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ラグナロクブレイカー  作者: 闇夜野 カラス
大闘技祭の章 破
97/211

二日目終了

「なかなかやるな。あの青年は・・・。」


 ガルガンチュアは、観客に応えながら退場するジークフリートの実力が、かなり高い所にあることを見抜いた。


「おそらく、あの魔剣も、神宝具(オーパーツ)に匹敵する武具でしょうな。となれば、その武器に選ばれるだけの実力は、当然持っているでしょうな。」


 宮廷魔術師筆頭のブラギも、ガルガンチュアの意見に賛同した。

 リンドブルムのみが、会話に参加せず、ただジークフリートを眺めていた。

 その様子に、ガルガンチュアは自慢の(ひげ)を擦りながら、楽しそうに微笑んだ。


(口では否定しているが、コレは本物だな。しかしな、お前はこのヴィーグリーズの王女、第一王位継承者だ。半端な腕の者に、お前を託す訳にはいかん。少なくとも、優勝ぐらいはしてもらわんとな。)


 それぞれの思惑が絡みながら、男性部門の予選は続いて行った。

 この日、行われた残りの三予選の勝者は、全てヴィーグリーズの者であった。

 そのうちの第四予選に出場したゴライアスは、大地大蜥蜴(グランドドレイク)という、知性を持たない竜種の巨獣(メガビースト)との戦いであった。

 完全武装の重戦士(ヘヴィーウォーリア)の装甲と、その圧倒的な剛力によって、大地大蜥蜴の突進を受け止めて投げ飛ばすなどの大技を見せ付けた。

 最後は、へヴィーアックスによる一撃で、大地大蜥蜴の首を叩き落とし、見事に勝利した。


「あの(パワー)は、凄いな。魔神化すれば凌駕出来るだろうが、ガルガンチュアと闘う前に、手の内は晒したくないしな・・・。」


 ジークフリートは、改めてヴィーグリーズの闘士達の実力を認識させられた。

 決して、(あなど)って勝てる相手ではない。

 その事実を知っても、ジークフリートにあるのは、闘いへの歓喜だけであった。

 明日は、男性部門の予選後半、そして女性部門の決勝戦である。

 否が応でも、大闘技祭の熱気は、高まって行くのであった。


「明日は、私とリンドブルムの闘いに決着が付く日だな!主殿、しっかり応援してくれよ!」


 隣で、予選を観戦していたブリュンヒルデが、ジークフリートに、明日の試合の応援を要求してきた。


「それはいいけど。あの電撃を防ぐ手立てはあるのか?」


 ジークフリートは、リンドブルムの持つ武器、雷鳴の斧槍(ガールブレイ)の攻略法を尋ねたが、ブリュンヒルデはニヤリと笑い。


「心配は無用だ!必ず勝つ!」


 とだけ答えた。

 自信満々の笑顔である。

 ジークフリートは、その笑顔に既視感(デジャブ)を覚えた。

 

(ヒルデが、この笑顔になった時は、だいたい言ったことが当たるんだよな。それに彼女は戦乙女(ワルキューレ)だ。ここは、信じて任せよう。)


 こうして、大会二日目は、終了した。

 しかし、ヴィーグリーズの人々は気付かなかった。

 観客に紛れて一人、不審な女が、大闘技祭の様子を(うかが)っていることを。


「ふん。愚かな人間どもめ!今に見ているがいい!我らが王、ファーブニル様が、誰がこの世で最も強い存在であるのか示して下されるだろうからな。」


 そう呟くと、女は、人混みに紛れていった。



 ようやく、二日目終了!そして現れた謎の人物!ブリュンヒルデとリンドブルムの闘いの行方は?

 以下次回です!

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