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【更新不定期化】AllFreeOnline~才能は凡人な最強プレイヤーが、VRMMOで偽善者を自称します~  作者: 山田 武
偽善者と生命最強決定戦 十三月目

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偽善者と凡人剣技

九月に入りましたね……あとの文が思いつきませんでした



「試合に勝って勝負に負けるとはこのことよね。……ねぇメルス、本当に大丈夫なの?」


「…………大丈夫、と口で言ってもティルは誤魔化されてくれないもんなー。さすがに魔力の使いすぎみたいだ」



 ティルに肩を貸してもらい、ゆっくりと通路を移動する。

 主としての威厳など無いに等しいため、外聞がどうでもいい俺だからできることだ。


 肉体は内部でズタボロになっており、一度行っていた魔力による強制駆動(マリオネット)もできないほど自壊している。

 まあ、他にも移動方法があったので、ここに来るまではそれを使っていたわけだ。



「攻撃魔法を使えば、魔導を使えばすぐに勝てたでしょうに。未来視の弱点なんて、メルスが一番知ってるでしょ?」


「未来が視えても避けられない、今回の場合なら舞台全体に作用する攻撃を……とでも言いたいのか? 魔法を斬る相手に、どうやって当てるんだよ」


「それでもやってのけるのが、私たちの主であるメルスよ」



 そりゃあなんとも、重たい信頼で。


 紛い物の神剣に極限まで魔力を籠めて、どうにか獣聖剣に傷を付けることができた。

 いくらセーブされているとはいえ、それでも俺の魔力量は人外級のはずだ。


 それを魔法に注ぎ込んでも斬り裂かれるだろうし、魔導はそもそも魔力不足で本来の性能を発揮できない……うん、できない!



「それで、大丈夫なの?」


「<物質再成>で戻せば、どうとでもなる。けど今回は超回復に回したいし、そのままにしているだけだ……<澄心体認>にティルとの闘いも経験したし、もう一段階ステップを踏んでおきたいのさ」


「心配させないでちょうだい……」



 なおこのタイミングで、心配させるような重傷を負わせたのはお前だろ、などとツッコミを入れてはいけない。

 凡人らしく、剣聖に挑んだ対価を支払った結果がこれであり、ティルは俺との闘いに真剣に応えてくれたのだから。


 そもそも地球で、剣術を知る機会なんて画面の奥にしか無かった。

 あとは傘を振り回して創作物のキャラの真似を……って、これは剣術とは関係ないな。


 そんな俺が反則ギリギリとはいえ、剣聖に勝利した。

 ……ん、あれ?



「勝って、ないよな。罅入れただけじゃん」


「ええ、そうね」


「……たしかに、勝負には負けてるな」



 折れる覚悟で闘おうとすれば、ティルが試合に勝っていただろう。

 聖剣と神剣で耐久度を苛め抜くことで、どうにか剣ではなく心を折ることができた……ということだな。



「心は折れたわけでも、剣が折れることを恐れたわけでもないわ。あの神剣は壊れてもすぐに復元するし、何度でも作れたでしょ? それに、もう魔力が限界だったのよ。いろいろと使いすぎたのよね」



 獣人族のほとんどが魔力をあまり持っていない……それはティルにも当て嵌まった。

 獣聖剣は能力値への補正だけであり、レベルアップを重ねた今でも魔力はあまりない。


 平時は[眷軍強化]で身力値も底上げされているので支障は無いが、こういった場では何度も魔力を行使できないのだ。



「──というか、また読めてるのか?」


「ここまで接近すれば、否応なしに発動するわよ。……まあ、メルスの心はずっと読んでいたいけど」



 そうか? それならいいけど……。

 俺の心は荒んでいるし、そこまで純粋な想いも流れてこないだろ。

 ただただ適当に日々を生きてる、アホで間抜けな凡人の思考でしかないんだから。



「分かった途端、会話を思考だけで済ませようとするんじゃない。それに、そんなメルスの心だから面白いのよ」



 面白いと言われても、プラスかマイナスかで若干悩みたくなるな。

 いやまあ、ティルのことだしプラスの意味だとは思うけどさ……。


 剣聖を超える、みたいなくそ恥ずかしい台詞をほざいたくせに止めて……挙句の果てに剣神になる、だぜ? どんだけ馬鹿なんだ!



「それは……正直思ったわ。け、けど──」



 ああ、うん。マイナスにはならないから。

 結局剣舞じゃなかったせいか、本物の剣神が呼応した反応は無い。


 あとでアマルに連絡して、煌雪神の方にも何かあったか確認しないとな……。



「時々礼拝堂に行ってるけど、ミシャット様も応えてくれたことは無いわね」



 ティルを鎖にしていた神様か……。

 出会いだけを考えれば感謝したいけど、やらせたことを考えるとそれだけでいいのか正直悩むな。



「何をする気よ。私はミシャット様に感謝しているし、後悔もしていない。それに……クエラムも救えたわ」



 うん、そうだな。

 ティルの選択が、時間を先延ばしにしてくれた……だから俺は二人に逢えたんだ。

 忠犬みたいで可愛いクエラムも、猫みたいにツンツンしているティルも愛らしくてな。


 やっぱり、俺は──



「ゲブッ!」


「へ、変なこと考えないでちょうだい!」



 肩から外され、そのまま地面に叩き付けられる。

 衝撃が全部ビターンと体に響くため、正直めっちゃ痛い。



「……ひどいな。心に秘めた想いを、ありのままの気持ちを伝えただけなのに」


「つ、伝えてないじゃない! メルスは心で思ってただけよ!」


「ハハッ、こりゃ一本取られたな。なら、今度は口で伝えた方がいいか? ……ティルのことが愛らしいってな」


「……斬り刻むわよ」



 林檎のように真っ赤な顔で怒るティルに、思わず顔がほっこりしてしまう。

 ……えっと、なんの話をしてたっけ?




アルファポリスファンタジー大賞、始まりますね

作者の作品も四作品、いつものように参加しています

できるなら、ぜひ投票の方を……マイページ的な場所のURLです

→https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/553184554


p.s.(お見苦しいです)

レビュー! 評価! ブックマーク!

ストレートに言って物凄く欲しい! 自称偽善者これまで二つ、レビューを頂いております……そこには大変感謝しています

ただ、人間の欲とは限りがないわけで、一度覚えた欲を何度も感じてしまうわけで……欲しいんです!

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― 新着の感想 ―
頭の中でティルのCVが竹達彩奈さんになってる…でもアルカとティンスもそうなんだよな…
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