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【更新不定期化】AllFreeOnline~才能は凡人な最強プレイヤーが、VRMMOで偽善者を自称します~  作者: 山田 武
偽善者と再始動 九月目

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偽善者とリスタート

これまでのあらすじ

世界初のVRMMO──【AFO】に参加したプレイヤー【メルス】

初期に手に入れたいくつかのスキルを使い、やりたい放題しているとAFOの世界に飛ばされる

このAFOはただのゲームではない、飛ばされた先【終焉の島】に封じられた者たちを解放しながらそれを知っていく【メルス】

最後には運営神と呼ばれる神の一柱を解放し、島からの脱出に成功する


世界の真実を知った【メルス】は、この先に何を成すのか!?

何も決まっていない第二部──開幕です



 始まりの町


 ワイワイ ガヤガヤ


 その日もまた、いつもと変わることのない賑わいを、始まりの町は見せていた。初心者が仲間を集め、熟練者が依頼を吟味する――そんな日常を。


 そう、この瞬間までは。


 ピー ピー ピー ピー


「おいおい、これなんだよ」「こんなお知らせの音聞いたこと無いわよ」「まだ聞いたことねぇってことは……グラクエ絡みか!?」「いやいやいや、そんなのまだ分からねぇじゃねぇか……お、来るぞ」


 その刻、全プレイヤーへと通達が届く。

 プレイヤー達は可能な限り現在の活動を一旦止め、後に続くであろう言葉を今や今やと待ち侘びる。


 ……そして、それは訪れた――。


≪──警告:世界級の神敵がプレイヤーの行動可能範囲に出現しました。

 プレイヤーの皆様は、充分に警戒してご活動ください──≫


 プレイヤーたちは皆、首を傾げる。

 今までそのような単語を、聞いたことのある者はいなかったからだ。

 そして、それを何故プレイヤーに運営が告げようとするのか……それもまた、皆目見当が付かない。

 ある者は図書館へと駆け込み、ある者は物知りな自由民へと情報を仕入れに行く。


 ――世界級の神敵とは何なのか?


 それは、すぐに判明されて掲示板へと情報の報告が掲載される。


===============================


049.名無しの学者


階級について


AFOの世界に存在する生命には、必ず階級というものが存在している

下級、中級、上級、王級、帝級、神級、世界級に分かれており、その存在の強大さを示しているそうだ

下級で人、中級で村、上級で町、王級で国、帝級で連合軍、神級で神、世界級で世界を相手取ることができるという記録が存在する


王級以上の存在には、神敵というものが存在する場合があるらしい

その名の通り神の意思に背き、神々によって異端の存在と認められたもの達の総称である

これらはどのような方法で殺害しても罪に問われることは無く、むしろ神々からの報酬があるとの記載もあった


かつて王級の神敵"邪小鬼王"が出現した際、ある国は戦力を全て使用してその魔物へと戦いを挑んだ

その結果、戦力の九割を代償にその魔物を討伐することに成功した……すると、神々から金銀財宝や聖剣や魔剣、挙句神器等がその国へと贈られて、戦力が極端に減った筈のその国が、武力を以って大陸を覇したとの伝承も存在していた


===============================


 ……要するに、出現したという存在を倒せばレアアイテムが出現する。

 掻い摘んで言うならば、そういうことだ。


「……おい、行ってみるか?」「まあ、死に戻りもあるし、ゾンビアタックすれば誰かが倒せるかもな」「でも、場所が分からなきゃしょうがねぇんじゃねぇか?」「んなもん、全プレイヤーで手分けして探せばゼッテェ分かるに決まってんだろうが!」「北は王国で東は街、南と西はまだ封鎖されてるか……意外と見つけられるんじゃね?」「よっしゃ、いっちょ見つけ出してみますか!」「ウオォオオ!! やってやるぞォオオオ!」


 そうして、プレイヤーたちは神敵を捜索し始めた。

 ……相手がどのような姿を持ち、それに気付けるかどうかも分からないはずなのに。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



 始まりの草原


「……いや、なぜにここからのスタートなんだ?」



 レンからの報告を受けてからしばらく、加速した時間でさまざまなことを行い……体感的には、何年か過ぎたんじゃないか?


(まあ、そんなに経ってないと思うが……それぐらい濃かったんだよ)


 現在、懐かしの地に足を踏み入れている。

 ……うん、大地が黒いなんてオチも、空が曇っているなんてことも無い(曇るのは現実でも普通に起きるか)。


 ――正真正銘、『始まりの草原』だな。


 でも、俺はどうせなら町でスタートさせてほしかったよ……その方が、なんだかニューゲームっぽくないか?



「(えっと……我、彼ノ地ニ、帰還セリ)」



 とりあえず報告だけしておいて、今後来るであろう念話は事前に切断しておく。


 いや、バレたらバレたで、アルカがどこからともなく魔法を核弾頭みたいに撃ってきそうだからな。

 座標もバレてないうちに移動しなければ。



「でも、さっきのアナウンスって……完全に俺のことだよな」



 俺がこの地に現れた途端に、さっきのアナウンスが鳴ったんだ……もうこれ、確信犯以外の何者でもないだろう。

 神敵って……俺、意外と(神々の加護)とか持ってる善の心を持つモブなんだけどな~。



「メニュー……は未だに出ない。まぁ指輪があるから良いけど。ステータスは……げっ!

 アイツら、色んな御節介を……」



 能力値やスキルに特に変化は、最後に確認した時からあまり無い。

 ……うん、終焉の島での経験は残ってるけど、代わりに邪縛も残ってるってわけだ。


 本神にしかどうにもできない、とリオンがしょんぼりしながら言ってたからな、撫でつつ話をしていたのをよく憶えているよ。


 ドタバタ ドドドドッ


「ん? 凄い数のプレイヤーだな。いちおう隠れとくか(――"隠纏")」



 (神気)を練り込んだかくれんぼ特化能力を使用し、プレイヤーたちから自分の姿が分からないようにする。


 ドドンッ


「ん? 今度は……うえっ」



===============================


神敵“メルス” プレイヤーたちに対して最終戦争を申し込みますか?


   〔はい〕  〔いいえ〕


===============================



「するわけねぇだろうが!」



 プレイヤーが一定範囲内に接近すると、突然効果音と共に、そのような画面が現れた。


 華麗(?)なツッコミと共に〔いいえ〕を選択し、俺は町の中へと入っていく。




ステータス要素がめっきり減ります

概念自体は残っていますが……ね?

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