表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【更新不定期化】AllFreeOnline~才能は凡人な最強プレイヤーが、VRMMOで偽善者を自称します~  作者: 山田 武
偽善者と閉じた世界 十二月目

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

751/2527

偽善者と鉄扇



 夢現空間 修練場



「魔導解放──“再生せし闘争の追憶”」



 いつもなら英霊を召喚し、自身を鍛えるために協力してもらうんだが……今回は特別。

 少し違う使い方を模索してみた。



『────』


「そもそも俺が黙っていてもらうことを望んでいるのかもな。真実から目を背け、ただつき従う人形を必要としている……そうだったらなんだかなー。せめて別の理由であってほしい」



 今回求めたモノ(・・)──それは一騎当千。

 地球では、単騎が千人を相手にするという無双プレイのことを指しているんだが……レベルやスキル、魔力なんて概念が存在しているこっちだとあまり珍しくはない。


 存在としての格が違うもの同士の戦闘であれば、一騎当千なんて簡単に生まれる。

 スライムとドラゴンが争えば、スライムにチート保持者でも居ない限りドラゴンの圧勝だろう。



「さすがにソウ千体とかは俺が死ぬので……魔物図鑑(イラスト付き)で記憶した魔物を適当に召喚してみた」



 あれは無理、さすがに無理。

 世界最強が千体集まれば、AFOの世界に住まうほぼすべての生命体が滅ぶ。

 なので今回は適当な魔物を見繕い、魔導で生みだしてみた所存である。



「リミットはどうしようかな? フル解放だとさすがにあっさり終わりそうだし……とりあえず、最初は武術限定に縛ってその後は魔法だけって感じか?」



 ここでドゥルに連絡すれば最高級の武器を用意してもらえるのだが……そこは適当な武器で代用する。

空間収納(ボックス)”に入れっぱなしだった武器を漁り、一番最初に引っかかった物を使うことにしてみた。



「……あー、初期からあったと言えばあったよな」



 取りだした武器を握り──戦いが始まる。



  ◆   □   ◆   □   ◆


 独特の移動法が魔物たちを困惑させる。

 腰を落とし、重心を下げ、体幹を整える。

 ──すり足と呼ばれる歩行術を用い、メルスは舞い続けた。


 決して足裏を見せず、ゆっくりとした仕草で動いていく。

 魔物がそれを隙だと感じて襲いかかれば、まったく異なっていたと身を持って痛感することになった。


 鉄の扇はゆらりと揺れ動き、魔物たちの脳天へ叩きつけられる。

 軽く質量のある不思議な扇はひどく脳を揺さぶり、魔物はそれだけで地に伏せていく。


 剣を掲げて振り下ろす者が現れる。

 メルスはススッと体を捩じって避けると、頭上に扇を掲げてそれを防ぐ。


 硬直した相手の腕を片手で掴むと、扇を持つ手で関節が逆になるよう瞬時に突く。


「……使い慣れてないから難しいな」


 悲鳴を上げる魔物を他のものがいる場所へ投げ飛ばす。

 慌てふためく隙を突いて、納刀の構えから近寄る。


「“抜刀(バットウ)”」


 武技の力を借りて放たれた一撃は、空を飛ぶ斬撃ととなって辺りの魔物を一刀両断に裂いていく。


 扇はあらゆる可能性を秘めた武器、それ一つで森羅万象を表すこともできる。

 今回は刀をイメージした動きで、それを再現するに至った。


「“海閃山穿(ウミセンヤマセン)”」


 再び扇を開いて舞い踊っていく。 

 海と山、それらを扇一つで表す。


 合間合間に斬撃と突きで攻撃をするが、動きに見惚れる魔物たちは何もできぬまま地に伏していく。


 舞は魔物たちが一定数に減るまで続き、終わる頃にはほぼすべてが死に絶えていた。

 人型の魔物などは小型大型に問わず死んでいるが、大型の異形を持つ魔物たちはまだ生きている。


「ここからは特殊編だな──“竜巻之舞(タツマキノマイ)”」


 踊り始めるメルス。

 これまでの繊細な舞とは異なり、大胆で力強い舞である。

 鉄扇を思いのままに高速で振り続け、足を軸としてクルクルと回転していく。


 そして生みだされる巨大な竜巻。

 メルスが歩を進めるたびに、少しずつ魔物たちの元へソレは向かう。


 鉄扇は斬撃の風を放ち、竜巻に触れた魔物たちを切り刻んでいく。

 猛烈な風が吹き止む時──立ち上がる魔物は一匹たりとも残っていなかった。


「……さて、次は魔法だな」


 メルスはそう呟き、一言言い放つ。

 すると血溜まりはスッと消え、再び魔物が立ち上がるのだった。


  ◆   □   ◆   □   ◆



「とりあえず……できたか」



 当初は『旅芸人』に就いていた俺だが、扇は{感情}による高速成長によってすぐカンストしたため使い慣れていなかった。

 一通り武器をあとで作ったわけだが、使用することはほとんどなかったということだ。


 今回の使用で俺自身の熟練度が向上した。

 扇使いは眷属内にいないので、どうにも使い方が分からなかったんだよ。

 表現だけであらゆる現象……日本舞踊をやる人は、本当に凄い。



「魔物の再現度はそれなりにできていた。俺と眷属の誰かが殺めた魔物だからこその再現度ってところかな? 直接経験値として魂を糧にしているんだからまあ当然だが」



 魔物を殺せば、その溜め込んだ魂の経験は殺した者が大半を吸収する。

 つまりは魂そのものを一部とはいえ、取り込めているのだ。



「それを読み込んでいるんだから、イラストと戦闘データを基に再現できるのか」



 とりあえずそういうことにしておいて、細かい情報は眷属に調査してもらおう。

 今は少し疲れた……再現する魔物の数が多かったかな?




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ