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【更新不定期化】AllFreeOnline~才能は凡人な最強プレイヤーが、VRMMOで偽善者を自称します~  作者: 山田 武
偽善者と攻城戦イベント 二十三月目

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偽善者と攻城戦終篇 その13

祝日ではありますが、振替休日ですので大量更新はございません

予め、ご了承ください──というより、某サモナーさんに習って祝日は連続更新をしておりますが、ストックの減りに作者が絶叫しておりますのでお許しください……本当、ガンガン減って怖いんです


とりあえずのあらすじ(後篇→終篇)

眷属(自由民)のストレス発散のため、眷属(祈念者)の下へ殴り込み

偽善者は選ばれし者の一人と相対し、やりたい放題

終了後、相手をしてもらえなかったことでツンデレが……(この先は途切れている)

攻城戦は大攻城戦へ、偽善者は妹(『超越種』)と共に縛りプレイで参加することに



「まずはここを突破しないと……ニィナ、何かいい方法はあるかな?」


「えっと、空間魔法を連続で使用する……のは、魔力が足りなくなっちゃうから難しいと思う。走っていくと、精気力が足りなくなるし……どうすればいいんだろう?」


「普通の手段じゃダメなんだよね。というわけで、たまには僕が頑張ろうと思う」


「兄さんが?」



 この際、ニィナが向けるのは諦念……ではなく期待の視線。

 純粋なこの娘は、俺のことを信じてくれているということだ。



「最初の頃と、今とじゃ決定的に違う僕の力がある。それを使えば、行けると思う」


「……魔術装置?」


「うん、これを使おうと思うんだ。あとは、短距離の転移を繰り返して魔王城に向かう。ニィナは……悪いけど、両手は空けておきたいから背中に張り付いて」


「分かったよ、兄さん」



 絶大な信頼から、即座に指示通りに動いてくれるニィナ。

 なお、感触は柔らかいが、それは子供特有の柔肌だ……一部分、いや、なんでもない。



「それじゃあ始めるよ──“擬短転移(フラッシュブリンク)”」



 魔術を起動させると、俺たちは先ほどまでいた都市の上空から、一気に魔物たちが蔓延する旧カランド平原に辿り着く。


 距離に制限があるので一気に向かうのは不可能だが、それでも“空間移動(ムーブ)”と同じくらいの移動効率を保てている。



「でも、兄さんの魔力が……」


「ニィナは空に“空間圧縮(キューブ)”を使って、そのまま固定して。僕はそれを使って回復してみるから──“伝導宣糸(イメージライン)”」


「……うん、道にすればいいんだね。なら、こうして──“空間圧縮”!」



 初期では立方体として空間を固めるが、すでに祈念者が使っていた経験があるのか、その形を細長く伸ばしていた。


 あとは発動しておいた“伝導宣糸”を使うことで、そこを支点代わりに繋いで高速の移動を可能とする。


 糸を伸ばせば俺の体は下に向かい、そこでは魔物たちが進軍を続けていた。

 あとはそこに向け、回復するための魔術を行使する。



「──“脱力吸込(ドレインパワー)”」



 触れられた魔物は突如として、ミイラのように干乾びて絶命する。

 ……おっと、設定がすべての身力を奪うようになっていた。


 まあ、今回は死んでくれた方が後のためになるので、それでも構わない。

 溜まった魔力で再び“擬短転移”を使って距離を伸ばし、魔物から魔力を補給する。


 それをひたすら繰り返していけるほどに、魔物軍団は多くそして長い。

 ならばそれ有効利用しよう、それがこの移動方法のコンセプトである。



「兄さん、糸にその魔術を籠めることってできないのかな?」


「いい考えだよ。けど、今のところまだ成功していない。僕はこのデバイス越しに魔術を使っているから、その影響かもしれない。既存のプログラムに変なツールを加えたら、壊れちゃうのと同じだね」


「……こっちだと理解されづらい説明だね」



 眷属は夢現空間内の図書室に行けば、地球の知識を好きなだけ学び放題だからな。

 向上心のあるニィナだし、祈念者用に学習していることを知っていたのだ。


 まあ、基本的に眷属は成長するために地球の知識を取り込んでいる。

 転生者が知識チートをするのと同じ要領なので、TS転移者(カナタ)は泣いていい。


 スキルを共有すれば超高速で学習するスキルが無数にあり、優れた理解力を持った学者まで所属しているのが我らが眷属だ。


 地球人よりも地球のことを知っている、そういった人材も今では居るわけだし。

 ……素の状態でテスト勝負をしたら、大敗したことを俺は忘れない。



 閑話休題(そのあとべんきょう)



 少しずつ距離を縮め、気づけば魔王城の細部まで見ることができる場所まで辿り着く。

 しかしながら、一つ問題が……ニィナ曰く結界が張られているらしい。



「入る方法は?」


「さすがにそこまでは……祈念者の人も、それぞれ結界の前で頑張っているみたいだけどダメみたい。スペシャルロール? の人もまだ集まっていないみたいだし」


「魔力反応からして、当然のようにアルカが結界を解析しながら攻めているけど……俺、次の戦いで完全に無効化されるのかな?」


「それは大丈夫……かな? 単純に、条件付きで固くしているみたいだから」



 どうやらゲームでも定番な、入りたくても入れないアレを再現しているようだ。

 わざとスルーしたのだが、城を攻めている魔物にそれなりに強い個体もいた。


 それを倒すことで、結界が弱体化する。

 弱体化を繰り返していけば、最終的に誰でも通れるようになるんだとか。


 スペシャルロールは、その必要回数を減らす役割があるのだろう。

 さすがにわざわざすべての城を守らせていると、時間的にも……なぁ?



「僕たちにできる選択肢は三つ。一つ、バカみたいに祈念者を待つ。二つ、結界を僕たちで破壊する。三つ、僕にお任せ」


「……兄さん、何をする気?」


「結界を無視して中に侵入。一度しか入れないエリアをくまなく散策!」


「悪いこと……じゃない、みたいだね。けどここって、祈念者のみんなが楽しめるように用意された場所なんでしょ? そこまで凝っているのかな?」



 物凄くメタな発言をさせてしまった。

 もともと運営神からメタ的な知識は与えられているので、当然と言えば当然だが……萎えるよりも先に、罪悪感が半端ない。



「……ごめんな、ニィナ」


「きゅ、急にどうしたの!?」


「いや……なんでもない。それより、三つ目でいいから始めよう。ボスの間しかなかったら、そのときは帰ろう」


「う、うん……」



 ニィナを軽く抱きしめ、セクハラと言われる前にやることを伝える。

 庇護感が半端なかったんだよ……俺は無実です、許してください。




まだ第一陣のため、魔物の中に空を飛ぶ個体は混ざっていませんでした

糸は魔力さえあればどこまでも伸ばせるため、射程範囲内から魔力をたっぷりと奪っております


p.s.

評価のポイントが1000に達していました

まあ、ユーザーが削除されたりしたら、減ってしまうかもしれませんが(笑)

さて、それはさておき修正話が更新していると思います

ついに前哨戦が最終話……こちらもこちらで修正した話のストックがどんどん減っているため、もしかしたら修正版の更新速度が落ちるかもしれません

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