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【更新不定期化】AllFreeOnline~才能は凡人な最強プレイヤーが、VRMMOで偽善者を自称します~  作者: 山田 武
第〇四章 試練の魔王と堕ちる者たち

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04-27 撲滅イベント その05

加筆・修正しました(2020/06/09)



 名を与え、眷族となったことでレミルが得た物は少ない。

 レベルはリセットされ、なんだか優秀そうなスキルも停止状態。


 運命神とやらの加護も、眷族となったことで完全に消失してしまった。

 代わりに付いた眷軍強化と天魔の守護……後者、凄く気になるだろう。


「効果は業値低下率の軽減、そして状態異常発生率を大幅カット。まさに守護だな……犯罪面でのアフターケアまでバッチリだ。けどこれ、全員が同じ効果なのかな?」


「どうかなさいましたか?」


「いや、フェニ……俺の眷族なんだが、アイツは守護じゃなくて……その、寵愛なんだ。神様の加護ってのは、人によって微妙に効果が違う場合があるらしいから、天魔ってほぼ俺を指すこれもそうなのかなって?」


 固有種族である【天魔】は、今のところ俺しかついていない存在だ。

 なので天魔と言及すれば、『=』で俺ということになる。


 しかし天魔って、別に状態異常に強いというわけでもないんだよな。

 天使と悪魔の両方の力を使えるから、それらしいこともできるにはできるけど。


 ちなみにフェニが持つ寵愛の効果は、種族スキル(再生の焔)の補助的なものだった。

 アレがあるからこそ、フェニは何度でも蘇える……それを守るためのものだな。


「ずいぶんと使えなくなったスキルが多いんだが……そういえばレミル、どうしてお前ってあの【封印】の中に居たんだ?」


「分かりません。ですがおそらく、加護を私に与えていた運命神の命令だったと思われます。私にはメルス様と出会う以前の記憶が無いことから、そう予測されました」


「……あくまで必要なのは、【封印】を物語的に解放させるための道具ってことか。まあそのお陰で、俺はレミルと出会えたんだ。運命の神様とやらには、感謝しないとな」


「メルス様……!」


 感激してくれているようだが、それもレンが仕組んだことと思うとな。

 うん、レミル自身に落ち度はない……俺の考えを、少しずつ改め直さなければ。


 もちろん、彼女の反応は好ましいぞ。

 フェニが居るとはいえ、俺は家族を求めているうえハーレムまで所望するという──まさに【色欲】の権化でもあるからな。


「レミル、お前はこれからどうしたい? 俺はあまり命令とかを下す気はないから、どういうことをしたいのかを知っておきたい」


「私はメルス様を守る盾。御身の傍に置かせていただければ、それで充分にございます」


「……そうか。念のために確認するが、その盾ってのはどういう意味だ?」


「敵意を、害意を、そして悪意を。それらすべてよりメルス様を、この身を以って守護する──それが私に与えられた使命なのです」


 レンの刷り込みがバッチリ効いているというか、効きすぎているというべきか……さすがの俺も、美少女が自分の肉壁になることに興奮するほど狂ってはいない。


「命令、自分の体を盾にするな。仮ではあるが、俺は主。主たるもの、お前たちの身の安全を保障することもまた、当然の義務だ」


「で、ですがそれでは──ッ!」


「分かっている。俺は心配性でな……レミルには、これを渡しておく。絶対に体を張るなとは言わない。だが、それを使いこなして無傷で守り抜け! それが、俺の命令だ」


 渡したのは、大きな十字型の盾。

 上部には柄が付いており、それを引き抜くと長剣が出てくるというギミック付きだ。


 ……もちろん、とある小説に感銘を受けて打ち上げてみた逸品である。

 それ以外にも仕掛けがあり、夢とロマンの結晶体とも呼べる名作にもなっていた。


「銘は無いし、そのままの名前も使えない。そうだな……『光芒盾』、そう名付けよう」


「コウボウジュン……」


「天使の使徒だから光、剣の切っ先を隠し持つ盾……まんまだが、そういう意味だ。ついでに『光芒』でダブルミーニングにしてあるぞ。名前は関係なく性能はいいから……どうだ、使ってみてくれるか?」


「ですが、私には剣術や盾術といったスキルはございません。今から習得しようにも、時間が無いのでは?」


 この世界において、対応するスキルを持たない武器で実践を行うことは、愚行という認識になっている。


 スキルを持つだけである程度戦えるのに、何故それを使わない。

 なまじスキルを持っているからこそ、彼らはそういった考えを抱いている。


 ──だが、俺はそんなルールを無視できるスキルを彼女に与えていた。


「俺の[眷軍強化]が20%に至ったとき、共有できるスキルの数が増えたんだ。レミル、お前はそれで剣術と盾術スキルを共有(コピペ)すればいい。自身でスキル習得後、再度指定したスキルを共有してくれ」


「わ、分かりました」


 使い方は眷族になったとき理解できるようなので、さっそく“能力共有”を使用する。

 ……なぜか発動後に頬を紅潮させたこと以外は、問題なく共有することに成功した。


「原因の究明は、今じゃなくてもいいか……レミル、体のどこかに触ってくれ」


「は、はいっ!」


「……まあ、抱き締めてくれる方は役得だからいいけど。念のため確認するが、そのまま移動するけどいいんだな?」


「……ダメ、でしょうか?」


 うん、喜んで!

 レンのヤツ、こういうところまでインプットしておいたのだろうか?


 ──まったく、主思いの眷族だぜ!


「それじゃあ行くぞ──“空間転位(リロケート)”!」


 分身が居た場所なので、すでに座標は確認済みである。

 俺たちはイベントエリアの端から、一気に戦場の中心部へと移動するのだった。



アイテムのステータス情報

攻防盾、でもありますね

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光芒盾 製作者:(メルス)


武具:盾・剣

RANK:S 耐久値:500/500

装備補正:VIT+50


攻防一体を可能とした十字盾

その独特の形状そのものが攻撃に転ずる

上部に刺さる柄を抜くことで、盾と剣を同時に振るうことが可能

使用者に天なる恵みをもたらし、武具捌きに補正を掛ける


装備スキル

(天なる恵)(攻防一体)(耐久度自動回復・大)

L(自動防御)(思考加速)(肉体加速)のような効果を自動的に発動する

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