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01-13 チュートリアル その07



「……やっと、やっと見えてきたー」


 町が視界に入ってきた時の、第一声がこれである。


 だって疲れたんだもん、周りの魔物たちに怯えながら帰ってくるの。


 お蔭様で(中級鑑定)や(中級隠蔽)、(戦線離脱)や(回避)のレベルが、また上昇した。


 ちなみに、鑑定結果はこれだ──


 パラライズバタフライ ???

 魔物 ???

 空中 ???


 スリープバタフライ ???

 魔物 ???

 空中 ???


 ポイズンバタフライ ???

 魔物 ???

 空中 ???


 チャームバタフライ ???

 魔物 ???

 空中 ???


 コンフューズバタフライ ???

 魔物 ???

 空中 ???


 ロックリザード ???

 魔物 ???

 地上 ???


 マウンテンウルフ ???

 魔物 ???

 地上 ???


 などなど、たくさんいました。


「左半分だけ鑑定できたな」


 一匹ぐらい倒せるかと思ったが……もしこのアイテムを市場に流したら、絶対ロクなことにならない。

 そう思ったので止めた……というか、さっさと帰りたかったんだよ。



 閑話休題(つかれたんだよ)



 こんなことを語っている内に、もう門の前まで着いた。


 心は疲弊したままだが、体は恢復魔法を掛けたことでだいぶ楽になっている。


 というより、行きと違って(体幹)や能力値が格段に向上しているため、体の疲弊もそれほどでは無かった。

 ……こういう点を考慮して、俺は(体幹)を習得しておいたんだ。




 さっそく町に入ろうか。

 少しずつ門に近づくと、門兵がこちらを見回しているのが見て取れた。

 たしか、名前は──


「ガルさーん、ただ今戻ってきました~!」


「っ!! メルス、お前無事だったのか!」


「えっ? ま、まあ……どうにか」


「何があったかは知らんが。まあ、よく帰ってきたな。祈念者はまだひよっこのはずなんだろ? てっきり次に会うのは、また内側だと思ってたぞ」


「ええ、まあ……逃げてばかりいたので」


 あながち間違いではない。

 亜竜(ワイバーン)と闘うまで、ずっと俺は逃げることしかできなかったんだから。


 ……にしても、優しい人だな。

 現代の日本人に、これほどまでに人に親切にできる人はどれだけいるのだろうか。


「とにかく──ただいまです」


「ああ。よく戻ってきたな、メルス」




 といった心温まる会話を行った後、俺は町の中に入った。

 会話のついでに良い宿屋や食事処、良い武具店なども聞いておいたぞ。


 ピーコン

===============================

CLEAR!!

初期クエスト04


報酬:SP+5


これで、チュートリアルは終了だよ

あとは、AFOの世界を満喫してね

===============================


 町の中に入ると、何度も見たボードが出現してチュートリアルの終わりを告げる。


「よっしゃー終わったー! これで俺は、晴れて自由だ!」


 心から叫び、歓喜を表す。


 普通のプレイヤーにとっては一瞬の出来事だったんだろうが、俺はそうじゃない。


 必死に山頂まで登り、ズタボロになってまで魔物を一匹討伐した俺にとって、今まではとても長い時間だった……自業自得だが。


「まあ……とりあえず、宿に行ってログアウトするか」


 そう考えた俺は、ガルさんに聞いた宿屋に向かった。




「すいませーん。ガルさんに聞いたんですけど……一泊できますか?」


「おう! ガルさんの紹介なのか。それならだいたい……一泊500(ヤーン)だ」


 YはAFOにおける通貨、プレイヤーたちにも僅かばかり支給されている。

 手に払いたい分の額をイメージすると、掌に銅色の硬貨が5枚出現する。


「──はい、500Yです。

 あ、俺の名前はメルスって言います。よろしくお願いします」


「そうかそうか、メルスって言うのか。俺の名前はリカルドって言うんだ」


「リカルドさんですか。一泊ですが、よろしくお願いします」


「分かったぜ……っとほい、これが鍵だ。好い夢見ろよ」


 ナイスなサムシングを決めるリカルドさんから鍵を受け取り、そこに書かれた番号の部屋へ向かう(日本の数字と同じだった)。




 やっぱり、こっちの人は良い人ばかりだ。


 身分証とか必要ないのか? ゲーム感覚ならそれは当然だが、これはVRMMO。

 実際の中世と置き換えてみれば、怪し過ぎるのだが……ガルさんのお蔭かな?


 部屋に入り、俺はそんな風に考えた。

 まあ、そこに関しては考えても仕方ない。

 ──今は新しいスキル習得に専念しよう。


「SPがまた余ってたしな。さて、どういったスキルを習得するか」


 亜竜と闘い、必要だと感じた物をまず片っ端から習得していく──。


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スキルリスト

武術

(大剣術Lv10)(短剣術Lv10)(大盾術Lv10)

(小盾術Lv10)(両盾術Lv10)(気闘術Lv15)

(魔闘術Lv15)

魔法

(天使魔法LvCS)(恢復魔法Lv28)

(暴風魔法Lv15)(煌魔法Lv20)(冥魔法Lv10)

(時魔法Lv10)(空間魔法Lv20)(業火魔法Lv25)

身体

(天使翼生成LvCS)(舞空Lv15)(体幹Lv60)

(身体強化Lv60)(魔力支配Lv20)

(能力値上昇補正Lv20)(冥想Lv10)

(戦線離脱Lv53)(回避Lv25)(異常激減Lv15)

NEW

(精密操作Lv1:10)


技能

(錬金Lv2)(調合Lv1)

(中級鑑定Lv30)(中級隠蔽Lv30)

(言語理解Lv50)(気配感知Lv25)

NEW

(採取Lv30)→(中級採取Lv1:10)

(二刀流Lv1:5)


特殊

(旅人の心得LvMAX)(錬金の心得Lv1)

(善なる心LvMAX)(悪魔キラーLv1)

(正なる心LvMAX)(優越LvMAX)(羨望LvMAX)

(攻撃無効Lv-)


【??】×9 未開放


SP:72

---------------------------------------------------------


 理由か……そんなものは無いぞ。


 俺はネタプレイを突き進む。

 能力値の割り振りは平等だが、それ以外のことは基本的に適当な予定だ。


 たまにそれが上手くいってしまうから、止められないし止まらないんだよ。


 これのレベリングをしなければならないのだが、それよりも先にLvがMAXになった種族と職業を進化させなければならない。

 ……まあでも、とりあえず今日は寝るか。


「ログアウトっと」


 メニューから見つけだしたログアウトのボタンを押し、俺はこの世界から退場する。



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― 新着の感想 ―
[気になる点] 主人公の名前がメルスって反対から読むと酒のツマミですね一番うちにカイをつけて欲しかった
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