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【更新不定期化】AllFreeOnline~才能は凡人な最強プレイヤーが、VRMMOで偽善者を自称します~  作者: 山田 武
偽善者と攻城戦イベント 二十三月目

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偽善者と攻城戦中篇 その19



 数百を超える天使たち、それらはすべて自我も無くこちらを見ている。

 間もなく指示を受けて、俺への攻撃を始めるのだろう。


 対する俺は独りであり、援軍など誰も──



《なるほど、ここがGMたちの領域ですか。ようやく拝むことができました》


《ああ、そういえば繋がっていれば行けるんだったか? それで、どうしたいんだ?》



 アンの礼装を纏っている今、より深く彼女と繋がっている副次効果らしい。

 他の眷属の礼装を纏っていても、たぶん繋がることはなかっただろう。



《解析をしたいので、ただ追いだされないように振る舞っていただければ。メルス様のサポートは行いますので、どうかご自由にお暴れください》


「了解っと──“光子銃”、“魔力砲”」



 本来は体を換装……つまり機械っぽいアクションが必要となるスキルなのだが、そこは礼装が補助をする。


 服の一部が筒の形になり、腕の先から名前通りの能力を発揮していく。

 左手からは魔力ではない光の銃弾、右手からは魔力を圧縮して放つ砲弾が飛ぶ。 



「くっ、だが数で勝る以上勝機はある!」



 天使軍を指揮するGM02による、軍勢指揮の力によって統率の取れた動きを取る。

 彼女の髪色と同じチョコ色のオーラを薄っすらと纏い、天使たちは強化されていた。



「“外魔吸引”、“再現武装”、“変形”」



 外部の魔力を吸収するスキル、そして脳裏に焼き付けた設計図からアイテムを創りだすスキル──それを操るためのスキルを使う。


 三つ目のスキルで形を変えたそれは、空を舞う無数の剣たち。

 一本しか創りだしていないが、“変形”を使うことで分身する能力を起動させた。



「飛べ──[クラウ・ソラス]」



 持ち主が使っている際に解析した聖魔剣。

 今回の機能を使うのであれば、それに対応した職業能力か強大な魔力と処理能力が必要となる……そういう便利すぎる能力だ。


 だが神性機人であるアンの力を借りている今、脳の処理能力などで困る心配はない。

 種族性質として演算時の補正があるので、望むままに数十本の聖魔剣を操れる。



「“並速思考”、“原理究明”」



 そのうえで、思考能力と解析能力を向上。

 天使たちをじっくりと調べ上げ、この状況から無理なく脱する方法を求めていく。


 なお、天使たちは自分たちの身を犠牲にした戦法を取って攻撃を行っている。

 だが、そこに見切りスキルを使うと……仮定未来が映しだされ、すべてを躱せるのだ。



「なんで当たらない!」


「凄く頭がいいからかな?」


「……いいか、本当に頭が良い奴はそういうことを言わない。つまり、本当は何か隠しているのだろう!」


「いや、本当のことなんだがな」



 ちなみにGMである彼女たちだが、特定の祈念者の情報を探るには条件を満たさなければならない。


 だが、俺はリオン主導の下で偽装工作を受けているため、すべて無効化されている。

 なので俺の情報を探ることもできず、ややポンコツな発言をしているのだ。


 ちなみに、この間も天使は攻撃している。

 しかし見切りスキルが尋常ではなく効果を発揮し続けるうえ、空間把握スキルも試してみたら……さらに避けやすくなっていた。



「そろそろ終わりにしよう。どうやら、もう我慢できそうにないみたいだ」


「ほ、ほぉ、だからと言って、君がこの天使の軍団に勝てると思っているのかな?」


「勝てるに決まっているだろう。だから、そこで大人しく見ていろ──“過剰駆動”」



 オーバーブースト。

 礼装はそういう部分も忠実に再現するためか、少々温くなってきた服によって身体能力や種族スキルの性能が跳ね上がる。


 操る[クラウ・ソラス]の数が増えて処理速度も上がり、02が用意するよりも早く屠れるようになった。


 そして生まれた隙を突き、駆け抜ける。

 一気に進んだ先に居るのは彼女で、慌てて天使に自身を守らせようとしていた。



「守るんだ!」


「──“光子銃”」


「あっ……」


「はい、これでチェックメイト」



 威力を増した光子の弾丸が天使を射抜き、そのまま消滅させる。

 残った02を守る者は何もなく、銃口はそのまま彼女に突きつけられた。



「ふぅ……もう気は済んだ。だから、そっちもわざわざ止めなくて良いぞ」


「な、何を言って──」


「ありがとうございます、おにいさま。おねえさまも、かんがえをあらためるでしょう」


「06……」



 スッと銃口の前に立つのは、濡羽色の少女にしてGM姉妹の末っ子06。

 その意を最初から理解していた俺は、その時点で起動していたスキルを解除し──



「──“機構冷停”」



 クールダウン。

 先ほどの“過剰駆動”で高熱を発している礼装が、少しずつ温度を下げていく。


 使用中は他の種族スキルを使用不可能になるが、すでに戦闘は終わったので問題ない。

 02は何か言いたげだが……06が説得に入っているので、何も言えずにいる。



《アン、ご苦労様だったな。思考の整理とかもやってくれていたんだろう?》


《ほぼすべてをメルス様はお独りで成しえていましたよ。よく頑張りましたね》


《アンの力を使っているんだ、絶対に負けられない戦いがここにはあったんだぞ。当然の結果と言ってもいい。それで、ここの解析はどうなったんだ?》


《情報そのものは頂きました……ですが、あの少女なかなかやりますね。幾重にもプロテクトを施してありました》



 06のことだろう。

 そのことについても、この後すぐに分かるはずだ……そんな未来が視えるからな。




そろそろ中篇も終了です

次回はGMと出会った時のテンプレを果たします


p.s.

魔法のアイデア……ありがとうございます

ネタみたいな魔法でも、禁呪みたいな魔法でも何でもいいんです

はるか昔に武技を募集したときは、脚を砕くとかそんな感じのいいアイデアが出ていました


ぜひとも皆さんお知恵をお借りして、山田武作品をよりよくさせてください

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