表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【更新不定期化】AllFreeOnline~才能は凡人な最強プレイヤーが、VRMMOで偽善者を自称します~  作者: 山田 武
偽善者と精霊踊る育成イベント 十四月目

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

966/2525

偽善者と育成イベント終盤戦 その05



≪準決勝第一試合──ナース選手VSルビ選手! はたして勝利し、決勝への切符を勝ち取るのはどちらのなるのか!?≫



 準決勝ともなれば、強敵が出ると予想はしていたが……まさかここで、コイツが出てくるとは。



「ふっ、よく来たわね。来るとは思っていたけど、まさか本当にその子だったなんて」


「ほぉ……それはどういうことだ?」


「だってその子、まだ丸いままじゃない。知らなかったの? 形が変わればその形状固有のスキルが使えるって」


「……当然知っている」



 だから勧めたかったんだが、ナースが頑ななのでこちらが諦めた。

 空を飛ぶ姿なら飛行系スキル、水を泳ぐ姿なら水生系スキル、地を走る姿なら脚力系スキルが手に入るなどの事例はあるのだ。



「だからこそ、面白いのではないか。このままの姿で圧勝し、優勝する。それこそが真の最強の証明となるのだ!」


「ふーん、その口調止めないのね」


「とと、当然だ! それよりも貴様、辞世の句でも考えておくのだな。敗北のみしか、貴様たちの未来は残っていないのだから」


「それはこっちの台詞(セリフ)よ。うちのルビも、だいぶ強くなったんだから」


 幼竜を進化させるって、かなりの時間を費やすはずなんだけどね。

 いくらプレイヤーとはいえ、配下のレベルアップ速度まではどうにもできない……召喚士や調教士などの育成職は、それでもどうにかしようと足掻いてきた。


 これはその成果、抜け穴なんてない道をただひたすらに前進してきた証だ。



「──来なさい、ルビ!」


 グォォォォォォォォン!


「こいつはまた、なんとも大きく成長していたな。サイズを隠していたのか」


「ええ、(縮小化)というスキルね」



 現れたのは3mほどの西洋ドラゴン。

 幼竜の頃からそうだったのだが、全身を包む紅玉(ルビー)の輝きがより眩しくなっている。



「こちらも負けん──行け、ナースよ!」


『おーーー!!』



 特にカッコイイ召喚の演出があるわけでもなく、ただふわふわと舞台まで漂い向かっていくナース。

 溜め込んだ魔力を一部解放しているからなのか、一回り大きく見える。



≪両者ともに、準備はできたみたいですね。それでは準決勝第一試合──開始です!!≫



 グワーンと銅鑼がどこかで鳴り響き、俺たちの(育成した者たちによる)闘いが始まったことを告げた。

 ワーッ! と盛り上がる観客たちの歓声を耳にしながら、ナースへ指示を告げる。



「ナース、必要な時は俺が命じよう。貴様はそれまで、思う存分力を振るうがよい!」



  ◆   □   ◆   □   ◆


 行動の自由を約束されたナースは、目の前の相手を仰ぎ見る。


『おおきー』


 グオォォォォォン!


『それでもーまけないー!』


 魔力を解き放って行うのは、有り余る魔力による強制具現技術──“具纏”。

 巨大な腕がナースの後ろから生えると、その二本の(ルビ)を操りルビへ向かわせる。


「ルビ、躱しなさい!」


 イアの指示を受け、ルビは翼をはためかせて空へ飛翔した。

 腕はそのまま周囲に展開された結界にぶつかるが、その直後に腕をゴキリと鳴らして直角に進路を変更する。


『にがさなーい!』


 凄まじい勢いで飛ぶドラゴン、それを追いかける魔力の塊。

 あまりに濃密すぎる魔力は可視化され、見る者すべてを唖然とさせていた。


「ちょっと、アレはなんなのよ!」


「お前が言ったアルカ以上の魔力を、強引に魔法発動状態で押さえたモノだ。魔法は現実に干渉する、つまり物理的な性質を併せ持っている……まあ、パクリだけどな」


「パクリって……原作が分かっても、真似できるわけないじゃない」


 主同士がそんな会話をしているが、互いの攻め合いに変化はない。

 ルビはスルスルと追いかけてくる腕たちを回避し、ナースはその腕を動かしてどうにか捕まえようとする。


 ナースの極めて高い魔力操作技術を用いても、体外に伸ばした魔力を完璧に操ることはまだできていない。

 メルスやその眷属と違って基となる情報が無いだけでなく、まだ生まれて一週間程しか経っていない幼い精霊。


 ──何より自身に腕が生えていないナースには、自らが操る腕の感覚をまだ掌握しきれずにいるのだった。


『むー、とりゃー!』


 グォロォォン!?


 だから技術ではなく、量で押し切ることを選択する。

 二本しか無かった腕が無数に伸び、ルビを捕獲しようと空を埋め尽くしていく。


「ルビ、息吹で破壊しなさい!」


 グォォォォン!


 大きく息を吸い、中で魔力と練り上げる。

 そうして生みだされた凄まじい魔力の奔流が、周囲に散らばる腕を一蹴する。


 一つ一つの質が落ちていたため、ルビの充填されきっていない息吹でも破壊された。

 そのことをしっかりと理解しているナースは、再び腕の数を増やしつつ籠める魔力を調整し始める。


「ナース、一つのことを一つずつこなすのもよい。だが、時にはそれ以上のことを要されることもある……それが今だ。己の限界を超えろ、そこにしか勝利はない!」


『おー!』


 自身の契約者の言葉を受け、ナースはさらに活力を入れて腕を伸ばしていく。

 そして、ルビもまた全身を強化しながら飛行していった。



と、いうわけでVSルビでした

次回で勝敗は決しますよ


p.s.

パズドラをやっている作者ですが、最近の交換に四苦八苦しております

そろそろ周回しても追い付かず、このままでは間に合わなくなると感じてきました……運営よ、ギリギリにするのはどうかと思うんだ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ