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【更新不定期化】AllFreeOnline~才能は凡人な最強プレイヤーが、VRMMOで偽善者を自称します~  作者: 山田 武
偽善者と攻城戦イベント 二十三月目

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偽善者と攻城戦中篇 その02



 始まりの町 クランハウス『ユニーク』



「──で、現状はどうなっているんだ?」


「また凄そうなのを連れてきたな、おい」


「会うのは初だっけ? 前はたしか……ネロさんと居たときだったかな?」


「……リッカと申します。以後、お見知りおきを」



 結局、代わりばんこで俺と行動を共にすることとなり、今の時間帯はリッカが付いてくることになった。


 訪れた『ユニーク』の本拠地では、いつものようにナックルとアヤメさんが俺たちを迎えてくれる。


 なお、リッカの態度がいつもと違うのにはわけがある。

 ……深刻なモノではなく、単純にそっちの方が面白いだろうというお試しだ。



「メイドって……そういう趣味か?」


「何を想像しているか分からないが、間違いなく本物のメイドだぞ。当然だが、独りでこの町を占領することもできなくもない」


「……いやいや、どんだけなんだよ。ああ、やらなくていいからな。というか、アルカの話だと北を占領していたんじゃないのか?」


「それについても話に来たんだよ。あまりに誰も来なくて暇だったし、他の状況を確認しておきたかったからな」



 メイドだということで、リッカは俺の後ろに立って話を聞く。

 ……だからと言って、耳元に息を吹きかけたりしないでください。



「……まあ、お前らの関係性がどうだろうと関係ないからいいけどな。アヤメ、資料をここに出してくれ」


「はい」


「──これは……周辺の地図か?」


「ええ、すでに把握されていると思われますが、今回の攻城戦イベントは周辺三区画分を複製して用いております。こちらは、最新の攻城戦結果を反映した地図ですね」



 たしかに、手書きでどこを誰が占領しているのかが詳細に記されている。

 一部は知らない団体の名前だが……うん、やはり『エニアグラム』が存在した。



「アイツら、いつの間に……というか、俺知らなかったんですけど」


「なんだ、知らされてなかったのかよ。うちのクランからも、防衛に人が回されているから把握していると思ったんだが……ドッキリとか、サプライズだったんじゃないか?」


「そりゃあ、驚くこと間違いなしだが……南はまだ、あんまり行ってなかったんだよな」



 彼女たちが占有しているのは、『S3』に該当する部分。

 つまりは俺と真逆の位置なんだが……ずいぶんと面倒な場所を取ったな。



「湿地と沼地に挟まれた街道か……ここ、国じゃないよな?」


「ああ、南は海があるからな。ただ、相応の広さの屋敷が在って、そこを占領することができたそうだ。微妙にS4までくっついている辺りは、お前の領土と同じみたいだな」


「……やり過ぎなきゃいいけど」



 俺から彼らに伝えるのは、アルカが殲滅した結果どうなったのか。

 そして、北がいったいどんな戦場と化しているのかを説明しておく。



「偶発的レイドの影響、魔物の強化なんだが普通は死ぬ。たぶん、全部とは言わずとも、ある程度の団体が手を組んで共闘することを想定してのレベルだろう」


「その話は聞いているが……アルカやお前らみたいな広域殲滅ができるような奴じゃないと、最初からできないからじゃないか?」


「それもあると思う。数が無いと、最初の雑魚でも捌き切れないだろうし……で、さっきの話なんだが、共闘についてだ」


「……その規模、予想が付いているのか?」



 祈念者──AFOを介してこの世界へ来る者の数も、だいぶ増えている。

 数十万を超える人々が、間違いなくこの世界で何かを感じているはずだ。



「全部だよ、全部。占領できる場所がどれだけあるか分からないけど、求められている完璧はたぶんオールS。魔物すべてを殲滅していっさいの損害なし、そんな夢物語級の結果だと思う」


「さすがにそれは……」


「根拠はクリスタルが提示した報酬、その条件だな。お前らはまだ防衛数が少ないから出てないと思うが、やればやるほどレベル的なものが上がる。その結果、難易度の高い設備が用意できるんだが……おかしな物がある」



 リッカが居るのでなんとなく、指を鳴らしてみる──すると彼女は一枚の紙をどこからともなく取りだし、それを机に置く。



「詳細不明。条件はさっき言った通りの内容で、必要な素材なんかは何もない。だからこそ、別の意図が有って用意されたんじゃないか? 俺はそう疑っている」


「……できるのか?」


「俺はやらなくてもいいと思うけどな。それだけの力を今の祈念者が持っている、そう証明できるなら構わないが……【傲慢】な話、俺と眷属でそれをやることもできる。けど、それだと祈念者の力だけじゃない」



 仮に、それが引き金となって何かが裏で進行するとして……俺たちの力を自分たちの力だと評価された祈念者に、いつも同じだけの評価を出せるのかと訊かれれば、それは否。


 何かしらの問題がいずれ生じるだろう。

 もし、それが複製されたイベントエリアではなく自由民の居る世界で発生すれば……最悪の場合、その被害は尋常ではなくなる。



「装備を提供することも、従魔を派遣することもできる。それでも、いずれ対応できなくなるからな。──まあ要するに、今回は祈念者がどういう行動を取るのか、その調査というのが俺の推測だ」



 だからこそ、ナックルに話した。

 さて……お前はいったい、どういう考えに至るのやら。




次回は職業システム云々のお話を

……この作品、後付けの設定が多いんですよね

修正版には少しずつ盛り込んで、違和感は多少あっても早期に出しているんですけど


p.s.

持ち物に 筆記用具と 書いてくれ

無いと分からん 書かれてないし


──なんて思いたくなった今日この頃

持ってくるのが普通なんでしょうか? そう思いましたので、今度からはそうします

そうして無駄なモノばかり持って行って、文字通り『自重』を増していく作者でした

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