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【更新不定期化】AllFreeOnline~才能は凡人な最強プレイヤーが、VRMMOで偽善者を自称します~  作者: 山田 武
偽善者と飛ばされて終焉の島 後篇 八月目

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偽善者と地中探索 中篇



失墜の天空都市



 その空間に入った瞬間、マップにフィールド名が表示される。

『失墜の天空都市』って、急に凄い場所に辿り着いたもんだな~。


 目の前に広がるのは、ボロボロに廃れた街並み。……文明がかなり発達していたのか?

 よく見ると地球の都会とほぼ同等の技術が建物には使われており、ガラスやコンクリートはもちろんのこと、崩れているといえ高層ビルなども立ち並んでいる。



「リア。滅びた古代都市とか、そういう伝承について何か知らないか?」


《……残念ながら、ぼくには心当たりが無いね。他の娘だったら何か分かったかも知れないけど……ゴメンね》


「いや、気にするな。それよりこの景色……地球に似てると思わないか?」



 さっきも言った通り、ほとんど地球の景観と同様の物が広がっている。

 一部、壊れた魔方陣的な物も確認できるので、完全に地球と同じとは言わないけどな。


 リアはかつて、俺が展開した仮想の地球を見たことがある。

 それに眷属は俺の記憶を閲覧できるので、質問しても分かってくれるだろうしな。



《そう言われると……確かに似ているね。だけど、どうして地球の建物が?》


「さぁな。案外、地球人が技術をこの都市が在った国に伝えたのかも知れないな」



 AFOの製作には、こちらの神以外の存在も一応とはいえ関わっている。

 つまりフィールドの製作の一部に、地球側の人々――AFOの製作会社が手を入れているのだ。


 この世界は本当に存在している。

 だがそれは、地球と同等の世界が存在しているというわけでは無い。

 俺はそれを、知らされてしまったのだ。



 閑話休題(急にシリアス風に)



「それにほら、神代の技術に在ったのかもしれない。あそこは空白だらけだから分かっていないことも多い。失伝した文明の中に、ここの技術が有ったのかもな」



 この場所が神代の都市、あるいは古代人の技術を用いた都市という可能性もある。


 ネロの記憶から、転生者が存在するという情報自体は把握している。

 まあ、AFOには転生が可能なスキルもあるみたいなので、多分現地産の転生者だとは思うが。

 そんな奴らが自身の覚えていた技術を伝えることでも、文明は伝承できるしな。



《……メルス。君、他にも別の考えがあるでしょ。ぼくたちが観ることのできない君の記憶の中に、その答えがあるとみるよ》


「黙っていたら沈黙が肯定だのと言われそうだから先に言っておくが、俺は世界の由来や秘密なんてどうでも良い。眷属たちと居られるその時間さえあれば、それで良いんだ。

 確かに俺はお前たちに隠していること……言えないことがある。だがそれは、刻が来たら正直に話す。だから待っていてくれ」



 その情報を知る際に、予め(契約魔法)を使用した。

 約束の刻が来るまでは、それを話すことができないという契約を結ぶために。


 だから今は話すことができないし、話そうとしても口が開くことは無い。

 故にせめて伝えなければならない。

 俺が故意に眷属に隠し事をしないことを。



《うん? ぼくは別にそこまで訊こうとはしていなかったよ》


「……へ?」


《ただ君が隠し事をしていると当てたかっただけで、それをとやかく問い詰めるつもりは(はな)から無かったんだ》


「……って、ことはつまり……」


《メルスの誤爆だね。色々なことが聞けて、ぼくも大変満足だよ》



 ぬわ~! またやっちまった~!!

 言う必要の無いことまで……。



「そ、そうか。それなら探索を再開するか」


《……だから待っていてくれ(キリッ)》


「そう言うのは止めてくれよ~!」



 探索を始める前から、俺はこうして疲労を蓄積していくのであった。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



 崩壊した都市を探検しているのだが、特に目ぼしい個所は無い。

 ……いや、あるにはあるんだが違うと断言できる所ばかりで、総合的には無いと言い切れるだけか。



「高層マンションって……本当にここの奴らは、どんな暮らしをしてたんだか……」


《メルスの{夢現空間}の方が良い住居だと思うよ》


「そりゃあどうも。部屋の持ち主が部屋の全てを把握できていないってのにな」


《仕方ないさ。日々増築しているんだ、君は知らないんじゃなくて知れないだけだよ》


「……本当、スキルに振り回されるってのはこのことだな」



 条件を満たすことで部屋が増設していく{夢現空間}なのだが、最近は豪華客船の船内とも言える程に設備が充実してきた。

 ……何処に向かっているんだろうか、あのスキルは。


 そうしている間も、【七感知覚】や感知系のスキルを展開し、違和感が無いかを調査していく……現代都市がある時点で、違和感満載なのはそっとしておいてくれ。



「――おっ、更に地下へと繋がる道があるみたいだな。リア、怪しいと思わないか?」


《そこから何か、気配は掴めるかい?》


「う~ん……距離が遠いからまだ分からないな。ただその空間にデカい何かがあるってことだけは、一応分かるんだが……」



 エコーロケーションも完璧では無い。

 その目的の通路まで遥か遠い所からそれが存在するということが分かっただけでも、充分な情報が得られたと言えよう。



《とりあえず、もう少し進んでみてくれよ》


「ま、何をするにも前進あるのみだな」



 そうして、俺は一歩を踏み出そうとしたのだが……。



≪警告:ここから先は特区に指定されている区画です

 一般の方は立ち入ることが許されておりません

 これ以上進む場合、警備のものが動きます

 一般の方は直ちに後退を、関係者は通行証の提示をお願いします≫



 どこからか、そのような言葉が聞こえてきた。……通行証?




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