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プロローグ
「頼む、お願いだ!」
魔王城の魔王の間にて。
俺は床に正座し、両手を合わせて目の前の一人の少女に頭を下げた。
「い、嫌ですよ!」
「そこを何とか頼むよ、リム!」
魔王の俺が配下である四天王に、しかも十歳の女の子に頭を下げるだなんて、先代の魔王達が聞いたら思わず失神してしまうのではないだろうか。
しかしながら、俺は魔王の威厳とかそんなものは元から無い。
あるのは、一人の男としてのプライドである。
「無理なものは無理なんです!」
「何でだよ!?」
「だ、だって……恥ずかしいですし……」
「ブッフォ!?」
顔を赤らめ、上目遣いでこちらをチラチラ見てくるリムのその反応に、俺は吐血しかけそうになる。
「ほ、本当に、本当にお願いします! あともう一回! あともう一回だけだからっ!」
俺は床に頭を擦り合わせて必死に祈願する。
「はあ……」
すると、しばらく戸惑っていたリムは深いため息をつく。
「まったく、しょうがないですね……」
そして、リムは呆れたような、だが少しだけ嬉しそうな顔をして――




