冥府の閻魔様に
掲載日:2021/06/14
梅雨の空の下 誰かの履歴書が落ちていた
テカテカの革靴が交差するたび
黒く汚れていった
渇くことのない涙に
汚れていった
眼ん玉なんかないのに
恥じらいなんかないのに
梅雨の晴れ間の空の下 誰かの歴史が落ちていた
カチカチの頭が交差するたび
白く乾いていった
誰の目にも映らない歴史が
乾いていった
その両目は過去が好きなのに
希望なんか見えてないのに
高価な鎖のネックレスを首筋に絞めつけて
苦しそうだよ
いつかは息絶えて冥府の閻魔様に
自分の履歴書を提出したらどうなるかな
汚れのない新しい履歴書もらえるかな
もう過去に絞めつけられないように
少しだけ前をみたら
赤い夕日を背負った子供が水たまりを跨いで
誰かの不幸を重たそうに救いあげて
交番に駆けてく姿がみえた
その目はキラキラと輝いている
読んでくださりありがとうございました。




