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【更新不定期化】AllFreeOnline~才能は凡人な最強プレイヤーが、VRMMOで偽善者を自称します~  作者: 山田 武
偽善者と還る理 十七月目

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偽善者と赤色の脱出 その05



「まずはおめでとうございます。この階層の魔物がもっとも戦闘力において優れている存在ですので……ここから上に向かう際、あなたを阻むモノは何もございません」


「悪魔に魂を売ってまで手に入れた力なんだから、それぐらいじゃないと困るよ」


「……私は悪魔ではなく、神に仕えている身なのですが」


「あの仕打ちを、私は忘れたわけじゃないってことを自覚しなさい」



 そんなに苦しかったのか。

 だがレベリングをすぐに済ませるのなら、これ以外方法が無かったのだから仕方ないと思ってほしい。



「この調子で脱出を目指しましょう」


「あっ、ねぇ、無視するんじゃない!」


「中に探索者が居る場合は、再出現することはありません。しっかりと休息を取ってから次の階層へ向かいましょう」


「というかまさか……戦う気ゼロなの?」



 おや、真相に気づかれてしまったようだ。



「ええ、その通りですが……それが何か問題でしょうか?」


「あんた……さっき自分のことを神の仕えている者とか言ってなかった? それならそれらしく振る舞いなさいよ!」


「おや、まさかあなたのような可憐で強く素晴らしい妖精様が、このようなただの普人族(フーマン)に助力を願うと?」


「……いや、あんた普人族じゃないわよ。絶対に邪神とかの生まれ変わりよね?」



 うーん、残念!

 うちの眷属にそういう身の上な可愛い娘は居るが、俺自身はただのモブである。


 本質を見抜ける妖精眼でも分からない情報だし、いちいち言わずとも良かろう。



「あなたがこのような場所に居ることにも理由があるでしょう。それを問うことはありませんが、少なくとも力はどれだけ保有していようと問題ないと思いますが?」


「そ、それはそうだけど……って、また騙されている気がする」


「そのようなつもりはございませんよ。そろそろ準備もよろしいようですし、次の階層へ向かうことにしましょうか」


「……せめて魔法は施してよね」



 まあ、初めの内はちゃんとやろう。

 そのうち必要なくなるだろうが、自信になるならやっておくべきか……。



  ◆   □   ◆   □   ◆


 赤帝の墳墓 四十層


 ようやくボスラッシュも終了した。

 少しずつ掛ける支援魔法の質を落としながら、最終的には付与魔法を一つだけ掛ければ充分な戦いが行えるようになっていたな。



「お疲れ様です。ここから先は迷宮としての入り組んだ道や(トラップ)がございますので、体力や精神力が必要となります」


「……えぇー、一撃で倒せるならこれまでと同じ方が楽なんだけどー」


「それはサランさんが強いからこそ言える言葉ですよ。あの魔物は一体でも野に放たれれば、人族の小国などは簡単に滅んでしまうような魔物でしたよ?」


「そういうメルス(・・・)だって、観ているだけで居られる余裕があったじゃん。あと、そういうことならあんまり役に立てないよ。精々罠に引っかからないことと、生活魔法の“地図(マッピング)”で手伝えるぐらいかな?」



 これまでの攻略を経て、少しだけ関係が深まっている。

 レベルに似合うだけの妖精眼になっていくにつれて、未覚醒の『勇者』ではあるが──俺のステータスの一部を見抜いてきたのだ。


 隠す必要が無くなったので、サランの力に関する事柄を正直に伝えてみた。

 眠る『勇者』の資質、求める異なる世界、集められた資格の保有者たち……。


 まあ、それを『面白そう!』の一言で纏めたうえで協力を約束してくれるのだから、なかなか話が分かる妖精である。


 いろいろと事情を隠しているのはお互い様なので、一先ずの約束だけで充分だ。



「助かります。迷宮攻略に必要なスキルはあまり持ち合わせていませんので、地図があるだけでも攻略が格段に進みます」


「……一度攻略しに来たんだよね? そのときはどうやったの?」


「サランさんの気配を頼りに、時空魔法で移動する過程を省略して移動していましたね。階層ごとに発動する必要がありましたので、少々時間がかかってしまいました」


「……そんなことしてたから、迷宮も怒って時空魔法を使えなくするんだよ」



 まったくもってその通りだな。

 明確なイメージが必要なのでそう簡単に使えないだろうが、少なくとも移動のために使うのは反則だろう。



「というか、時空属性って希少な属性なんだよね? 人族なら、それだけでずっと食っていけるんじゃないの?」


「いえ、この世界の橋渡しを行うことが私の使命ですので。そもそもそのために、すべての資格を宿す者が必要となります……そこに時空属性の適性を持つだけの普人族は、含められておりません」


「ふーん。たしかに、『賢者』とかならどんな、魔法でも使えそうだしね」



 使えるって言ってたな。

 ついでに言えば、他の奴らにも可能な限り後天的に属性の適性を与えているので、魔法スキル自体は獲得しているだろう。



「この世界の『勇者』は火系統のスキルすべてに対する適性を得られるそうですね。いずれサランさんも、爆炎の勇者と呼ばれる日が訪れるかもしれませんね」


「自然を破壊するのは……ちょっとね」



 火属性だとやっぱりそういうイメージか。

 俺が自力で習得した火属性の魔法も、たしかに破壊する感じの魔法が多いし。

 探せばどこかにあるだろう……というか、誰かが知っているか。


 ──イメージに合わなくても、気に入ってもらえる魔法を探しておくか。




『勇者』や『賢者』の万能性が出ていますが、【勇者】や【賢者】がまったく同じ性質を持っている……というわけではありません

有象無象が現れる【○○】たちと異なり、『○○』は唯一無二です

候補者は覚醒するためにその劣化した性質を持っていますが……まあ細かいことは別の機会に


p.s.

投稿日は中間?テスト……だが、講義の空きが無い日なので書く時間を多く確保したい

しかしそれではテスト勉強が……まあ、別にやらなくてもいいか


なんて思っている作者です

改めて、キャラのイメージが浮かばない自分を情けなく思っています

『ぼくのかんがえたさいこうのきゃらくたー』……きっとどれだけ考えても、自分では生み出せないのかもしれませんね

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賢者=アルカになっちゃう、あの子でしょあの子、ほらあの子
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