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【更新不定期化】AllFreeOnline~才能は凡人な最強プレイヤーが、VRMMOで偽善者を自称します~  作者: 山田 武
偽善者と三つの旅路 十五月目

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偽善者と捜索交渉 中篇

途中で視点が変わります



「ん? ノロジーじゃないのか」


「師匠、ノロジーは勉強で忙しくなるって前に言ってたよ」


「アイツって、勉強しなくてもテストでいい成績が取れる奴だと思ってたんだが?」


「うーん、そうらしいけど。だけど、そこまで詳しいことが聞けるわけじゃないからね」



 秀才で、飽くなき探求心が固有スキルを生みだした少女。

 ついからかいたくて、たまに危険な化学物質をプレゼントしていたが……それとは関係ないはずだよな。



「それで、そちらさんは新人か?」


「あの……マスター、この人は……」


「紹介が遅れたな。二人共初対面だから、俺から紹介をしておこう」



 ナックルが連れてきたのは、中学生ぐらいの背丈をした少女。

 顔も童顔で、子供っぽい……んだが、見た目通りの年齢じゃない気がする。



「こいつは『アヤメ』……ああ、リアルの名前じゃないらしいぞ。まあ、なんやかんやでうちのギルドに所属することになった」


「どうも、アヤメです。ギルドリーダーに救われ、その恩返しとして所属を決めました」


「それで、コイツが…………なあ、お前ってどういう風に紹介すればいいんだ?」


「いや、それを俺に訊くか? 簡単にこっちで言うから別にいいよ」



 態度がアレだからか、アヤメ……さんの態度も疑うような感じだ。

 そんな視線に若干の興奮を……おっと、まだ眷属にも開いていない扉が開いてしまう。



「それじゃあ、適当に言うぞ。俺はメルス。見ての通り『ユニーク』所属の下っ端なんだが、特殊な職業に就いているから。リーダーとある取引をしている」


「貴方が……あの噂の?」


「おい、ちょっと待──」


「訊いているなら早いな。このギルドの中でも初期メンバーしか行けない例の場所、そこに関する担当者だ」



 ナックルは俺が【迷宮主】であったことを誰にも言っていない。

 また、同じくそれを知る初期メンバーたちも閉口令が出ているらしくそれを言わない。



「ギルドリーダー、その話は……」


「事実だ。コイツはこのギルドの誰よりも強く、常識に捕らわれない変人。だが、全員がそれを認めているからな」


「……そこにいるユウちゃんよりですか?」


「師匠は僕の師匠ですから。今の僕がいるのも、師匠のお蔭ですよ」



 そう言ってニコリと笑うユウに、唖然とするアヤメさん。

 その後、さらに険しい視線を俺に向けてくる……やだっ、本当に目覚めちゃいそう。



「信じられません。それこそ、全員がお認めになられるほどの実力があるとは……」


「あはははっ、師匠の実力は見た目からじゃまったく分からないもんね」


「おい、それってどういう意味だよ」


「けど、アヤメさんが師匠と闘うってなると大変だろうし……そうだ、僕が師匠と闘っている姿を見ればいいんじゃないかな?」



 わけの分からない発言に首を傾げたくなるが、この場の者たちはなぜかそれで納得してしまっているようだ。



「なあ、メルス……」


「やれって言いたいんだろう? これをやれば、例の話は上手く纏まるのか?」


「ああ、アヤメは俺の代わりに秘書のようなことをしている。コイツの信頼を得れば、ギルドの半分ぐらいは動かせると思え」


「……分かったよ。俺も楽がしたい、そのためなら少しぐらい道化になるか」



 このギルドハウスには、地下に訓練場が設けられている。

 まあ、そういう場所でもないと修練ができないと思って用意したんだよ。


 アルカとは前に闘ったが、ユウとは本当に久しぶりな気がする。

 こういう機会だし、縛り中でも勝っておきたいな。



  ◆   □   ◆   □   ◆


 SIDE:アヤメ



 ギルドリーダーであるナックル()に呼びだされ、重要な交渉の手伝いをするように指示されました。

 そのような案件に関わらせていただけることは大変嬉しかったのですが、そのあとが自分でも不思議でした。


 ソファーに座る、ユウさんと言葉を交わす一人の少年。

 白と黒の髪を混じらせた、それ以外は特に特徴を持たない普通の人。


 そのはずなのに、私はその子がとても気に入らなかった。

 ユウさんと話しているのも……その、少しだけそう感じさせましたが、それなら他のギルドメンバーでも同じように感じたはず。


 一目見た時から気に入らない、そんな風に思えてしまうナニカ。

 自分の感性が歪められてしまっているようにも思えてしまう。


 そのことについて、をギルドリーダーに相談すると──



「ああ、それはアイツの呪いだ。たしか、見た奴の第一印象が最悪になるってやつだな」


「……なんですか、そのピンポイントで嫌がらせにしかならない呪いって」


「さぁな。俺たちはアイツに呪いが罹る前から接していたから、その呪いを気にしなくてもよかった。だから、その印象については少し気になるな」


「第一印象ですか、おそろしい呪いです」



 人は八割方見た目で他者を判断します。

 内面がどうなんて関係なく、ただ見た目が悪いからと信頼されないことなんてよくあることでしょう。


 以降の関係も、一度本人が決めてしまったその認識を覆すことは難しく、また誰からも信用されない可能性だってあります。



「まあ、それ以降はアイツの行い次第で好くも悪くも見られるらしい。だからお前が好くアイツを思えるよう、闘おうとしてるんだ」


「そう、ですか……」


「見ておけよ。アレが最強で、俺たちの本当のリーダーだ。カリスマなんてないが……それでも面白いと興味をそそるんだ」



 ちょうど訓練場で、ユウさんと彼──メルスさんの闘いが始まります。

 あのナックル様がそこまで言うなんて……いったい何者なんでしょうか?




主人公の呪いに関してはどこかで書いた気がしますね

対策を用意してはいるものの、解除したまま忘れたり対策の方を突破して直視してしまう場合があります

後者の場合、相応の精神異常(or汚染)耐性を持つのでほとんどが平気ですが……愚直なモノほど、無い場合がございます


p.s.

試験二日目

計算と単語がほどほどに混ざった試験を行いました

自分的には自信があるんですよ……ただ、その日は少し落ち込みました


別の時間に友人と話し、昨日の試験で難しいのがあったと話してみたところ──「簡単だった」と一蹴されてしまいました

その友人もまた楽だったと話したらしく、おそらくそのときの作者は引き攣った笑みしか浮かべられていなかったでしょう……いくら「うちはうち、よそはよそ」でも心にクるんです

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