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【更新不定期化】AllFreeOnline~才能は凡人な最強プレイヤーが、VRMMOで偽善者を自称します~  作者: 山田 武
偽善者と精霊踊る育成イベント 十四月目

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偽善者と育成イベント終盤戦 その01

終盤戦の始まりです

戦闘ばかり……になるといいですね



 あれからいろいろとやったわけだが……それでもなお、ナースの形状は変わらない。

 いつも通り、というぐらいに慣れてしまったその球体が突っ込んでくる。



『けいやくしゃー!』


「ついに、このときが来たか」


『うーん!』


「武であれば、派手さも繊細さも要らない。貴様好みであろう? 圧倒的な力を用いた、殲滅というものは」



 もちろん精霊であるナースは優秀で、また少しの時間でコントロールを磨いた。

 だが真の意味で<虚空魔法>を習得してはおらず、まだ不完全な形での虚空へのアクセスしかできていない。


 そう言った意味では、殲滅がもっとも適切な語彙の選択だと思う。



「無限の魔力を得ることはできなかったようだな。アレであれば、俺も貴様を認めていたのだが……しかし貴様も、それで認められようとは思っていないようだ」


『おーーー!』


「ふっ、やれるものならやってみるがよい。四位などで満足するでないぞ」


『おーーー!!』



 やる気に満ち溢れたナース。

 今日という日に篤くなっている精霊は、溢れ出るほどの魔力を完全に制御してこの場を漂っている。


 見る人が見れば分かる異常な魔力量だが、その隠蔽能力は超が付くほど一流のものだ。

 ……正直素の状態の俺だと、気を抜くと分からなくなるほどである。




===============================

第四競技:武闘会(力比べ)


本選参加人数(予定):16名

予選参加人数(現在):948名


予選参加募集終了後、参加者には英数字の書かれた札をお渡しします

予選は記されたアルファベットのグループごとに行い、その上位選手のみが本選に参加することができます

競技の詳細は登録完了後にご説明します

===============================




 ちなみにだが、第三競技である品評会も同様の説明文だった。

 第一競技である問答会だけが、予選前に課題をやらされたわけだな。


 しかしまあ、人数が多いこと多いこと。

 十六個しかない枠を、確実に九百を超える者たちで奪い合う……運営よ、ランキング系のヤツはちゃんと調整しないと駄目だぞ。



「ナース、予選で使うのは無しだ。魔力は無属性ではなく純粋な魔力のみで使え」


『うーん!』



 ここ、微妙な部分である。

 無属性精霊であるナースにとって、魔力とは流れるモノすべてが無属性の魔力なのだ。


 選別して変質しても結局は無属性、重力や具現という属性にしなければ勝手に純属性になってしまう……のではないのだから、またわけが分からない。


 純属性は魔力を他者と共有できるようにできるが、純粋な魔力とは自身の波長でしかないためそれはできない──要するに、純粋な魔力とは無属性という幅広い魔力なのだ。



「貴様が得たスキルがあれば、たいていのことは容易くこなせる。強者は驕らず、貴様が油断する瞬間を狙っているだろう……俺の下へ来るまで、油断をするなよ」


『おー!』


「そうか、それでいい。ナース、貴様もそろそろ変化する形状を」


『──まだー!』



 ピューッと飛んでいくナース。

 どこか危険な場所へ向かうでもないし、とりあえず放置しておく。

 ……ずいぶんとまあ、自由に動き回る契約精霊だよ。



「イベントの騒動をアイツらが喰い止めている。失敗すれば乱入が、成功してもそれは時間稼ぎにしかならない。なぜなら、俺が偽善者だから……言っててなんだが、かなりアホみたいな台詞(セリフ)だな」



 一度リョクのレイドイベントを終わらせることで偽善を成したが、今度はみんなが参加できるように協力しようではないか。

 リヴェルを向かわせたのもその一環、アイツは知らないだろうがそういうシステムを仕込ませてもらった。



「忠実な(しもべ)が働いてくれる。本当、持つべきものは眷属と僕だな」



 前者は今回、働いてるかどうかさっぱりなわけだが……うん、いつもよくしてくれている最高の奴らだ。

 プレイヤーの眷属はほとんど言うことを聞かないが、そもそも聞かせる気がないので別に構わない。



「というか、俺はいつまでアイツらを拘束するんだろう。嫌なら解除するし、お別れの品ぐらい用意するんだけどなー」



 クラーレがたまに、眷属という単語を出すからビクリとしちゃうんだよな。

 どうせユウかアルカが自分と同じ被害者を増やそうとしているんだと思うが、あまり巻き込まないでもらいたい。


 力を欲した眷属、それがシャインを除くプレイヤーの眷属だ。

 アイツの場合はフェニに手を出す未遂だったから、俺の{感情}が爆発した……まあ、アイツが悪いってことで。



 閑話休題(じごうじとくだ)



 武闘会の予選は、一時間もしない内に始まる予定だ。

 それぐらいに調整して参加したのだから、そうなるのは必然のこと。


 精霊眼で精霊を見つけては、またアルカに妨害されたとき用に準備を施していく。


 魔力で釣って:言之葉:で話し、条件を出されたらある程度従う……たまに<畏怖嫌厭>の効果なのか、ひどいことを言ってくる精霊もいたがそこはスルーしておいた。


 ──<畏怖嫌厭>のせいだよな!?



「これで準備は万全……とは言いがたいが、それでも対策はできたはずだ」



 悪いな、アルカ。

 約束は守ろう、だがいつだって人間は有ろうが無かろうが、抜け穴を探したくなる生き物なんだ。


 さぁ、お仕事の時間だ!




次回はちゃんと予選に移ります

ナースのスキルが一つ公開されます


p.s.

初めは謙虚だった主人公が、少しずつ周りの環境に合わせて変貌していく……そんな小説を読みました

いや、そういう話じゃないんですけど、一話目との違いに驚く作品です

AFOの場合は『侵蝕』というそれを可能にするシステムがありますが……まだ途中ですし、そういった理由があるといいんですけどね

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