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【更新不定期化】AllFreeOnline~才能は凡人な最強プレイヤーが、VRMMOで偽善者を自称します~  作者: 山田 武
偽善者と再始動 九月目

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偽善者なしの『未来先撃』 中篇



『……クッ、こんな筈じゃ』


『アハハ。本当のお姉さんならともかく、一つの能力に固執しているままじゃあ、私に勝つのは難しいんじゃないかな?』



 ――煙の先では仰向けに倒れたジガンと、彼女の首に剣を突きつけるメルちゃんが見えました。

 ジガンが少しでも動こうとすると、剣が首に近付く為に抵抗はできません。



『メルちゃん凄ッ!』



 ノエルの感想が全てを物語っています。

 ジガンは、【固有】スキルを手に入れてから負けたことの無い強者でした。

 時間差を付けて斬撃や魔法を放てるということは、未来に攻撃を置いておくのと同等なのですから。

 一度放たれれば、防御も無視して攻撃が襲い掛かって来ます。

 対処する方法は、見てから捌くという方法だけでした。


 わたし達が束で掛かっても勝てなかったそのジガンに、メルちゃんは一人で対応し勝利しました。

 ……本当に、メルちゃんは何者なんでしょうか。


 そして、そんなメルちゃんが現れた結晶の持ち主――ノゾムさんもまた何者なんでしょうか。



『ますたー、これからどうするの?』


「メルちゃん、ジガンを元に戻すには、どうすればいいんですか?」


『方法は幾つかあるよ――


 一つ、人格を変える

 二つ、記憶を弄る

 三つ、【固有】スキルを奪う

 四つ、叩きのめす


 ――ますたーの願いに最も近いのは、多分四番目だよね? だから、私はお姉さんをこうやって一人で倒したんだよ』


『つまり……どういうことだ?』



 ディオンが尋ねます。

 一番と二番が非人道的であったり、三番が聞いたことの無いような情報ですが……もう気にしません。



『えっと、四番の説明だよね。

 【固有】能力に侵蝕効果があるのは言ったでしょ? その効果は、その持ち主の心が折れるともう二度と発動しなくなるの。だからこうして一度倒さないと、【固有】持ちは調子に乗るの』


『サラ~ッと凄いこと言うね~』



 ……要するに、ジガンを元に戻す為には、彼女を倒さなければいけなかった、ということでしょうか?

 【固有】スキルを相手に勝利する……口で言うのは簡単でしょうが、実際に行うのはとても難しいでしょう。



『でも……まだ無理みたいだね。お姉さん、諦めてないや』


『……当然よ、私が間違える筈が無い。貴女という存在が間違っているのよ』


『だって。うーん、やっぱりこうするしかないのかな?』



 再び剣を仕舞い、メルちゃんはわたし達の方へとやって来ます。

 ジガンはその間に立ち上がって、魔法や武技をこちらに放ってきますが、それは全てメルちゃんの近くを通る寸前で消滅します。


 ジガンに目もくれず、メルちゃんはわたしに近付いてこう言います。



『――だからますたー、ますたーが一人でお姉さんを倒すんだよ』


「……ほぇ?」



 変な声を上げてしまったわたしは、悪くないと思います。



◆   □   ◆   □   ◆



 ……どうしてこうなったのでしょうか。

 わたしは今、ジガンと向かい合わせに剣を構えて立っています。

 周囲には結界が張られており、上空にはUIが表示されています――



===============================


1vs1 時間:∞ 勝利条件:殲滅


===============================



 わたしとジガンの決闘。

 制限時間は無制限で、勝つには彼女のHPを全損させなければなりません……回復職(ヒーラー)のわたしが、です。



《だいじょうぶ、ますたーなら問題無いよ》


「いえ、本当に大丈夫でしょうか?」


《私も力は貸すから、あとは……ね♪》



 ね♪ では無いんですけど……。

 確かにこれはあくまで、わたし自身が決めたことです。


 だからこそ、最後は自分で決着を着けるべきなのでしょうか?


 メルちゃんは現在、わたしが持つ剣に姿を変えてくれています。

 メルちゃんの本当の姿が剣なのか……そこは教えてくれませんでしたが、握られた剣からは、素人であるわたしにも分かるようなナニカが感じ取れます。



《条件を満たせれば、もっと強くなれたんだけど……ますたー、ごめんなさい》



 不思議な色で統一されたデザインを持つメルちゃんの剣は、装備したわたしに力を与えてくれています。

 ステータス画面を確認したので、間違いありません。


 それなのにまだ強くなる……どこに謝る要素があったのでしょうか?


 メルちゃんを装備すると、頭の中に直接メルちゃんの声が聞こえるようになりました。


 わたしは同じように返信できませんが、それでもメルちゃんが一緒に居てくれると感じられるので、とてもありがたいです。



《パフは闘ってから掛けるし、スキルは私の方で発動させるから、ますたーはどんな風に闘いたいかをイメージするだけだよ》


「イメージ……ですか?」


《うん。特に、感情を籠めたイメージをするのが一番イイね。ますたーがどうしたいってイメージを、わたしが汲み取って行動に反映させるから》


「や、やってみます」


『そう。もう準備は良いのね』



 既に準備を終えていたジガンは、余裕の表情でわたしにそう訊いてきます。


 ……普通、戦闘職が回復職に負ける筈がありませんから。


 それこそ、上位ランカーの持つような武具でも相手が持っていない限り。


 ですが、わたしは勝ちます……勝ってみせます! ジガンを、元に戻す為に!!



===============================


  戦闘開始!!


===============================



 そして、その表示と共にわたし達は動き出します。




侵食は、意外とあっさり解除できるものですが、それをさせまいと抗ってくるのが面倒なのです。

初期は一人だけ圧倒的な力を持っていたある人が無双して叩きのめしていましたが、途中でいなくなったのでポッキリと心がへし折れる者が減少していきました。

そして、折れずに侵食されて狂化されていった結果……侵食を解除するのが大変になっていくのです。


次回で彼女サイドは終了となります。


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― 新着の感想 ―
[一言] ユウも最初は侵食されてた気がする〜
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