~マンション(共同住宅)の物語 其の1 「UFOを呼ぶOBHN(警察振り切れ!)」
最近のストレス解消は、人の少ない公園で、お気に入りの
自作(自称)シュメール語で、誰に向けてでもない言語を
発しながら、禁じられている鳩の餌付けを行い、足元に
鳩を集めては、自作の感覚だけが元のシュメール語もどき
で鳩に語り掛けた後。おもむろに立ち上がり、痙攣した
振りをした後、鳩を蹴散らすように追い立てることを楽しみ
にしていた。
そんな姿なので、大きな公園では出来ない。
しかし人目を完全い排除することは難しい。
ましてやネット社会。
今日の公園は西宮でもかなり尼崎市に近い武庫之荘。
武庫之荘の総合高校の裏を歩き、少し細い道を入る
今や年寄りが日向ぼっこに来るくらいの萎びた公園で
あったが、近所の主婦が、兵庫県警に不審者情報を送り
安仁屋さんの頭の中では、アース・ウインド&ファイヤー
が天空に向かって歌を捧げている映像が映し出されていた。
両手を天にかざし、自作シュメール(もどき)をやや
大きな声で「イヤァオヨォイシュバウヒオヘイユムホ
ハヒャ…」と少しくぐもった声で高揚しながら叫んで
いるところにパトカーがサイレンを鳴らさずに静かに
停まり、ゆっくり男性と女性一人ずつ、警官が近づいた。
警官は、あの有名なポリボックス襲撃事件の「西宮の
狂乱オバハン」ではないか!?と刑事特有の勘が働いた。
まず、女性警察官が安仁屋さんに声をかけた。
「ちょっとすいません。兵庫県警のものです。
ひとりで叫んでどないしはったんですか?」と関西弁で
問い質すと、安仁屋さんはビックリしてその場に倒れ、
腰を抜かした人のように地面を這うようにして逃げた。
男性警察官が「ちょっと待っとくんなはれ!」と停め、
安仁屋さんに職質した。
安仁屋さんはまた留置所に送られると思い、地面を這い
逃げようとした。
その際、過度の緊張から精神が不安定になり、そこから
シュメール語モドキを発し、UFOを呼び、宇宙人に
警察官を蹴散らしてもらおうと考えた。
「ンゥォオヨォイシュバウヒオヘイポポロンヒュバビベ…」
寄り一層くぐもった声で宙に向かって呪文を唱えていた。
安仁屋さんはUFOを呼びながら、凄い速度で逃げている
つもりであったが、男女の景観はピタリと横を歩いていた。
その光景を通報した30代の神経質そうな夫人が録画して
いた。
そして簡単な編集と修正をしたうえで、ネットにUPした。
【UFOを呼ぶOBHN】と題して。
※OBHN=オバハン




