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【更新不定期化】AllFreeOnline~才能は凡人な最強プレイヤーが、VRMMOで偽善者を自称します~  作者: 山田 武
偽善者と飛ばされて終焉の島 後篇 八月目

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偽善者と詰問



???



「あ、さすがにもう会いに行く方が良い?」


『……はい。その……ドミリオン様も、いろいろと複雑なご心境でしたので』


「まあ、放置されりゃあそうなるよな」


『(……あの表情がそれだけで説明できるのでしょうか?) そうですね。ですので、可及的速やかにアポを取ってください』



 俺は今、レイから黒い扉で待っている神についての話を聞いていた。


 最初はレイも隠せと言われていたようで、情報を隠匿していたのだが……向こう側がいろいろな意味でヤバい状況になっているらしく、隠していた情報を開示してくれた。


 扉の先で待っていたのは、元運営神の一柱にして支配と反逆の邪神『ドミリオン』だそうだ。

 訳あって運営神から外されたその神様が、なぜ俺に会おうとしていたか……そこは頑なに秘密と言われたので訊くのを諦めた。

 しかし、本人(神)に訊くのは構わないらしいので、ついに行ってみる。



「それじゃあ、今日はこの辺でな」


『はい、お気をつけてください(いろいろ)』


「ん? お、おう」



 レイと言葉を交わしてから、俺は空中に七色の鍵を突き刺して、捻った。


 すると、修練場に置かれた扉と同じ物がこの場に出現し、ゆっくりと開いていく。

 俺はそれを潜り抜け、一度修練場へと帰還した。



 ◆   □   ◆   □   ◆



『正座』


「え、いや、なz『正座』……ぁ、はい」



 帰還した俺を待っていたのは、怖……いことはないのだが、それなりにムスッとした表情をした眷属たちだった。



「とりあえず、誰か一人代表者を出してくれないか? 俺一人だと心細くて心細くて。一対一で対等に話し合おうじゃないか」


『…………』


「あ、あのぉ。俺、モブなんで人の機微が良く分からないんですよ、はい。あ、間違っても鈍感系とか言うんじゃないんですよ。リア充に爆ぜろと言う気持ちぐらい、よく分かってますし」


『…………』


「……こ、このままだと勝手に土下座するけど良いの? 俺、怖くて土下座するよ?」



 もう自分が何を言っているのか分からなくなってきたが、命乞いをしているんだとなんとなく思う。

 ……【拈華微笑】が全く機能していないんだけど――運営さん、クレーム付けて良いですか?



『なら、三対一でどう? それがこっちの許せる妥協点よ』


「え~、それって結局俺が不利な状況のままじゃ(シャキンッ)……いえ、三対一にして頂くだけで光栄でございます、はい」


『そう、なら良かったわ』



 交渉(物理)の結果、その場にはティルとミシェルとアリ()が残った。

 ……いかにも心理戦が得意そうな人材ばっかり、この場に残ってるんですけど。



『それじゃあ、拷m……質問を始めるわよ』


「や、優しくしてね」


『『『…………』』』



 あれ、おかしいな?

 今の修練場の気温設定は、常温だったはずなんだけどな~。

 物凄く冷え切っているいるよー。


 それから、虹色の鍵とレイたちについての詰m……質問を受けた。



  ◆   □   ◆   □   ◆


???


 その日もまた待ち人は来ず。

 少女は日々募らせる思いを、頭の中で待ち人を倒すイメージで晴らそうとしていた。


「今日は何をしているの?」


「見て、分からないのだ? どう、見ても、キックの練習なのだ!」


「鎖が邪魔でできてないよ」


 今も少女の体には、至る所に鎖が絡みついている。

 これは少女の自由を奪うこと同時に、少女自身が生成するリソースという存在を吸収するための物であった。


 これに拘束されている限り、少女が自由になることはない。

 だからこそ、それを外せる可能性を持つ待ち人を求めているのだが……。


「……まったく来ないのだ!」


「今日はあの娘たちにここに来るように言われていたよ。だけど、眷属たちに捕まって詰問されてたから、無理だと思う」


「チックショーウ!!」


 語尾の『のだ』も忘れて、少女は激しく暴れ回ろうとする。

 ……その際、同時に鎖がジャラジャラと鳴るため、少女は余計に腹を立てる。



「そんなこと、こっちに来てからしてくれれば良いのだ! 今もリソースは吸われ続けているのだ!」


「……そういえば、またシーバラスが変なことをしようとしてたね」


「……これに関しては、本当にヤバいと思うのだ。スペーク、これを見るのだ」


「はいはい――って、これは!」


 少女が渡したのは、消費されたリソースとその運用法が記されたデータである。

 ただ、その量が異常なものであった。


「あの義侠バカ、いつの間にか頭の使い方を覚えていたのだ。チマチマチマチマとリソースを隠し持って溜め込んでいたのだ。あの状態で一体どうやって……」


「……それ、ドミリオンもだよね」


「と、とにかく、一刻も早くこれをアイツに伝えて、元の場所に送る必要があるのだ!」


「まぁ、それもそうだね。リソースは足りているの?」


「あそこから出れるようにさえすれば、アイツは勝手にここから出ていけるのだ。あそこから出ていかないのは、あくまで他の強者たちのことを考えているからなのだ」


 その気になれば、待ち人はとある結晶を使うことでどこにでも行くことができる。

 今それをしないのは、関係者がその場所から出ることができないからだ。


 関係者は待ち人の固有結界に居る場合、待ち人が外にいる時はその場所から出ることができなくなる……『偽りの厄災』が出現した際に、その方法は既に試されていた。


「結局、あの人次第なんだね」


「そうなのだ。だからスペークは安心して、アイツが殴って蹴られるシーンを楽しみにしているのだ!」


「……全然安心できないよ」


 そうして少女は、再びキックの特訓へ戻っていった。



次回、最後の強者との邂逅が始まります

ついに、■■■■■の秘密(の一部)が明らかに!?

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