ときどき透明人間になるわたし

教室

授業中

机の下で

足が消えた感覚がして

意識を凝らしていると

椅子の上で

体が宙に浮いている感じがした

ふわり　ふわり

ぷかり　ぷかり

浮かぶわたしの体はどこにも見えない

意識だけが浮かんでいるみたいだった

おもしろくて

ときどきやっていたら

くせになった

一種の自己催眠的なと言うか

魔法使いになったかのような……

わたしは透明人間だから

だれもわたしに気づかない

だれもわたしに話しかけない

のはずなのに

ときどき先生がわたしを見つける

答えられないときに限るかのように