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ラグナロクブレイカー  作者: 闇夜野 カラス
大闘技祭の章 破
96/211

予選突破

 ズガアアアアアアアン!!


 ジークフリートが立っていた場所が、ゼーリムニルの放った火球によって爆発した。


「おいおい!この世界には、銃火器なんて飛び道具は無いはずなんだがな!」


 左右に避けながら、近づいて行くジークフリートであったが、再び金属音が響き、今度はその牙が巨大に変化した。


「うおっ!?」


 接近した所に、ゼーリムニルの牙が振るわれた。

 間一髪で、その攻撃を(かわ)し、ジークフリートは一度離れることにした。

 しかし、三度(みたび)金属音が響いた。


 ゴキキン!!!


 その口が、大きく開かれ、光の粒子が集まって行く。


「おおい!まさか!!」


 ジークフリートの予感は当たった。


 キュドウウウウウ!!!


 光の柱を思わせる、太い光線がゼーリムニルの口から放たれたのだ。


「こなくそっ!!」


 ジークフリートは、その光線を炎の魔剣(グラム)の刀身で受け止めた。

 炎の魔剣(グラム)で止められた光線は、二つに分れ結界にまで届いた。

 光線が収まると、再びゼーリムニルが突進を始めた。


(なるほど、分かってきたぞ!こいつは敵に合わせて自分を強化していっているんだ!ならば、短期決戦を挑み、一撃で勝負を決めてやる!!)

「ヴィー!!次で決めるぞ!!」

『了解だ!ご主人(マスター)!!』


 黒獅子の鎧の刻印が、赤く光り輝く。

 一気に魔導装甲(マギアームス)の出力が最大限に引き上げられる。

 ジークフリートもまた、ゼーリムニルに向かい、駆けだした。


 ドウッ!ドウッ!


 前面の砲身から、火球を吐き出しつつ、ゼーリムニルはジークフリートに突撃していく。

 だが、その攻撃はかすりもしなかった。

 正に疾風と化したジークフリートは、余裕をもって火球を全て(かわ)して行った。

 通常の攻撃が当たらないと分かったゼーリムニルは、その場に立ち止まった。

 そしてまた、金属音を響かせ、口を大きく開けた。


「おせぇよ!!これで決まりだ!!!」


 光線が発射される前に、ジークフリートはゼーリムニルの正面から、その背中に飛び上がった。

 

刺突衝スティンガークラッシュ!!!」


 秘技(スペシャルアーツ)が発動し、炎の魔剣(グラム)が深々とゼーリムニルに突き刺さった。


 ギュオオオオン!!


 ゼーリムニルが、ジークフリートを振り落とそうと、暴れ出そうとした。


「焼き尽せ!!!炎の魔剣(グラム)よ!!!」


 だが、一瞬早く、ジークフリートが魔剣の力を引き出した。


 ドゴオオオオオオオオ!!!


 ゼーリムニルの内部から発せられた、魔剣の炎は、砲身や眼、口などから火柱を上げた。

 ジークフリートが、魔剣を引き抜き、跳び退るとゼーリムニルは、半ば熔解された状態になっていた。

 こうなってしまっては、流石のゼーリムニルとはいえ、復活は不可能であった。


『勝者!!流浪(るろう)の黒騎士、ジークフリート殿!!!』

「「「「ウオオオオオオオオオオオオオ!!!」」」」


 勝者が宣言されると、観客達の歓声が轟いた。

 その声に応えるように、ジークフリートは剣を天へと(かざ)した。

 ジークフリート予選突破です。

 そして、次なる相手とは、誰になるのでしょうか?

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