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【更新不定期化】AllFreeOnline~才能は凡人な最強プレイヤーが、VRMMOで偽善者を自称します~  作者: 山田 武
偽善者と閉じた世界 十二月目

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偽善者と造船



 天の箱庭 生産室



 突然『天の箱庭』と言われても、わけが分からないだろう。

 これは、『月の乙女』ギルドハウスとして用意した島の呼び名である。



「──と、いうわけで来たんだけど……いきなりどうしたの?」



 クラーレの話を聞いて一度確認をしに来たのだが……いきなり詰め寄られると、たじろいでしまうのが男の性質(さが)だ。

 全員が全員手にはいくつかのアイテムを所持しており、グイッと俺の前に出している。



『────!』


「六人でいっせいに言われて困るよ……要するに、アイテムを視ればいいんだよね?」


『────』


「はいはい、一人ずつね。……でも、私に頼らずともどうにかやってみるとか、言ってなかったっけ?」



 <八感知覚>と<千思万考>があるので、全員の言葉は聞き取れた。

 すぐに鑑定眼を用いて、全員が生産したアイテムを調べて改善案を伝える。



「……これで全員と」


「メルスの兄貴、そういえば船を造るとかシガンの姉御が言ってたんだが」


「今はメルだよ。うん、そのうちみんな海を渡るんじゃないかな?」


「メルさん、まさか私たちだけで?」


「そうだよ。私はこのギルドで、おやつだけ作っていればいいからね。みんなで力を合わせて、頑張って作ってみてね」



 話題は造船に関するものへ移行する。

 シガンのことだ、どうせ俺が結局力を貸すと思ってるな?

 事実そうなんだけど、できるだけ本人たちに任せるのがベストだろう。


 おやつも本当はシーエに任せて、のんびりしたいんだけどな……説得にはまだ技術が足りないみたいなんだ。



「先生、一から全部は難しいですよ」


「本当はサルワスで造船に関する指導があるみたいだけど……そこは、私がカバーするから平気だよ」


「造れる?」


「みんなの先生だったからね。宇宙の大和でも、世界樹の船でもなんでも可能かな?」



 無論、空飛ぶ浮島も造れるんだが……そこは言わずもがな。

 気にしてはいけない部分として、彼女たちの中でも暗黙の了解となっている(すでに外のことは知っている)。



「ヤマート! メル、ヤマートをクリエイトしましょう!」


「難易度高いよ? たぶん、みんながやるとなると……一月かかるかどうかかな?」


「は、速すぎませんか? 数年かかるんじゃないんですね」


「スキルがあるからね。加工が簡単にできるからすぐにできるんだよ」



 本当なら、(造船術)というスキルを習得させておきたいな。

 だが、そんなに頻繁に船を造るわけでもないのでSPの消費が無駄になる。

 無くとも造船に必要なスキルは揃っているし、とりあえずは問題なしか。



「まあ、難易度ごとの設計図を用意しておくよ。簡単なのは小船、一番難しいのは……プリパレが望んだ大和をね」


「オー! サンクス、メル!」


「それじゃあ今から描くね。その間にさっき教えた方法でアイテムを作ってみよう」


『はい!』



 描くだけならすぐにでもできる。

 脳にイメージした映像を、紙に複写するだけで完成するからな。

 宇宙戦艦を造れるようになるのはまだまだ先だろうが、普通の大和ならできるだろう。

 ……両方の設計図を用意しておくか。



  ◆   □   ◆   □   ◆


 夢現空間 生産室



 設計図を完成させ、アイテムの再チェックも終わらせた。

 なので用は済んだということで、今は夢現空間の中に居る。



「船か……俺も本格的に造るかな?」



 いや、普通の船をな。

 色物は結構造ってきたんだが、それ以外はあんまり造ってなかった。


 大陸を渡る予定もあるし、偽装用の船はいくつあっても困らないだろう。

 そうして生産室で船のことを考え、ぼんやりと呟いているのが現状だ。



「おっ、やっぱりいたいた」


「ん? カナタか」



 何を造ろうかと云々悩んでいると、生産室にカナタが入ってくる。

 いつもならダンジョン関連のことをレンとコアさんとでやっているんだが……早めに切り上げたのか?



「何創ってんだ?」


「船を造ろうとしていたんだが……普通の物があまり浮かばなくてな。いっそのこと、あえて方舟を造った方が面白いかと思っていたところだ」


「あえて、とか狙うなよ。普通ので良いじゃねぇか。それか外側だけ取り繕った感じのヤツをさ」


「ハッ……その手があったか!」


「……いや、最初から気づけよ。けっこう王道だろ? そういうのって」



 すっかり忘れてたな。

 普通のは『月の乙女』に造らせる分で満足していたせいか、頭の中から完全にそのアイデアが消え失せてたよ。


 そうだよな、超弩級戦艦を造りだそうと小さくできるなら問題ないんだし。

 というか、もう魔法の船としてそんなのを造船済みなんだから、それを記憶の中に留めておけよって話だ。



「けど、船と言っても大中小いろいろとあるよな。そもそも何用なんだ?」


「大陸を渡るための巨大船だ。モチーフをどうするか、組み込むギミックの規模が悩みどころだな」


「──波動砲は確実にいるし、ミサイルと大砲、それに潜水機能と飛空機能が必要だな」


「ああ、その通りだ。結界防御と戦闘機を乗せる場所の用意もだろ?」


「分かってんじゃねぇか! そうそう、やっぱり戦闘は熱くしねぇと!」



 それから、カナタと共に船に載せる色んな機能を話し合った。

 最終的に話の纏めは──全部ブッ込もうということになったので、結局やり直しになったんだがな。




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