表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【更新不定期化】AllFreeOnline~才能は凡人な最強プレイヤーが、VRMMOで偽善者を自称します~  作者: 山田 武
偽善者と飛ばされて終焉の島 中篇 七月目

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

401/2526

偽善者なしの『覇導劉帝』 その06



SIDE シュリュ

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



 朕は尽くしてきたはずであった……なのに何故、朕は必要とされなくなったのであろうか……。 



 朕には、生まれながらの天命があったのであろう――武を以って覇を成せと。


 朕の生まれた地には、辰人族と龍人族のみが存在していなかった。

 何らかの原因で争い始め、幾百年の時を経ても、それが沈静化することはなかった。


 だが、朕には争う理由が分からなかった。

 父上は龍人の中でも最優と呼ばれた武人、母上は辰人に崇められる古の辰。

 戦乱の中で結ばれた二人を見て育った朕には……和解する策があるのではないか……そう思えたのだ。


 父上と母上より武を学び成長した朕は、辰人族と龍人族の元を巡り、両者についての見解を深めた――そして、争いの原因はとても簡単なものだと知る。

 両者が有していた技術を学んだ……その結果、力を合わせれば国を築き上げ、栄えさせることができると知った。

 両者に和解を求めた……だが、正攻法では何もできないと理解させられる。



 失敗が続き、朕は独り暴れ続けた。

 何度やっても何をやっても失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗……。


 誰もいない荒野でその鬱憤を晴らし続け、地形を変え続け――朕は願った。



(力が……力が欲しい! 誰であろうと捻じ伏せて組み伏せる――圧倒的な武力が!)



 辰人族と龍人族が争う理由……それは、最強がどちらかを決めるためであった。

 子供のような屁理屈を重ねた結果、それは種族間の殺し合いにまで発展する。


 ならば、朕も力を求めよう!

 両者が朕を認め、争いなどというくだらない児戯を、止めさせるために!



《適性者による制覇願望を確認

 ――『覇導士』を入手しました》



 頭の中に響いたその言葉が、一瞬の内に朕の中で認識されていく。


 覇とは武力を以って全てを支配すること。


 今の朕が行うべき事柄を補助する力が、そこには存在した。



「……クックック、ハーッハッハッハッ!」



 適性者……朕は選ばれた存在だったのだ! 父上と母上の元に生まれたのも天命!

 両者の元を巡ったのも天命!

 こうして力を希うこともまた――全てが天命であったのだ!!


 なんと、……なんと虚しいのだ、天命とやらは!

 朕の生き先には殺戮と闘争しか無く、普通であることを許してはくれない。


 これが天命であるのか!

 これが朕の存在理由であるのか!

 これが朕の全てであるのか!!


 今思えば、このときの朕はもう壊れていたのであろう。


 誰も朕を止められなかった。

 誰も朕の狂気に気付くことはなかった。


 それ故に朕は、天命のままに龍と辰に覇を成したのだ。






『劉帝様万歳っ! ドラガオン帝国に栄光あれっ!』



 辰人族と龍人族を纏め上げ、朕は一つの帝国を創立した。

 ドラガオン帝国――ドラゴン(辰と龍)が住まう国を意味している。


 朕はシュリュの名を伏せ、自身を劉帝と名乗り、国のために尽力した。


 再び争いを起こさないため、次代の王は代毎に交代させた。

 国を栄えさせるため、両者が秘匿してきた技術を開示させ、民へと伝えていった。 

 急激な変化に民が戸惑わないようにするため、民の元へ下り、直接の交流を行った。


 朕に与えられた『覇導士』の運命は、民を導き国を繁栄させていく。

 朕に叛意を示そうとする者も武力で捻じ伏せ、朕は天寿を全うして死ぬことができた(朕の目に適うものはいなかったため、誰かと目交うことも無かったが……)。


 やっと天命より解放される!

 死にかけというのに、朕はそれすらも歓んで迎えていた。


 ――だが、天命は朕を逃がさなかった。


 何かに呼ばれるように目を開くと、そこは見覚えのある空間であった。

 朕が『覇導士』へと至った地――無人の荒野に建てた王陵、そこで朕は英霊として生まれ変わった。


 劉帝は引き継がれ、代が変わる毎に朕の元へと参上し、慶事の句を述べていく。

 天命から逃れることのできなかった朕は、虚ろな意識のままにそれらへの対応を行っていった。


 そしてある日、新たな劉帝が朕の元へと現れた――周りに法衣を纏った者たちを引き連れて……。



『初代劉帝様、第29代劉帝――グレイプ・グラン=ドラガオン、劉帝就任をご報告に参りました』


「……苦しゅうない、良きに計らえ」


『ハッ! ……では初代様、早速ではありますが、一つ頼みたいことがございます』


「……申してみろ」


『いえ、それを伝える必要はございません。

 ――何故ならアンタは今すぐ消えるんだからな!』


「……何を言って――ッ!?」


『……フンッ、どうやら上手くいったみたいだな。おい、早くやれ』


『分かってますよ……全てはシェリア様のためです。異国の英霊よ、貴女にはこれより終わることの無い狂気に身を包まれ、永劫の時間をひたすら無為に過ごしてもらいます。

 全ては異端の身にてそこまでの力を身につけてしまった……己が運命を恨みなさい』



 意識が少しずつ薄れていき、何かを破壊したくなる衝動が頭の中を支配していく。



『あ……、……様』


『……さん、儀式……めますよ』


「………………GURRRR」



 そのときの朕が最後に覚えているのは、自身の口から発せられた唸り声だった。



TO BE CONTINUED




一度書きましたが念の為――

現在のAFOではドラゴンを竜と龍と辰で分けています(劉は例外です)。

竜:ワイバーン的なドラゴン

龍:西洋風のドラゴン

辰:東洋風のドラゴン

竜は血筋によってどちらかに進化します

基本はハーフは生まれず、どちらかに寄ります


後で変更するかもしれませんが……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ