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【更新不定期化】AllFreeOnline~才能は凡人な最強プレイヤーが、VRMMOで偽善者を自称します~  作者: 山田 武
第〇三章 偽善者の眷族

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03-28 【封印】後篇

加筆・修正しました(2019/12/03)


今章の最終話です



 メキッという感触が武器から伝わる。

 確実に頭蓋骨に相当する骨格に、影響が出ただろう。


 しかし、俺の頭の中は疑問符でいっぱい。

 なぜそうなったのか分からず、それを口に出してしまうほどだ。


「あ、あれ……?」


 相手は神の使徒である天使。

 予め必要とした神気の量を踏まえ、警戒は最大限に行っていた。


 まず、天使は翼から光状の羽を撒き散らして俺を串刺しにしようとする。

 その間に同じく光を纏った手で貫き手を仕掛けてきたので、それも大盾で防いだ。


 ……この辺りで違和感を抱いた。


 どうして防げているのか、と。

 だがその意識をすぐに消し去り、すぐに反撃へ転じる。


 大盾だった『模宝玉』を木刀──神気で生みだした神樹製──に切り替え、防がれたことで隙を見せた天使を攻撃した。


 ──そして、現在に至る。


  ◆   □   ◆   □   ◆


 天使は地に降った……物理的に。

 今は普通の人族のように、ただ目を閉じて気絶している。


 この天使の扱い……うん、どうしようか。

 なんてことで悩んでいると、レンの方から連絡が入る。


主様(マイマスター)、少し宜しいでしょうか?》


「ん? 別に構わないが……どうした?」


《そこで倒れている天使、そちらを確保しておきたいのです。そのままでは、姉妹にどういった干渉が行われるか分かりません》


「それもそうだな。けど、どこに置いておくべきか……心当たりは?」


 少なくとも、外に放り出すのはダメだ。

 天使はこの世界の存在を知ってしまった、選択肢はすでに失われている。


 なのでどこに隔離しておくのか、それを知らなければならない。


《ございます──主様の捕喰空間です》


 捕喰空間とは、【暴食(グラトニー)】の能力に喰われた対象が最初に逝く空間である。

 内部では解析・分解・消滅など、いろんなことを直接触れずに行うことが可能だ。


 何より、そこは時間が停まっている。

 たしかにそこなら逃がすこともない……だけど、喰べるんだよなー。


「まあ、いちおう殺されそうになった? んだから別にいいか。因果応報、ヤられたらヤり返すってな──“捕喰ノ牙(イーター)”」


 触れずとも発動するが、外しては困るので手をかざして照準を合わせ……発動する。

 途端、先ほどまで倒れていた天使は消え、地面にその痕跡が残るだけとなった。


 そして感覚的に、【暴食】が喰べた対象をどうするか尋ねてきていると理解する。

 俺はとりあえず解析を指示し、そのまま放置するように念じておく。


「レン、これでいいのか?」


《はい。ありがとうございます、主様。ではさっそく、作業に取り掛かります》


「……あのさぁ、レン。その作業って、具体的に何をするんだ?」


《…………では、これで失礼を》


 これは……知らない方がいいのかな?

 まあ、それを忘れるためにも、姉妹の様子でも見ておかなければ。


「──ん? 突然UIが……」


 しかし、すぐにはいけないようだ。

 天使を捕喰した瞬間に出たのだろうか、これまで見たことのない文の羅列が一気に表れたUIに記されていく。



  □   ◆   □   ◆   □


【封印】の守護者の迎撃に成功しました

これにより、英勇クエスト『双剋英雄』が消滅しました

英勇クエスト『双剋英雄』が消滅したことにより、『■■■■■』の欠片は、『???』の下へ帰還します


 ERROR 異常なコードによる介入


『メルス』の『運命改変者』が発動しました

これにより、『???』の下へ帰還する予定だった『■■■■■』の欠片は、『メルス』の下へ移動します


『双剋英雄』の運命は『メルス』の支配下に置かれ、『???』の管轄外となります


英勇クエスト『双剋英雄』において入手可能なモノは、『双剋英雄』の成長度合いによって『メルス』の支配下に置かれ、以降、自在に使用が可能となります


『双剋英雄』の能力解放決定権は『メルス』が握るものとし、以降『メルス』の意思決定によって解放が行われます


  □   ◆   □   ◆   □



「……グー、これがなんだか分かるか? あとわけの分からないアイテムを入手したみたいなんだが」


《すぐに調べてみるよ……ただ、それなりに時間が掛かると思う。あの指輪以上にね》


「そりゃあドロップアイテムと違って、面倒臭そうなイベント絡みっぽいしな。優先はしなくていい、暇な時間があったらやってくれれば構わない」


《分かったよ。なら、マスターの言う通りにしておくね》


 英勇……まあ、名前の響きからして、英雄と勇者を合わせた造語だろう。

 そういった者たちと関わることが、クエストとして存在しているわけか。


 そして、フーラとフーリもそうだった。

 ……未来に決まることではなく、過去から定まっていた運命みたいなものか。


「いろいろと気になる点はあるけど……今は二人の所に行こう」


 将来のトラブルより、今の問題だ。

 倒れたままの少女たちを放っておくのは、揉め事になりそうだしな。


  ◆   □   ◆   □   ◆


「──で、大丈夫だったと」


「あの……メルス様、これは……」

「……壁?」


「結界魔法だ。結構便利なんだぞ」


 少女たちから事情を聴く……いつの間にか起きていたようだ。

 どうやら天使を喰べたときに、能力値に関する束縛が解かれたらしい。


 二人から許可を貰って“鑑定”をして視れば……なるほどたしかに、【封印】を失ったことで抑制されていた分の能力値が一気に増えていた。


 その補正もあって、すぐに目が覚めたのかもしれないな。


「……って、二人とも結界魔法を習得しているな。俺も持ってないのに……優秀だな」


「ほ、本当ですか!?」

「……知らない」


「さっきまで結界をペタペタ触っていたからかもな。じゃあ、そうだな……この結界に魔力を籠めて、操れるようになろうか。たぶんこれをやるだけでも、それなりに扱えるようになるだろう」


「……「はい!」」


 あとで知った話だが、彼女たちが目覚めた職業──【英雄】の性質が決まっていなかったため、それを補うために辺りの事象から最適なスキルが選ばれたらしい。


 分かりやすく説明するなら……たまたま結界が張られていたから、それを使えるようにしちゃえってことなんだとか。


 ……自由民も、結構チートみたいです。



解放後のステータス

---------------------------------------------------------

ステータス

名前:フーラ(女)

種族:(普人族Lv12)

職業:(村人Lv12)・【英雄Lv1】


HP:150→1150

MP:100→1100

AP:100→1100


ATK:15→115

VIT:25→125

AGI:25→125

DEX:30→130

LUC:15→115


武術

(棒術)

魔法

(生活魔法)(結界魔法:職業)

身体

(病気耐性)→(異常耐性:職業)

技能

(耕作)(家事)

特殊

(英雄ノ卵:職業)(自己強化:信仰)

(全武器適性:職業)


祝福

(眷軍強化)

---------------------------------------------------------

---------------------------------------------------------

ステータス

名前:フーリ(女)

種族:(普人族Lv10)

職業:(村人Lv10)・【英雄Lv1】


HP:110→1110

MP:170→1170

AP:110→1110


ATK:15→115

VIT:30→130

AGI:15→115

DEX:25→125

LUC:8 →108


武術

(棒術)

魔法

(生活魔法)(結界魔法:職業)

身体

(病気耐性)→(異常耐性:職業)

技能

(耕作)(家事)

特殊

(英雄ノ卵:職業)(自己強化:信仰)

(全武器適正:職業)


祝福

(眷軍強化)

---------------------------------------------------------


(棒術)(耕作)(家事)を得ていますが……祈念者風に例えると経験値が一気に入っています

そのためスキルを習得したり、熟練度的なものが上がるなどの現象が起きています

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