偽善者と自己紹介 その04
夢現空間 居間
「毎度毎度適当に――不定期開催、自己紹介のお時間でーす!!」
『……ああ、そういえばやってるって言ってたわね』
「話が早くてありがたい。合格してからも修業してて忙しそうで、中々この時間を作り辛かったんだよ」
『馬鹿ねぇ。仕える主の言うことなら、例え妃の中瑞の中……何処へでも行くわよ』
「う~ん……字が違う気がするが……まあ良いとしよう。俺は何かを強制するのはハーレム関連だけにしようと思ってるしな。そういう修業とか、相互に利益のある行動を一々引き止める理由が無かったんだよ……俺のためにやってくれているんだし」
『ま、職業のレベルアップのためでもあるけどね。最もな理由は魔王様のためだけど』
「……今の俺、完全に魔王要素が無いぞ」
『魔王を従えれば、立派な大魔王よ』
「魔王ね……」
魔物である鬼人の王リョクに、魔獣の王にさせられたクエラム、後は……呪骨の王であるネロだな。
クエラムとネロは色々とあって、それぞれ【魔獣王】と【聖獣王】、【呪骨王】と【聖骨王】を自由に使い分けられるようになったので、聖王とも呼べる気がするけどな(ネロに聖王はちょっと……)。
「ま、そろそろ始めるか」
『そうね』
こうして、インタビューが始まる。
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「問01:あなたの名前は?」
『リッカよ』
「問02:性別、出身地、生年月日は?」
『性別は女性で、出身地は第二世界で、生年月日……いつなのかしら?』
「問03:自分の身体特徴を描写してください」
『身長145、瞳と髪が黒色よ』
「問04:あなたの職業は?」
『メイドよ』
「問05:自分の性格をできるだけ客観的に描写してください」
『勝ち気ね』
「問06:あなたの趣味、特技は?」
『メイドとしての技能が特技ね』
「どんなことができるんだ?」
『例えば……こんな感じね(色々とやる)』
「……す、凄いな」
「問07:座右の銘は?」
『メイドは二君に仕えず、にするわ』
「その心は」
『私が仕えるのは……魔王様だけだからよ』
「問08:自分の長所・短所は?」
『長所が魔王様に関することならそつ無くこなすことで、短所はそれ以外だと失敗することが多いところね』
「そんなんで修業ができるのか?」
『魔王様のためだと思えばできるのよ』
「問09:好き・嫌いなもの/ことは?」
『メイドとしての行動をするのが好きで、しないのが嫌いね』
「問10:ストレスの解消法は?」
『魔力でご飯を作ることよ』
「問11:尊敬している人は?」
『魔王様よ』
「問12:何かこだわりがあるもの/ことがあるならどうぞ」
『メイドとしての誇り……かしら?』
「問13:この世で一番大切なものは?」
『魔王様ね』
「問14:あなたの信念は?」
『メイドとして主に仕えることね』
「問15:癖があったら教えてください」
『癖……自分じゃ分からないわね』
「問16:ボケですか? ツッコミですか?」
『ツッコミが良いわ』
「問17:一番嬉しかったことは?」
『魔王様が、ちゃんと私を受肉させてくれた時ね』
「問18:一番困ったことは?」
『修業中にちょっと……ね』
「問19:お酒、飲めますか? また、もし好きなお酒の銘柄があればそれもどうぞ」
『カクテル――"ディアボロ"が好きね』
「問20:自分を動物に例えると?」
『悪魔で良いんじゃない?』
「動物なのか?」
『動く物なんだから動物よ』
「問21:あだ名、もしくは『陰で自分はこう呼ばれてるらしい』というのがあればどうぞ」
『メイド○○ね。○○にはさんとかちゃんが付くわ』
「問22:自分の中で反省しなければならない行動があればどうぞ」
『みんなにメイド服を渡したことかしら。あの後の魔王様は激しかったわ』
「お説教がな」
「問23:あなたの野望、もしくは夢について一言」
『もっと仕えることね』
「問24:自分の人生、どう思いますか?」
『魔王様のためのものよ』
「問25:戻ってやり直したい過去があればどうぞ」
『無いわ』
「問26:あと一週間で世界が無くなるとしたらどうしますか?」
『そんなもの、魔王様がなんとかするわ』
「問27:何か悩み事がありますか?」
『特に無いわ』
「問28:死にたいと思ったことはありますか?」
『無いわ』
「問29:生まれ変わるなら何に(どんな人に)なりたい?」
『このままが良いわ』
「問30:理想の死に方があればどうぞ」
『まだ死ぬ気も無いし、死にたいと考えたことも無いから分からないわね』
「問31:何でもいいし誰にでもいいので、何か言いたいことがあればどうぞ」
『ミニスカートとロングスカート……どっちで仕えられるのが良いかしら?』
「……誰に言ってるのかは分からないが、少なくとも俺だったら、リッカが仕えてくれるだけで嬉しいぞ」
「問32:最後に何か一言」
『なら、どっちも着てみるわ』
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「……はいお疲れ様でしたー!」
『ねぇ、魔王様は結局、どっちの方が嬉しいの? ミニ? それともロング?』
「見て無いんだから、そんなの分かるわけ無いだろう……」
後日、リッカが着て魅せた二種類のメイド服は、どちらも素晴らしく甲乙付けることができなかったとだけ記しておこう。





