月曜日の朝
ジリリリリリ
けたたましく鳴るアラームの音で僕ーーー清水彰は目を覚ました。
まどろんだ意識を無理やり覚まさせるような音に苛立ちを感じながら手探りで目覚まし時計を探し、アラームを止める。
再びまどろみの中に潜り込もうとした意識は、窓から差し込む光によって強制的に引き上げられた。
二度寝ができないことを無念に思いながら僕は、なんとか体を起こし、充電していたスマホを手に取り、朝食を取るために部屋を出た。
そして僕はーーー月曜日を迎えた。
月曜日ーーーそれは学生・社会人問わずに多くの人を憂鬱にさせる悪魔である。この悪魔から逃れるには学校、仕事に行くのが楽しみというようなリア充になるか、定年を過ぎた老人になるしかない。
僕はどちらにも当てはまらないので月曜日を迎えると絶望するしかない。いや、僕にはまだ某週刊少年漫画誌があるので月曜日の絶望を少しは和らげられているのかもしれない。もし、それすらなかったら……
僕は朝食を食べながらそんなディストピアを想像して、箸を持つ手を震わせた。
だが、そんなディストピアは現実には起こりえないだろうと思いながら朝食を終え、学校へ行く準備をして家を出た。
道中にあるコンビニで某週刊少年漫画誌を買ってから学校に向かうのが僕の月曜日の習慣である。先週の漫画を思い返しながらコンビニに入って某週刊少年漫画誌を探す。
ーーーだが、ない。どれほど探そうが、それは存在しなかった。
まさかこの世にディストピアが現れたのか?いや、もしかしたら並べられていないだけかもしれない。
そんな淡い期待を抱きながら僕は店員に話しかけた。
「あの、某週刊少年漫画誌がないんですけど」
「え?それなら先週増刊号でしたよ」
な、なんだと⁉︎
それなら今週は某週刊少年漫画誌なしで月曜日を乗り切らなくてはならない。期待させておいて裏切ってきた理不尽なコンビニと名も知らない某週刊少年漫画誌の編集長に激しい怒りを抱きながら、僕はコンビニを出た。
僕はこの世に絶望したかのような顔をして学校に向かった。
学校に着き、教室に入ると中のやつらが僕の方を向き、驚いた顔をして顔を背ける。教室の中は誰も喋っておらず、シーンとしている。
僕には喋りかけてくるような友達もおらず、すぐさま眠る姿勢に入った。
キーンコーンカーンコーン
チャイムの音で目を覚まし、辺りを見回すと教師が教卓の前に立ち、生徒達は起立しようとしている。このままでは一人だけ寝ていて浮いてしまい、クラスで孤立してしまうと危機感を抱いた僕は急いで起立しようとして……気づいた。
すでに、立っている⁉︎
だが、その理由に僕は気づいた。中学生の時同じようなミスを犯した僕はチャイムの音で反射的に起立できるようになったらしい。
自分のことながら自分の体の進化に驚きを隠せない。また一つ上のステージに登ってしまったと誇りに思いながら、朝礼の挨拶をこなし、着席し、教師の話を割と真面目に聞く。
さてここで何故教師の話を真面目に聞くような優等生な僕に友達がいないか疑問に思った人もいるかもしれない。その理由は僕には分かりきっている。
イジメ?違う。
優等生すぎる?僕はバイブルを買って学校で読むつもりだった男だぜ?
ここはヤンキー校で荒れている?教室内は静かだって言ったじゃないか。
答えは……
今日が入学式だからさ!
某週刊少年漫画誌って書くのが面倒です。