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【更新不定期化】AllFreeOnline~才能は凡人な最強プレイヤーが、VRMMOで偽善者を自称します~  作者: 山田 武
偽善者と切り拓かれる世界 二十月目

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偽善者と東の西京 その18

東の西京編 閉幕です



「さて、どうするであるか……」



 問題が解決したため、再びロール口調で呟き悩む俺。

 体を真っ二つにした人形──『穢れ』は活動を止め、虚空を澱んだ瞳が見つめるだけ。


 屍鬼たちの反応も止まったので、活動用のエネルギー供給も終わったのだろう。

 これに関しては、聖杯に穢れを集めた時点で起きていたことだけれど。



「まずは直すところからであろうが、この状態で戻しても同じことの繰り返しであろう。故に……こうすればよいのである」



 一枚の符を取りだし、人形に貼り付ける。

 すると刻まれた術式が発動し、人形を中身ごと勝手に取り込んでいく。


 しばらくすればこの場に人形は無くなり、代わりにどす黒く染まった符だけが残る。

 それを注意深く掴んで持ち上げ、解析眼を起動して状態を調べていく。



「まずは採取した穢れを調査、それをどうにかできないか試してみるのである。そして、符そのものにその結果を施す……これに失敗するのであれば、多少強引にやるであるな」



 聖杯で吸い上げた結果なのか、すでにこの場は完全に浄化されている。

 間もなく概念の核が失われたここは、崩壊してしまうだろう。



「まずは脱出するであるか──“異削風(イソカゼ)”」



 天に向けて放った斬撃は、見えない壁のようなモノを破壊して脱出経路を生みだす。

 あとはそこに向けて空歩スキルでひたすら駆け、渦の外へ向かうだけだ。



「……渦? あっ、霊化状態のままであったな。戻ったら解除せねばな」



 なんてこと締まらないことを思いつつ、少し下を見てから脱出する。

 予想通り地面だった場所に亀裂が走り、ナニカに呑まれている異様な光景だったよ。



  ◆   □   ◆   □   ◆


 界廊(自由世界──妖界)



 妖怪たちの界廊侵入には間に合ったみたいで、辺りに妖怪の姿は無い。

 先ほども挙げたように屍鬼も居なくなったので、安全な旅路が確保できた。



「ここなら安全であるか──アン、繋がっているであるか?」


《はい、何か問題でも? 先ほどより、視界中継が途切れておりましたが……やはりあの渦の中は神域となっていましたか?》


「伝わっていなかったであるか……実はあそこで禍々しいモノを得たのである。聖杯に収めてある故、スーに頼み隔絶したうえで調査してほしい」


《禍々しいモノ……ですか。分かりました、すぐに解析を行います》



 共有の収納スペースに仕舞ってあるので、そこから取りだせばすぐに調べられる。

 解析眼で調べた情報も送ったため、精神耐性をバッチリにしてから解析を行うだろう。



「では、そろそろ元の世界に戻るであるか。というより、早く帰らねば妖怪たちと出くわしてしまうのである」



 少々走って道を進んでいく。

 さすがに瞬脚を使うのは大人げないし、転移眼を使うのも以っての外。


 縛り状態でも、身体強化を使えばアスリート以上の速度で走れるし。

 そこに属性なんかを纏えば、さらに速度を増して駆け抜けられる。



「……ッ! もう来たのであるか!」



 間もなく脱出、といったところで妖怪たちの反応が反対側の門から知覚できた。

 大天狗の反応だけでなく、それと同等かそれ以上の反応まで……。


 さすがに縛った状態でその相手を務めるのは苦労しそうなので、そのまま加速して門を通過して逃げる。


 ──ついでに透明にでもなろうかな?



  ◆   □   ◆   □   ◆


 修羅山



 世界側の前に立つ見張りにも気づかれず、無事脱出することに成功した。

 今は身体強化も解除して、まったりと山を下りているところだ。



「しかし……荒魂の調査依頼であったが、あれは屍鬼と捉えてもよいのであろうか?」



 屍鬼と荒魂、荒魂を視たことがないので分からないが、たぶん屍鬼の禍々しさまで似ているとは思えないのである。


 ならば、門を通ったことで荒魂になったのか……そう考えるが、すでに『輪魂穢廻』が無くなった以上、再現することはできない。


 完全な問題解決には至っていないので、報告はまた今度にしよう。

 担保にしたアイテムも別に要らないし、受付嬢もサクッと売っているだろうな。



「──公方殿の言っていたお方にも会わずに帰るのは残念ではあるが、あちらは知覚能力が某以上であるとのこと。今の状態で会うのは危険であるな」



 式神を使うこと、そしてその数が膨大と言うことは分かっているが……他は不明だ。

 あとは女であることぐらいだが、それは関係ない…………うん、関係ないからな。



「いちおうの目的であった式神の確保もできた。妖界という未知の場所にまで足を踏み入れることができた……さて、次は陰陽師プレイでもしてみるであるか?」



 組合で符を買うのは忘れたし、先も挙げた報告をいずれしなければならない。


 そのときの行う演技が変わるので、不審がられるかもしれないが……演技性皆無だし、普通にバレるから問題なかろう。



「その前に……うむ、さまざまな約束を果たさねばならぬが」



 しばらくはそれを行うことで手いっぱいなので、井島に来ることすら難しいが。

 それでもやるという予定を覚えておいて、行きたくなったら気分転換に来よう。



「式神がそれまでに、正常な形で仕えるようにしてからであるがな……」



 今のままじゃ、使った途端街を一つ滅ぼしそうだからな。




次回、自己紹介を挟み……次の長編へ進みます

予告は出してありますので、気になる方は前章の最後辺りや今章の最初辺りだったかに設置した予告を見て、どんな話か予想してみてください


p.s.

求めているので、何度でも記しておきます──見たい絡みのキャラを書いてみてください

ついでにネタも書いてくれると、とてもありがたいですね(笑)

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― 新着の感想 ―
[一言] カグとメルスの絡みがみたいです。 カグがメイド喫茶で働いていて、メルスをもてなす姿が……ふへ
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