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【10】残された日記⑧
いくら臓物を掻き分け腐肉を繋ぎ合わせようとも愛しきサマラには出逢えぬ事が私の心の苛ませる。
闇に堕ちたる聖女の声は私の耳には届かない。死の淵に澱む彼女の魂は何も答えてくれない。
しかし、それでも私はもう荊の茂みの向こうに咲く純白の鈴蘭に手を伸ばす以外、生きる事はできない。
しかし、その先に真実は確かに存在している。それは確信している。
しかし、結果が伴わない。
私の何が間違っているのか?
そんなはずはない。これまで幾多の犠牲を強いてきたのだ。
間違っていようはずがない。




