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【更新不定期化】AllFreeOnline~才能は凡人な最強プレイヤーが、VRMMOで偽善者を自称します~  作者: 山田 武
偽善者と飛ばされて終焉の島 後篇 八月目

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偽善者と『封印邪神』 その02



 前回のあらすじ

 ιょぅι゛ょにボコられる……止め、止めて、痛いから!」


『われ、の、辛さ、を、思い、知るのだ!』



 現在進行形で少女に殴られたり、蹴られたりしている俺……傍から見て、どんな扱いを受けるんだろうな。

 全然痛くないけど、少女のことを思って苦痛の声を上げているが……別の角度から見ると笑っているのが丸見えだから、きっと犯罪者みたいなんだろう。


 ――被告は、少女からの暴行で快楽を感じていた模様。


 なんて新聞に記載されていたら、俺の社会的生命は完全に死を向かえてしまうな。

 それ以前に、眷属に(色んな意味で)殺される気もするが……。


 あ、今の俺は寝転がって少女の攻撃を受けているぞ。

 ……(うずくま)るって、なんだか痛みに怯えている感が出るだろ?



「い、いや、どうしてそんな風に怒ってるんだよ! 事情を説明しろ!」


『事情だと? そんなもの、あり過ぎて困る程あるのだ!』


「な、なら言ってくれよ!」



 そう言うと攻撃が一旦止まり、やっと俺は再び立ち上がることができた。

 が、ここは当然SE・I・ZAの構え(+いつもの浮く魔法)をして、少女の話を聞く体勢に入る。



『では言わせてもらうのだ! そちがわれのリソースが尽きる前にここに来ぬ故に、われのリソースが尽きてしまったのだ! ただでさえ鎖にリソースを奪われる現状で必死に掻き集めたリソースを……そちのせいで、われの溜め込んだリソースが尽きてしまったではないか!』


「……もう、鎖は無いだろう?」



 少女の話からして、リソースとは(神氣)のことなのだろう。

 吸われていたリソースからやりくりをして扉を開いていたが、俺が全く来なかったからそのリソースが尽きた。

 なのでそれはさっさとここに来なかった俺が悪い……だから一発殴らせろ! ってことみたいだな。


 ……うんうん、俺も待ってる側だったら相手をフルボッコにしたくなる。

 自分が必死に溜めていたヘソクリを使ったのに、その甲斐が全く無かったら……あ、どうしても支払った分の価値を、ソイツに払わせないとな。


 でも、もう鎖は外れたんだし、勘弁してもらいたいよ。



『ふぇ? あ、本当なのだ……って、それだけでは無いから今はどうでも良いのだ! そもそもそちがこの世界へ来たせいで、あの義侠馬鹿が無茶をし出したのだ!』


「義侠馬鹿……シーバラスか?」



 シーバラスが真実と義侠を担当する神であることは、既に確認済みだ。

 一体それが何をしたんだろうな。



『あの馬鹿、グランドクエストを無理矢理終盤まで進めたのだ!』


「えっと……グランドクエストっていうとアレか? 確か、過去の王都が終わった後に報告されたアップデートで追加されたっていうあの……」



 掲示板を見ていないから、それがどこまで進行しているか分からないんだよな。


 一度だけナックルにそれを確認したが、始まりの町にフラグは無かったと言われた。

 ……なら、王都にはあったのかな?



『そう、グランドクエストなのだ。クエストの最後では、邪神……とは言っても別のではるが、と戦うことになっていたのだ。だけどあの馬鹿……そちをラスボスに据えて、無理矢理それを行おうとしてるのだ』


「……俺?」



 ボク わるいしゅじんこうじゃないよ。

 ぎぜんしゃ(もぶ)として みんなとなかよくしていただけだよ。



『そちは悉くシーバラスの癪に障ることばかりやってきたのだ――レイドイベントでのプレイヤーの成長を無くし、過去の王都での実験を無に帰し、プレイヤー同士をぶつけることで促そうとした成長を価値を失わせ……正に、主人公らしくふるまっていたのだ』


「はあ、俺が主人公? ……ナイナイ」


『そちがその評価をどう受け入れようと、あの馬鹿の評価は変わらないのだ。少なくともあの馬鹿は、自身が望む英雄を創り上げるために、そちを利用するつもりなのだ』


「…………一から説明してくれ」




 それから言われた内容を纏めてみると、大体こんな感じだろう――


・神髄強化、信仰心大切

・今の地位に就く、神髄だいぶ消費

・AFO始める、信仰心を集める

・だけどイレギュラー、みんなそっちに注目

・邪魔だから追放、だけど変わらない

・敵にして戦う、倒した奴が主人公

・ソイツを上手く操る、信仰心UP


 って、この作戦。

 今までにある程度仮説は作ってたが……。



「最後適当過ぎないか?」


『シーバラスは義侠のことしか考えない馬鹿なのだ。義侠さえ貫けば、真実をも貫き通せる……本当にそう考えているのだ』


「いや、操ってる時点で全然義侠って感じしないよな」


『正確に言うならば、そちを倒すのに自分が協力したと告げるのだ。そうすれば、みんな義侠馬鹿を讃えると思っているのだ』


「義侠って確か、確か弱きを助けて強きを挫く……まぁ、正義のヒーローみたいなもんだろ? なんか微妙に違ってる気がする」


『運営神は必ず二つの事象を司っているのだが、それは本来階級上位神にしか許されないことなのだ。それをやると二つの事象がその神の中でごちゃごちゃに混ざってしまって、その神本来の性格が保てなくなるのだ』


「……シーバラスは暴走中ってわけなのか」



 面倒なことになってるな~。

 神様の暴走って、英霊の暴走よりも面倒な気がするよ。

 さて、話はまだまだ続くぞ。




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