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01-17 魔法レベリング



「さぁ、気を取り直して今度は魔法練習に行きますか」


 翌日、ログイン後に町に戻って転職した。

 そしてまたアイテムを購入した俺は、『始まりの草原』で佇む。


 魔法といえば僧侶と魔法使い、前回のレベリングでMAXになった戦士と闘士から転職し、新たにその二つへ就職した。


「さて、構成を魔法よりにするんだけど……魔法よりにしては、魔法が全然入ってないという矛盾」


 前回からの変化といっしょに、今のメインスキルを見てもらおう――


---------------------------------------------------------

ステータス

名前:メルス (男)

種族:【天魔】Lv10

職業:【初心者】Lv10・錬金士Lv1・魔法使いLv1・僧侶Lv1


HP:600

MP:600→700

AP:600


ATK:80<+8>

VIT:80→90<+9>

AGI:80<+8>

DEX:80<+8>

LUC:80<+8>

BP:0


<ステータス向上補正>


メインスキル

武術

なし

魔法

(水魔法Lv1:5)(土魔法Lv2)(付与魔法Lv1:5)

身体

(精密操作Lv30)(冥想Lv10)

技能

(二刀流Lv30)(高速詠唱Lv1:5)

特殊

(全武術適正・微Lv10)(全魔法適正・微Lv10)

(全身体適正・微Lv10)(全技能適正・微Lv10)

(初心者の可能性Lv-)(思われし者Lv10)

{感情Lv3}


スキルリスト

特殊 NEW

(僧侶の心得Lv1)(魔法の心得Lv1)


SP:98

---------------------------------------------------------


 本来(全○○適正・微)は、魔法だけで充分なんだけど……割引効果があるし、どうせなら早めに上げておいた方がいいしな。


 前回同様、成長補正と繊細な操作を行う用のスキル、そして魔法を二つの意味で早く終わらせるために(冥想)と(高速詠唱)を付けておいた。


「MP回復はさっさと済ませたいし、詠唱は無い方が早いしな」


 AFOで身力値は、時間経過と共に自動的に回復される。


 だが待っている時間ももったいないので、その速度を向上させる(冥想)を入れた。


 詠唱は……あれだ、謎言語で自分の口が勝手に動いているのが怖い。


 舌が自動的に回り「■■■……」とか言っているのが本当に不快なのだ。


 俺の予想が正しければ、(高速詠唱)が進化すればそんな状態が改善する……はずだ。


「(魔力支配)も入れたかったけど、それ無しで全属性分確かめておきたいな」


 魔法は(魔力支配)が無くとも使えるので、どうしても入れる必要があるわけじゃない。


 それに──全ての属性の魔法を使った際の変化を調べたい。

 適正というものが存在するゲームなので、それで何か変わるかもしれないからな。


「それじゃあ、一狩りいきますか!」


 杖も持たずに外套だけを纏い、俺は桃兎を相手にレベリングを始めていった。


  ◆   □   ◆   □   ◆


 その日、再び殲滅の宴は繰り広げられる。

 前回同様、たった独りの者が振るう惨劇を観ようとしたプレイヤーたちは、見てしまうのであった。


 ――前回以上に広がるその暴虐を。


 あるときは(火魔法)が発動する。

 なんてことはないただの“火球(ファイアーボール)”……そのはずであった。


 その者が放った火球は、地面に触れた途端に辺り一面を焼き尽くす。

 周辺に居た魔物は、悲鳴を上げる暇もなく消滅し、草木一本残らない焦土のみがその場に残った。



 あるときは(風魔法)が発動する。

 なんてことはないただの“風球(ウインドボール)”……そのはずであった。


 その者が放った風球は、地面に触れた途端に辺り一面に暴風を吹き荒らす。

 周辺に居た魔物は、声を上げる暇もなく吹き飛ばされ、草木が全て圧し折られた円形の地形がその場に残った。



 あるときは(水魔法)が発動する。

 なんてことはないただの“水球(ウォーターボール)……そのはずであった。


 その者が放った水球は、地面に触れた途端に辺り一面に洪水を引き起こす。

 周辺に居た魔物は、もがく声を出す暇もなく押し流され、泥に塗れた草木だけがその場に残った。



 あるときは(土魔法)が発動する。なんてことはないただの“土球(ソイルボール)”……そのはずであった。


 その者が放った土球は、地面に触れた途端に辺り一面に土埃を発生させる。

 周辺に居た魔物は、喚声を放つ暇もなく呑み込まれ、草木をもその下へ呑み込んだ大地だけがその場に残った。



 それからも、さまざまな魔法によって魔物たちは啼いていく。


 それがどういった感情によるものなのか。


 本来ならば分かるはずもないのだが――それを見ていたプレイヤーたちには、なんとなくではあるが理解できてしまった。


(……ああ、絶対に理不尽へ怒ってるよ)


 初心者が自身の力を正しく扱えるように、最低限のレベルの魔物だけを並べたはずのこのエリア。


 たしかにその者が行っていることは、ある意味ではその目的にあったことだ。


 だがその一方で、明らかに逸脱している。

 今もその光景はプレイヤーたちの視界内で行われている。


 たった一発の魔法が、魔物を倒す。

 これだけならば、その場で観戦する者でも可能なことだ。


 しかし、その魔法を森羅万象に影響が及ぼすレベルで放つ……それは、まだできないことだった。


 たしかにMPを過剰に籠めた魔法ならば、それも可能なんだろう。

 そういったビルドを行っている、そう考えれば納得もいく。


 しかし彼らはすでに見ていた。

 その者が同様の惨劇を、武器を用いて行っていたと。


 (木魔法)を使っていたことから森人族だと思われるそのプレイヤーは、最終的に詠唱をせずに魔法を発動させる術を会得するまで、その惨劇を繰り広げ続けた。



 彼らが最後に見たのは、その者が生み出した巨大な大樹が消滅していく瞬間だった。


  ◆   □   ◆   □   ◆


「結構……やっちゃったかな?」


 逃げ出すためのカモフラージュとして、習得した新魔法を使って注意を逸らしてから魔法による強化で身体能力を高めて走った。


 今は前回と同じ場所に移動し、再びコソコソと隠れている。


「時間が経てば消えるし、問題ないよな……あっ、本当に消えた」


 遠くに聳え立っていた大木が消えるのを眺め、ホッと一息吐く。


 ……MPを多めに籠めたからか、俺の予想以上に魔法の効果が増幅されていたな。

 俺の身を隠すためとはいえ、若干罪悪感が湧いていたんだよ。


「本当に、取って良かったのだろうか」


 そうして負の感情を出していると、今回の選択に後悔の念も出てくる。


 先ほどまでの件も含めて、今回習得した中でも問題となりそうな二つのスキルを紹介しよう――


---------------------------------------------------------

魔法:(木魔法Lv1:9[10-1])


森との親和性を持つ種族のみが扱える魔法

植物の成長を高め、操ることができる

Lvが上昇することで補正が増える

---------------------------------------------------------

---------------------------------------------------------

魔法:【統属魔法Lv1:25[30-5]】


世界に広がる魔力の中でも、基本属性と呼ばれる属性を自在に扱える魔法

レベルMAXのスキルを格納することで、自動配合される属性の数が増加する

レベルが上昇することで、同時に扱える属性の数が増える

---------------------------------------------------------


 一つ目の(木魔法)。

 少なくとも天魔という、天使と悪魔がミックスしている種族に森との親和性は無いと思われる。

 つまり(全魔法適性・微)の影響で、習得できた可能性が高い。

 まあ良いんだけどね、面白そうだし。


 問題は二つ目の魔法――【統属魔法】だ。


 基本属性とは、火・水・風・土・光・闇の六属性や回復魔法の元となる属性の総称。

 いわゆる──全ての属性は基本属性のどれかに当てはまる、というヤツだ。


 そして、この【統属魔法】はそれを一つに纏めて強化したバリューパック――まあ、魔法版の【武芸百般】と言ったところだろう。


 レベルを上げると何種類か同時に使えるみたいだし……某忍者物のなんちゃら限界みたいなことができると思われる。


「いやいや、そんな複数の属性を操るなんてことしたら目立つか。……他のプレイヤーができるようになってからだな」


 俺だけがそれを行えば、明らかに注目されてしまう。

 できるだけ姿を隠し、曝したとしてもそれが偽装した情報なようにしておかなければ。



 閑話休題(めだちたくないんだ)



「……まあ、とりあえず目的の職業はカンストしたし、今日はもう落ちるか」


 昨日同様“冒険中断”を発動し、その場でログアウトを行う。

 本当、面倒事は御免なんだよ。



 今回の成果


---------------------------------------------------------

ステータス

名前:メルス (男)

種族:【天魔】Lv18

職業:【初心者】Lv18・錬金士Lv1・魔法使いLv30 MAX・僧侶Lv30 MAX 


HP:600→720

MP:700

AP:600→720


ATK:80→90

VIT:90

AGI:80→90

DEX:80→90

LUC:80→98

BP:0→72→0


(変動値)


スキル

武術

変化なし

魔法

(恢復魔法Lv30)(暴風魔法Lv30)(煌魔法Lv30)

(冥魔法Lv30)(時魔法Lv30)(空間魔法Lv30)

(業火魔法Lv30)(天魔魔法Lv18)

NEW

(付与魔法Lv30)(呪魔法Lv30:5)(木魔法Lv1)

(爆風魔法Lv1:9[10-1])(泥魔法Lv1:9[10-1])

(水魔法Lv30)(土魔法Lv30)(火魔法Lv30:5)(風魔法Lv30:5)(光魔法Lv30:5)(闇魔法Lv30:5)→【統属魔法Lv1】


身体

(冥想Lv35)(精密操作Lv40)

技能

(二刀流Lv40)(中級鑑定Lv45)(中級隠蔽Lv45)

NEW

(高速詠唱Lv30:5)→(無音詠唱Lv10:9[10-1])・(省略詠唱Lv10:9[10-1])


特殊

(全武術適正・微Lv18)(全魔法適正・微Lv18)

(全身体適正・微Lv18)(全技能適正・微Lv18)

(初心者の可能性Lv-)

\(僧侶の心得Lv30)MAX(魔法の心得Lv30)MAX

(思われし者Lv18){感情Lv4}


SP:94

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