Act 4
あの人同じ、丸い光に先導されて山への道を進んだ。
「懐かしいねぇ。ペラン、学校で習っただろう? レットルプールの行幸さね。あん時は必死だった。振り向けば死ぬかもしれない。そんな中、走ったんだからさ。しかもクマやオオカミが歩き回る夜の森を。」
笑いながら語っているが、とても笑い事のようには感じられなかった。
「長、ようするにさっきのテール侯爵は私らの神みたいなもんだ。しかも生活を約束してくれた。だからあの人を敬うんだ。長って呼んでね。」
間を開けてゆっくりと話すせいか、いつの間にか山までたどり着いていた。やはり夜の山は不気味だが、安心するようにも感じる。やっと帰るべき場所を見つけたというか、そういう感じだ。
だが今回は門ではなく山頂まで連れて行かれた。そこからはウォーターフォードやレットルプールの街並みがかすかに見えていた。
「あの小屋にお入り。心配せんでも、中は豪華だ。」
フルールが指さした小屋に入ると、言った通り豪華だった。クラシックな椅子が壁に置かれ、中央には見事に溶け込んだ、丸太を削ったような王座があった。そしてそこには長が座っていた。
「久しぶりだね。といってもさっきあったか。」
なぜか自然と膝をついていた。空気にでも飲まれたのだろう。
「やっぱり面白いねぇ。いいよ。この山で過ごすといい。それから、住人の証明だ。」
そう言って手渡されたのは緑の首輪だった。
「残念ながらそれをつけると山からは出られなくなる。だがその代わり、衣食住は完全に保証しよう。どうだ?」
シルヴァンに聞いていた通りだった。だがシルヴァンの手を離した時から決心はついていた。
手渡された首輪を自らつけて見せた。そして後ろで金具を繋ぎ、引っ張って取れないことを確認した。
「ようこそクレスティア山へ。ペラン、君を歓迎しよう。」
長は手を差し出した。
「あの、キスじゃないんですか?」
長はキョトンとした様子でいたあと、すぐに笑い出した。
「あぁ、それはきっとシルヴァンのでまかせだろう。まぁ服がなくてもいいというのは本当だがな。」
簡単に笑い飛ばされた。よく考えればシチューをよそったとき、誰もキスをしてこなかった。またハメられてしまった——。
だが前のように憎しみは感じない。ただ、笑いが込み上げるだけだ。




