表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【更新不定期化】AllFreeOnline~才能は凡人な最強プレイヤーが、VRMMOで偽善者を自称します~  作者: 山田 武
偽善者と切り拓かれる世界 二十月目

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1320/2526

偽善者と東の西京 その16

※一部……なにこれみたいな描写がありますがお気になさらず

 それこそが偽善者の感じているものです


また、体育の日記念として連続更新をしております

まだの方はぜひそちらから


いちおうのあらすじ

妖界から再び戻るための道筋で、禍々しい妖怪の成れの果てと戦闘中

そして、ついにその親玉の下へ──



 どれだけ走ったか、もう覚えていない。

 屍鬼たちはそれぞれ一単語告げ、俺を追いかけ回す。


 斬って叩いて蹴って躱して……エンドレスで繰り返した行動の結果、ついにその場所へ辿り着いた。



「ここが……『輪魂穢廻』へ繋がる道」



 知覚した今では、それをはっきりと認識することができる。

 この世すべての昏さを煮詰めたような禍々しい渦、それが『輪魂穢廻』の概念的な姿。



「うわぁ……生まれてるよ」



 瞳を魂魄眼に切り替えて視ると、渦の中心からちょうど屍鬼が生成されているシーンを見ることができた。


 使い回しているからか、どす黒く澱んだ魂が渦を逆回転しているいると……いつの間にか霊体が生成され、肉体が創られその中に受肉していく。



『……殲』


「ああ、そんな感じで生まれるのか。となれば、俺もあれの中に入らないと目的地へは辿り着けないよな──“霊化”、“浮遊”」



 肉体を霊体へ変換し、体を浮かせて渦の方へ向かう。

 しかし渦は逆回転を続けており、外部からの侵入を拒んでいる。



「捻じ曲げよ──“夢現返し”」



 有り余る魔力で空間を侵食し、望むままに世界を書き換える。

 魔導……とも呼べない拙い技術──魔法のようなナニカによって、渦は逆巻きだす。


 だが、それも少しずつ戻ろうとしている。

 存在の格が現状では圧倒的に異なっているため、魔力がゴリゴリ削られていく。



「さて、行くか」



 ぐるぐると回る渦の中へ突入する。

 霊体状態なので問題は無いが、三半規管が尋常ではないほどに揺さぶられていく。


 必死に抵抗する『輪魂穢廻』の概念だが、今はまだ魔力が持っているため、俺の望む向きでの回転を強要されている。


 ……これ、失敗したら次はないだろうな。

 そんなことを思いながら──渦の底へ辿り着いた。



  □   ◆   □   ◆   □


 そこ


    には


       ただ

          □□

             が

               あった。


 ■■■■■■■ ■■■■■■■ ■■■■■■■ ■■■■■■■ ■■■■■■■ ■■■■■■■ ■■■■■■■ ■■■■■■■ ■■■■■■■ ■■■■■■■ ■■■■■■■ ■■■■■■■ ■■■■■■■ ■■■■■■■ ■■■■■■■


  □   ◆   □   ◆   □


 ???



「──普通、来る奴全員発狂しているよな」



 触れただけで、どんな善人だろうと悪意に染まる……そんな禍々しい汚泥のようなナニカが詰まった昏い底。


 底なし沼のようにも思える粘着度を誇る地面を歩き、目的の物を探す。

 その間もナニカは俺に堕落を強要してくるが……うん、なんともないな。



「{感情}様マジチート。俺、何がどうなっても中庸にしかなれないな」



 精神状態を平常で維持し続ける{感情}。

 これで一番能力的に地味なモノ、けどそういう能力こそチートってよくあるパターンかもしれない。



「とはいえ、さすがになぁ……侵蝕までされるのはちょっと便利だが、悪特化にしかできないし。サンプルの採取はもう終わっているし、さっさとどうにかする方がいいか?」



 本来ならば、精神を強く保つための苦労で他のことをする余裕なんて無いだろう。

 だが俺は例外、無意識で処理できているのでどんなことでも実行可能だ。



「我が願いを叶えろ──『アーケイナム』」



 その手に呼びだすのは、四種のアルカナを模った魔武具。

 妖しくも目を奪われるデザインをしたその杯は、願いを叶える万能の器。



「欲望改め──『渇望の聖杯』」


《……いつまでぶつぶつ言っているんだよ。早く終わらせて返してくれないかい?》


「良いところなんだ、邪魔しないでくれよ。あと、意思を表層に出すとたぶん巻き込まれて汚染するぞ」


《……──》



 再び意思が深層へ沈んだので、これなら問題ないだろう。

 そういうわけで、俺は意味もなく聖杯を見えない天に掲げて叫ぶ。



「聖杯よ、我が願いに応えよ! 願うは悪徳の体現、矛盾せし歪な理を捻じ曲げ、我が意のままに作り変えよ!」



 瞬間、俺の魔力が底を尽きかける。

 現在は縛り中──ただし、魔力に関しては完全解放状態のはずだ。


 億単位であるはずの魔力チートでも対応できない、それだけの願いとして処理されたことの証明でもある。


 進化したことで『渇望の聖杯』は悪影響を皆無にした──その対価は使用者の魔力。

 だからこそ、気にせず使えると思っていたのだが……もしかしたら、ヤバいかも。



「<久遠回路>駆動、緊急増幅。あとは摸倣した:擬似永久回路:も動かそうか」



 レイドラリーで得た『偽りの厄災』としての俺が持っていた超越(スペリオル)スキルも、現在ではすべて使用可能になっている。


 失われかけた魔力の残滓を炉にくべ、再び大量の魔力を得ていく。


 それをまたごっそりと『渇望の聖杯』が奪い去っていくので、二つの炉を暴走しないように制御しながら操り魔力を補う。



「どんどんどんどん、聖杯に辺りのナニカが注がれていくな……これ、第五次みたいな危うさがある気がする」



 聖杯の中身を覗こうとしても、そこにはただぽっかりと穴が空いているようにしか認識できない。


 たぶん俺以外の者が見たら、そこにもっとSAN値チェックが必要になるナニカが見えるかもしれないが……分からないからな。



「しばらくは待っているしかないな……今の俺はただの魔力バッテリーでしかないし、他にすべきことなんて採取だけ。眷属に念話しようにも、どんな悪影響が出るか分からないから控えたいし……うん、めっちゃ暇!」



 せっかくなので、精神に関するスキルでも習得してレベリングをしてみようかな?

 いったいどれだけ速くカンストするか……(色んな意味で)ドキドキワクワクだ。


 


願いを叶える聖杯+悪徳の泥=アレ ですよね

本来立ち向かうべき者以外(偽善者除く)が触れた場合、即効で闇堕ちします

あと、『輪魂穢廻』に人型はございませんよ……ええ、ございません


p.s.

今回のここは少しどうでもいいことを(いずれ削除予定)

経験数が分かるメガネ云々のニコニコの漫画を閲覧

どうでもいいことを思った……0厨(数)の主人公が「全員がゼロの世界へ!」とかご都合主義のナニカに願い、平行世界へ行くかと思ったら過去の世界へ行ってしまい、そこで知識チートで無双する……なんてのがないかなーとか思った今日この日


どっちのアプリもやってないので、精神ダメージはそう多くありません

誰か描いてくれないかなーとか思ったりする、作者でした

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ