1/4
街角
早足で街を歩く
雑踏の中は
自分の影がどれなのか
はっきりしない
みんな互いに
知らんぷり
通行人のエキストラだらけ
誰もわたしに気づかない
陽がかくれて
影がスーッと消えると
自分がどこにいるのか
わからなくなる
わたしは どこ?
わたしは どこ?
ショーウィンドウの中に
自分を見つけて安堵する
(いました わたし)
なんて冴えない顔……
透明人間だから
見えてないのだから
どうでもいいか
いいや
よくない……
体が透明になっても
心が見えている
自分に自分の
心が見えている