!?」


【大丈夫だよ、可愛すぎる】

【¥10,000】


【まだまだ足りんよ】

【¥10,000】


【ほえちゃん癒し過ぎる】

【¥9999】


 テオドールの目には、感動と共にかなりの戸惑いが浮かんでいた。

 自分は日本を攻撃しに来た侵略者の1人、なのに……ここの人たちはこんなにも愛情を送ってくれる。


 ここで謙遜しては、逆に失礼だ。

 彼女は心からの感謝を込めて、カメラに向かい––––小さな声を強くした。


「み、みなさん……本当にありがとうございます! こんなに応援を送ってくれて、わたし……わたしは、ただの異世界から来た侵略者ですけど、これからも頑張るので! 応援ありがとうございます」


 ぎこちない、ドギマギな精一杯の感謝の言葉。

 それでも、彼女の想いはちゃんと伝わった。


【そんなところが可愛い】

【¥9700】


【新海さん、ちゃんと面倒見てあげてよ】

【¥8600】


 透も、その場の空気に押されるようにして、深い感謝の意を表した。


「えっと……皆さんの温かいサポート、絶対に無駄にしません。そしてこのお金、テオのためにも、そして今後の日本のためにも使わせてもらいます」


【配信ありがとう!!】

【¥10,000】


【これからも応援してます!】

【¥10,000】


 配信は終盤に差し掛かり、テオドールと透は最後の数分を前にして、再びカメラに向き直った。


「みなさん、今日はこんな時間に配信を見てくれて、本当にありがとうございます。こんなにも温かいスパ……いや、応援メッセージを送ってくれて、心から感謝しています。わたしたち、まだまだ色々未熟ですけど、これからもみんなの期待に応えられるように頑張ります」


 透がひと言、付け加える。


「次の配信でまた新しいワクワクをお届けできるように、今から準備を始めます。お楽しみに!」


【最高の夜をありがとう!】

【¥10,000】


 配信はそこで終わりを告げ、二人はただ茫然と画面に表示された総額を見つめていた。

 数億、いや、数千億……それ以上の金額が、たった一夜の配信で集まったのだ。


「テオ、これどうしよう……?」


「まずは……このお金をどう管理するか、真剣に考えないといけませんね。ところで」


 彼女は真剣な面持ちで、透に向き直った。


「このお金の規模が正直よくわからないのですが……、どれくらい多いのですか? ご飯1週間分とか?」


「今テオが食べたラーメン、単価でザッと計算して…………」


 スマホの電卓を引いた透が、現れた答えを見せる。


「振れ幅はあるけど6億6666万6667食分……だな」


「………………ほえ」


 今回の配信で、彼女の口座は配信業界最大の衝撃をもって爆増する。

 翌日––––テオドールが食べた新作カップ麺は、全国の棚から姿を消した。


 挙句は彼女が着ていたパジャマまでネット通販から消え失せてしまい、小中学生の間で一時ブームになる。


 ついでにもう1つ。

 このスパチャで、透が申請していた扶養控除……その対象からテオドールは外れた。


 本日のスパチャ収益:約2000億円(手数料、端数抜き)。


160話を読んでくださりありがとうございます!


「少しでも続きが読みたい」

「面白かった!」


と思った方は感想(←1番見ててめっちゃ気にしてます)と、いいねでぜひ応援してください!!

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― 新着の感想 ―
[一言] ただの侵略者とは結構なパワーワードですなw にしても一瞬でほえブランド確立!! ある意味日本、いや世界はほえちゃんに侵略されましたwww
[一言] 各業界が動き出す...... きっと食品服飾関連からは大量の新製品が.....
[一言] 戦車1500輌くらい配備できるだけの金額をラーメンするるだけで稼ぎ出し、メーカーの株価を爆下げさせ社会現象まで引き起こすほえドールというドヤちゃん 透君がほえちゃんの扶養家族になる日も近いな…
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