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【更新不定期化】AllFreeOnline~才能は凡人な最強プレイヤーが、VRMMOで偽善者を自称します~  作者: 山田 武
第〇三章 偽善者の眷族

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03-26 【封印】前篇

加筆・修正しました(2019/11/19)



 第一世界の自然フィールド。


 つい先日訪れたラルゴ村の元住民たちが暮らすこの地を訪れたのは、そのときに約束したあることを行うためだった。


「す、すみません……遅れてしまいました」

「……遅れた?」


「いや、全然だから気にするな。それより、よく決心してくれた。フーラ、フーリ」


 俺が過去の王都にて最初の偽善を行うきっかけとなった少女、そしてその妹。

 彼女たちには『封印』が掛けられており、それゆえに弱体化されている。


 なぜそうなのか、といった理由は分からないし……今は気にする必要がない。

 大切なのは唯一つ──偽善をまた、行うことができるということだ。


「……昨日言った通り、俺なりに最善は尽くしてみるつもりだ。ただ、それでも命の危険がある。だから、二人には俺の眷族に一時的になってもらう……ここまではお父さんとお母さんの前でも話したな?」


「はい。お父さんは猛反対してきましたが、お母さんが説得してくれましたね」

「……うん、凄かった」


「愛されているってことだ。俺みたいなヤツに娘を預けられない。たとえそれは神様だって、きっと男親はそう言うんだろう。だからこそ試していたんだよ、俺がちゃんと二人を守れるかどうか」


 定番のください的な台詞(セリフ)は言っていないはずなのだが、眷族云々から父親的直観を発動させたお父さんにいろいろと言われた。


 そして、お母さんの素晴らしい交渉術により……お父さんはそれを認める。

 うん、実に手際のよい交渉(物理)だったので驚いたものだ。


「もしかしたら、今のままでも人並みな生活はできるかもしれない。だがそれはお前たちのできることを狭める……俺のワガママだが二人には、やりたいと思ったことができる人生を歩んでほしい」


「メルス様……」

「………………」


「約束しよう、俺は二人に掛けられた封印を解くと。だから俺に命を……すべてを預けてくれないか?」


 二人は互いを見つめた後に、コクリと小さく頷いてくれた。

 その期待に応えるためにも……全身全霊を以って偽善を行うべきだろう。


  ◆   □   ◆   □   ◆


「メルス様……ここはどこでしょうか?」


「ここは修練場。俺だけの世界で、誰にも迷惑を掛けない場所だ。ここで眷属になってもらった後に、例のスキルを取り外す」


「……大丈夫?」


「他の眷族と相談してあるから、成功はするだろう。だが、問題は……いや、まずは眷族になってもらおう。二人とも、予め言ったことを覚えているか?」


 すでに“眷族化”の能力に関しても俺は説明を済ませている。

 眷族は、恩恵を受ける代わりにいくつか制限が生まれる……まあ、かなり軽いが。


 能力値に補正が入り、スキルのコピーをすることもできる。

 眷族間と主とでネットワークが構築され、いつでも連絡を取ることが可能。


 そして……眷族としての印が刻まれ、最初は一度失神してしまうことなど。

 これは能力恩恵にあやかるため、肉体のどこかでナニカが起きているからだ。


「二人が気絶している間に、俺はスキルを取り外す。ただ、問題は印を刻んだら変更できない点だな。まあ、すぐに解除できるからいいんだけど……俺が触れないといけない」


「「…………」」


 再び二人は顔を合わせ……るだけではないようで、何やら揉め始める。


 なんだか、女性として発育がよくなる部分が単語単語で聞こえてくるのは気のせいなのかもしれない。


「あ、あの……その、手で、お願いします」

「……右と左」


「ああ、了解した。……準備はいいな?」


「……「はい!」」


 彼女たちの手を──フーラの右手とフーリの左手にそっと触れる。

 一瞬ビクッと体を震わせてしまったが、少し待つとそれも収まった。


 あとは彼女たちが倒れたときのことを考えて、魔法で支える準備をしてから“眷族化”の発動を意識する。


 俺が求めた個有(オンリー)スキルなので、発動から効果まですべて俺の思想通りだ。

 特に意味の無いエフェクトが輝くと、彼女たちの手の甲が淡く光り始める。


「あとは任せろ……だから、今はゆっくりと寝ているんだ。偽善者に全部任せておけ、お前たちがそう思っていてくれれば、絶対に成し得るからな」


 二人の顔がなんとなく安心しきったものになったように思え、俺もほっこりした。

 だがこれから行うことには、何かしらのデメリットが生じるだろう。


 なぜなら俺はただのモブで、どうやったら成功するかなんてさっぱりだ。

 スキルをどれだけ持っていようと、使いこなせなければ意味が無い。






 ──だからこそ、助けを求める。


 もっとも頼りになり、もっとも信じることができる……俺の眷族たちに。

 倒れた二人を支え、そっと地面に着地させてから──念話を繋ぐ。


《グー、レン、出番だ。俺でもできる回収方法を見つけだしてくれ》


《分かったよ》

《了解しました》


《スーは二人を結界で守っておいてくれ。何があるか分からないが、曝け出しておくというのもアレだしな》


《ん、分かった》


 結界魔法はスーのスキルなので、俺が使うよりもスーの方が優れている。

 グーとレンが調べている補助もできるようなので、結界もそちらを設定してもらった。


「さて、いったいどんな結果になるんだか」


 封印、単語からして違和感しか無い。

 どうして彼女たちが……いや贄にされていたかもしれないあの村に、そんな能力を宿す者が居たのか。


 そういったことも含めて、何かの因果があるのかもしれない……偽善者的には、そういうチェイン系のイベントは好きだけどな。



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