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【更新不定期化】AllFreeOnline~才能は凡人な最強プレイヤーが、VRMMOで偽善者を自称します~  作者: 山田 武
偽善者と飛ばされて終焉の島 前篇 六月目

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偽善者と『神樹の支配者』 その01

???『ついに私の出番だね』



 どうしてこうなったのだろか。

 現在俺の目の前で、半透明の少女が浮かんでいる。彼女の種族の所為なのか、若葉色のゆるふわな髪の毛が、太陽の無い森の中でも少し光って見えた。俺は彼女との会話を思い出して、その結論を彼女の名と共に告げる。



「……分かった。俺と契約をして、一緒に来てくれ。――!」



だいぶ前

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



 今日の俺は狩りに行かないで、拠点の周りの森を探索することにした。今回も誰かが一緒に来る予定だったのだが、魔道具の実験をしたかったので、一人で行くことを了承して貰った。

 その魔道具は二つで一つの魔道具であり、それぞれの魔道具を目印としてもう片方の魔道具を使うことで、そちら側に転移ができるという機能を持っている。

 何かあったらその魔道具を直ぐに使う、森から一歩も出ない。そういった条件を元に俺は再び自由の身となった。



「……とはいっても、本当に何もないな」



 折角だから、スキルの復元をしよっかな~と最近思うようになった。グーの解析によると、(完全異常耐性)のLvが上がれば、復元を行ってもある程度なら問題が無いらしい。

 そして今はスキルLvが80越えだ。封印されたスキルの――安全マージンを考えて7割ぐらいなら大丈夫なんじゃないのか?



「……よし、まずは(掴み)からやるか!」



 そうして、俺のスキル復元プロジェクトが始まったのであった。



しばらくして

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


一定以上の経験量を確認


【風林火山】の復元に成功しました


(登攀)の復元に成功しました


(掴み)の復元に成功しました


(耐久走)の復元に成功しました


(認識偽装)の復元に成功しました



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



「ふ~。これくらいにしておくか」



 基本的にはスキル通りの動作を行う事で習得できた。

 (認識偽装)は(超級隠蔽)で顔を隠したりすることで習得ができる。この方法は、リーンの工業区にあるスキル研究所で発見された。

 そこの研究グループの一つがスキルの習得方法を研究していたらしいのだが、前に転職に行った時に見に行ったら今までに纏めた情報を貰えたので、今回試してみたのだ。

 イアにも(認識偽装)についての情報をリークしてあったので、彼女が今回のスキル封印で困ることは無いだろう。

 さて、そろそろ帰ろうかな~。と思ったその時――



『あれ、もういっちゃうの?』


「!? ――誰だッ!!」



 突然、どこかから声が聞こえてきた。いつものように頭の中に響いてくる声ではなく耳に聞こえてくる声だったので、俺は警戒心を高めて辺りを探り始める。



『誰だ……と言われても、どう答えて良いか分からないな』


「…………」


『あれ、無視?! 返事してよー! ここを通る人なんて、君しかいないんだからー』



 そういえば、森を抜けた()は俺だけだったよな。そんなことを考えながらも、【六感知覚】や(空間把握)、(索敵)を使って声の人物を探す……が、全く反応しない。



『そもそも君はどうやってここに来たの? ここは、強すぎる者達を封印する為の場所らしいんだけれど……君はそれに値するほど強くは無い。なのにどうして?』


「…………」


『あれ、どうして地面に這い蹲っているの? 黙ってないで理由を教えてよ!』



 分かっていたさ、分かっていたとも。だけどもそこまでストレートに言わなくても良いじゃないか! ……だけど、強すぎる者達ってどれくらい強いんだろ~。仲間にできないかな? もしできたら、脱出の鍵になると思うんだけど……。

 しかし、全然見つからない。あぁ、どうにかして見つける方法は無いのか――



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

(適応)が発動されました


過去の記録より

(精霊魔法)(上級鑑定)(看破)を復元・合成


……成功しました


(精霊眼)を習得しました

→(神眼)に統合されました


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



 何故このタイミングで(精霊眼)?……あ、まさかこの声の正体は精霊なのか!



「あなた、もしかして――精霊さんです?」


『……何で、最初の声と声色を変えているかは分からないけど……正解だよ』



 ならば、と考えて(精霊眼)を発動させてみたのだが――何も見えない。う~ん、確かに精霊かと聞いて肯定してくれたんだけどな。どういうことだろうか。

 まぁ、これを使えば視えるし、良いか。



("精霊眼"+"神氣"="聖霊眼")



「……精霊じゃなくて聖霊だったのか」


『あれ? そっちと勘違いしていたの? 私はこの森の支配者――樹聖霊だよ』



 "聖霊眼"で見えた少女は、無い物を逸らしながらそう宣言していた(何かは言わない)。

 何故だろうか、凄い残念な雰囲気がする。



「で、聖霊さんが何の用だ」


『う~んとね~。私と契約してくれない?』


「…………」クルッ


『ちょっと、無言で帰ろうとしないで!!』


「訳を説明しろ。全く分からん」


『分かりましたよ~だ。……ゴホン、私こと樹聖霊は、ある世界樹から生まれた聖霊なんでね、本来聖霊は生まれた場所を守護する為の存在なんだけど、私は色々あって、そこを追放されたんだよ』


kwsk(詳しく)


『聖霊は守護の為に強力なスキルを生まれつき必ず持っているよ。炎聖霊なら(炎熱支配)を、光聖霊だったら(光明支配)。そして、樹聖霊は(樹木支配)を。(樹木支配)はその名の通り、周りの木々を支配する能力だよ。だけどそれでも、生まれた場所(世界樹)を支配する力なんて無い筈だったんだよ。私の持っていたスキルは【神樹支配】、生みの親すらも支配してしまう呪いの力だったんだよ』


「それで、世界樹から追放されたと……で、なんで契約なんだ?」


『……全く動じないね。このスキルが原因で世界樹からここに転移させられたのは、契約をしてくれるような人がここには現れないことを世界樹が知っていたからなんだ。契約をしていないで場所を離れた聖霊は、飛ばされた先から一歩も動けなくなる、だから契約してくれるような存在がいないこの場所を世界樹は選んだ。ここにいる強者達は、聖霊の力を必要としない程強いし、何より私と同じように一定の範囲から動けないしね』


「契約すると動けるようになると……俺のメリットは何なんだ?」


『私と契約すると……私の体を自由にできる権利が与えられる!!』


「…………」クルッ


『ごめんごめん、冗談だから。お願い、もう一回だけチャンスを頂戴!』


「……ハァ、次は無いぞ」


『私と契約すると私の持つスキルの一部が使えるようになって、戦闘時に私からの援護が付くよ。ステータスにも補正が付くから、かなりお得だよ。契約方法は簡単、私に名前を付けるだけ。さぁお願い、私と契約して!!』



 正直、フェニ補正があるから、特に必要ないかな~とも思うのだが、飽く迄俺は偽善者だ。困っている人がいたら、ある程度は助けることにしているし……。



「……分かった。俺と契約をして、一緒に来てくれ。ユラル!」


『……はいっ!』



 俺達がそう言葉を交わすと、ユラルの体がより輝いて、姿が半透明から実体になった。



『契約をすると、実体化できるようになるんだよ。契約してくれてありがとう! お蔭で私は自由になれたよ』


「そうか、それは良かった。なら、俺の願いも一つ聞いてくれないか?」


『ん? それは良いけど……どんな願いなの?』



 その後俺は、眷属を一人増やした。




ユラル『べ、別に、私が二つ名を作った訳じゃないんだからね!』



再びのD・A・Lのネタでしたね。

分からない方は6巻へGO!

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