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ラグナロクブレイカー  作者: 闇夜野 カラス
大闘技祭の章 破
95/211

金色の猪

 巨大な猪が、跳ね橋へ一歩踏み出す度に、ギシリ!と跳ね橋が(きし)んだ。

 

(じい)、あれはなんだ?」


 リンドブルムも初めて見る、その存在は、ブラギが持ち込んだものであった。


「あれは、遺跡で発掘された遺物(アーティファクト)でしてな、名はゼーリムニル、不滅の者と名付けられた守護者(ガーディアン)でしてな。錬金術師たちの研究が終ったので、こちらにまわしてもらったのですじゃ。」


 武舞台(ステージ)の中央まで、何事もなく進んできたゼーリムニルは、急に立ち止った。


「随分、大袈裟な相手だな。」


 ジークフリートが、そう呟いた時、ゼーリムニルの緑色に光っていた眼が、赤い色に変った。


「来るぞ!ヴィー。」


 ブフオオオオオオオオオ!!!

 

 大きな唸り声が響き、ゼーリムニルが、(ひづめ)武舞台(ステージ)を引っ掻いた。

 まるで生き物のようなその仕草に、観客達は大いに沸いた。

 

 ゼーリムニルが、走り出すと、闘士達は前面から退避し、攻撃を開始した。

 すると、ぜーリムニルの背面から、筒状の突起物がせり出し、火を吹いた。

 それにより、どんどん加速してゆくゼーリムニル、闘士達の中にも、突進に巻き込まれ、弾き飛ばされる者が出て来た。


「どんどん速くなるみたいだな!しかもあの装甲だ、こちらの攻撃が通らないんじゃないか?」

『感心している場合じゃないだろう。ご主人(マスター)。』

「よし!『炎を纏え!魔剣よ(グラム)!!』」


 ジークフリートの持つ炎の魔剣(グラム)が赤熱化し、刀身が輝きだした。

 持ち主であるジークフリートは何も感じないが、その刀身は凄まじい高熱を宿しているのだ。

 ブリュンヒルデ達との、特訓によって得た、ヴィーの力の一つ、赤熱刃(ヒートブレード)である。

 ゼーリムニルが、方向転換し、ジークフリートを標的に定めたように突進を始めた。

 リンドブルムは、思わずブラギに問うた。

 

「ジークフリートに向かっているようだが。(じい)、ゼーリムニルに何か細工でもしたのか?」

「いいえ、姫様。ゼーリムニルには、力の強い者にのみ反応するよう命じているだけです。ある程度の力を持つ者は、先程ご覧になったように標的にされるのですよ。」

「なるほどな!」


 赤面しながら納得したリンドブルムは、少し大袈裟に答えた。

 ジークフリートは、その突進を避けざま斬りつけた。


 ズドオオオオンン!!!


 ゼーリムニルは、足を一本断たれて倒れた。


「「「「オオオオオオオオオ!!!!」」」」


 観客達は、ジークフリートが勝利したものだと歓声を上げたが。


 ガキン!ゴキン!ガキン!


 ゼーリムニルの切断された足から、金属の触手の様なモノが出ると、それが一瞬にして、音を立てながら元の状態に戻ったのだ。


「・・・流石に、一筋縄ではいかないか!」


 今度は、ジークフリートから仕掛けた。


 ギュイイイン!!


 またしても、金属音が響き、今度はゼーリムニルの前面から、金属の筒が現れた。

 それはどう見ても、砲身であった。


「なにぃ!?」


 ジークフリートが横に飛んだ瞬間、ゼーリムニルの砲身が火を吹いた。

 ゼーリムニルは、セーフリームニルともいうヴァルハラにいるという猪です。

 殺され、料理されて食卓に並んでも、翌日には復活して、また料理されるという、なんとも可哀想な猪ですが、この話では、ゴーレム系のモンスターに変えました。

 さて、決着は?(笑)

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