表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

14/54

~マンション(共同住宅)の物語 其の1 「幻聴・幻覚」

入浴中に、聞こえるはずがない隣家からの「悪口」が、ハッキリ聞こえてしまう。


安仁屋さんは、まだm冷静さを辛うじて保っていた。


「おそらく心理的なもの。でも、旦那には、もう、相談できない…。」


安仁屋さんは、「落ち着こう、誰も言ってない。言っていても聞こえはしない。」

そう懸命に自分に言い聞かせた。


夜、理由は旦那の鼾であったが、安仁屋さん夫婦は別の部屋で寝ている。


夜、今日も哀しかったなぁと回想して、泣きながら寝ようとしたそのとき、天井から「メンヘラばばぁ。」と男児の声と、それを聞いて笑っている母親たちの声が聞こえた。


「え!まさか。また幻聴?」

耳に危険なほど指を挿し、何も聞こえないようにした。

しかし、「あれは狂ってますよ。奥さん、安仁屋さんには気をつけなさいや。」と管理員が他の婦人に言っている声が鮮明に聞こえた。


「なんで、耳栓しているのに。どうして。幻聴だから?」

まだ、幻聴ととらえることが、この時点ではできていた。


隣の部屋では、それこそ隣室にまで聞こえそうなほどの旦那の鼾が響き渡っていたが、安仁屋さんにはそれは全く耳に入っていなかった。


幻聴に苦しみ、涙で目を赤く腫らしたまま、翌朝パートに向かった。

すると、甲子園口の職場の駐輪場で、安仁屋さんは聴いてしまった。


「あっ、ママが言ってたメンヘラばばぁだ!」


安仁屋さんは、心臓が止まりそうになっていた。

ついに職場にバレるのか!?


慌てて凄い形相で周囲を見渡した。


しかし、誰も、そこには、居なかった。


筈だった。


しかし、男児の幻影を、電信柱の後ろに見てしまっていた。

「げ、幻覚?」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ