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【更新不定期化】AllFreeOnline~才能は凡人な最強プレイヤーが、VRMMOで偽善者を自称します~  作者: 山田 武
第〇二章 過去は可変と簒奪し嗤う

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02-14 武具創造【傲慢】

大幅修正・追加しました(2018/10/13)



 始まりの町


 鑑定と隠蔽のレベリングも兼ねて、暇潰しに町をふらふらと歩いていた。

 料理が自分のためになると分かったので、ここで買い食いをするようになった……という背景があったりなかったり。


「創造、上手くいかなかったな」


 さすがに高望みをしすぎたようで、装備系の創造にはちゃんとデメリットが存在した。

 装備スキルなどはいっさい付かず、装備のステータス補正などもない。


 もちろん、物理現象は本物の武器と同様にできたんだ……しかし、補正が無いから相手が防御しているとほとんど攻撃が通らない。

 特殊な効果を持つアイテムもそう、使えるけど性能を発揮しない感じだった。


「魔力を使って創造するけど、あくまで生みだして使えるのは魔力の無い物だけ……創造の練習としては充分だが、成長させないと魔力付きは無理か」


 これまで作った聖・魔武具(+神器)には成長スキルがあるので、スキルの性能を高めることができるのは確定事項だ。

 それぞれの武具で指定された方法でちゃんと育て上げれば、俺の保有する力はより偽善のためにできる選択肢を増やしてくれる。


「あとは……料理の創造だな。素材なら簡単なんだが、複雑な調理工程がある料理ほど創造するのが難しい。ああ、これこそ人間の努力が生みだした産物なんだよな」


 化学調味料なんて創造しようとしたら、どれだけのイメージ力が必要なんだろうか?

 おそらくだが、武具創造よりも集中力が必要になるかもしれない。


「中途半端だと、形だけで味のしないヤツになっちゃう。だからといって、味だけに集中すると……アレだしな」


 結局のところ、形と味がセットなのが一番だということだ。

 細かいことは気にするな、知らない方がいいことも時にはあるのさ。



 閑話休題(ゲルやドロドロ)



「すいませーん、それください!」


 と、言って出店に並べられていたさまざまな食材を食い漁っていく。

 胃袋の方は【暴食】のお蔭で無限だし、金もギルドに栽培した薬草を売ることでかなり潤っている。


「さてさて、これはどんな味なのかな?」


 さすが、自国の技術や文明をあらゆる場所へ浸透させた日本人。

 この世界にもすでにたくさんの技術が伝えられ、食文化などだいぶ発展している。


 俺が買ったのはパンに魔物の肉をサンドした──いわゆるサンドイッチだ。

 この世界にサンドイッチ伯爵が居たかどうかは定かではないが、直接その名前を伝えたのだから理由は気にしないでおく。


「ではさっそく……あむっ」


 誰もいない場所で隠蔽を施し──丸々一度で口の中に放り込む。 

 少しずつ食べる方がよかったんだが、こちらの方が目的には適しているんだよ。


(解析……ああ、マレンジの汁を少し混ぜているのか。柑橘系の何かが混ざっているとは思っていたけど、量の調整も重要なんだな)


 生産に関することなので、(生産神の加護)が俺に知恵を齎してくれる。

 食事で発動する【暴食】の解析能力と重なり、食べたものがどういった方法で作られたのかが頭の中に吸収されていく。


「旨い……うん、旨いな」


 他に美味いことに関して上手い言いようができないのは、旨い話ができないからだ。

 ……今回のは、わざとやりましたよ。


「食レポには向いてないんだよなー、俺。感想とか訊かれても、『美味い』か『不味い』しか浮かばないし」


 レポーターがどうしてあそこまで語彙力があるのか、テレビを見ながらひどく悩んだこともあるがそこはどうでもいい。

 肝心なのは──俺の味わった美味しい食べ物を、国民にも食べさせられるということだけである。


「おっと、早く書き留めないと……」


 メニューを操作し、メモ機能を起動させてさっそく入力を行う。

 魔力による思念操作で高速の入力をし、記憶から情報が忘却する前に過ぎった情報すべてをどうにか纏め上げる。


「あとはこれを届けるだけだ……うん、幸せはこういう小さなことからだな」


 食事で起きる幸福感というのも、なかなか馬鹿にできないものだ。

 何を、誰と、いつ……などの条件が異なるだけでそれは大きく変化する。


 できるだけ国民たちには、誰かとの食事で幸せになってもらいたいよ。


  ◆   □   ◆   □   ◆


 リーンの魔子鬼たちにも、調理好きな者は居るわけで……。

 彼らとメモに書き留めた情報を元に、サンドイッチを完成させたのがついさっきまでの出来事だ。


「うん、いい出来だな」


 聖・魔武具を創造できるのも三回となってしまった。

 少し前にも思ったが、見た目重視の防具というのを必要だなと感じた今日この頃。


 そして生みだした今回の魔武具。

 金色の刺繍が施され、誰が見ても『美』を感じるそのアイテムを鑑定する──


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虚絶の円套 製作者:メルス


魔武具:【傲慢】 自己進化型

RANK:X 耐久値:∞


今代の【傲慢】所持者が創りだしたマント

何者にも染まらぬ圧倒的な個、厄災すらも撥ね退ける可能性を秘める

王としての威光を他者に知らしめ、従う者に祝福を、従わぬ者に裁きを齎す

また、このマントは意思を宿しており、攻撃や主以外の者を拒絶する


装備スキル

(自我ノ芽)(快適調整)(王ノ貫録)(盟主裁定)

(帝王権威)(君臨領域)(付従成長)(?)……

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 物語でもよくある、王様がカッコよくバサリとマントをはためかせるアレ。

 漆黒の布地に金色を合わせるという、いかにもあの病気の方々が気に入ってくれそうなデザインのマントも問題ありだが、俺にも若気の至りというモノがあるんだな。


「厄災云々があるのに、(快適調整)しかそういうスキルが無いのには理由があるのだ」


 先も挙げたように、聖・魔武具にも成長というモノがあるわけで……それを達成しなければ、テキスト通りの性能を発揮することはできないのだ。


「王様はリョクに譲ったばっかりだし、みんなに慕われるモブとして付従? とやらを満たす必要があるのでござる」


 意味的に『付き従える』、とかそんな感じだろうか?

 つまり従魔を数体作れば、きっと問題も解決だな!



元は某作品からそれっぽいのをパクった能力でしたが、憤怒と異なりこちらは完璧に異なるものと自負できる一品となりました

マントによる断罪系のネタが、今後の話でまったくでなかったのその理由となります

……これから読む方は、いつか出番のあるこの円套にご期待ください

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