表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ラグナロクブレイカー  作者: 闇夜野 カラス
大闘技祭の章 破
94/211

貴賓席での騒動

「馬鹿な!こんなところで何をしておるのだ!シグルドの奴は!!」


 ふと聞こえて来た罵声に、ガルガンチュアは観覧席の隣、各国から招かれた、賓客の為の観覧席に目をやった。

 予想通り、それはミズガルズの賓客にして、英雄の一人と称された、老将ヴェオウルフの怒鳴り声であった。


「将軍!落ち着いて下さいよ!」

「放して下され!グットルム様!奴には国を出奔した理由を問いたださねばなりません!」


 ヴェオウルフの腰にしがみ付き、押し留めているのは、グットルム伯爵、今やミズガルズの王位継承者となったグンナル公爵の弟である。

 彼もまた、国家間同士の付き合いとして、リンドブルム王女に御近付きになろうと、ヴェオウルフと共にヴィーグリーズまでやって来たのであるが、王女に『自分より弱い男に興味はない!』とはっきり拒絶され、これでは面目が立たぬと、大闘技祭の観覧に出席していたのである。

 ミズガルズにとって、ヴィーグリーズは休戦協定を結んだとはいえ、いまだに国家間の仲は良くない、敵国とまではいかないにしても、両国家間の確執は根強く残っているのである。

 故に、参加するだけでも、グットルム伯爵の面子は保たれるのである。

 しかし、護衛に付いてきたはずのヴェオウルフが、シグルドの姿を見つけて飛び出して行こうとしているのだ。


(頼むから、厄介事は勘弁してくれよ!)


 元は、妾腹の身であったため、後継ぎとは縁もなかった彼は、現在の地位を守ることで、頭が一杯であった。


「いかがなされた?ミズガルズの御客人?」

「なんでもありません!御気になさらないでください。ガルガンチュア陛下。」


 ガルガンチュアに声をかけられ、グットルムは全てを無かったことにしようとした。

 しかし、ヴェオウルフはそれが気に入らなかったらしい。


「ガルガンチュア陛下!予選の枠にまだ空きがありますかな?」

「あればどうなされる?ヴェオウルフ殿?」

「この(わし)直々に、彼奴を取り押さえ、国へ連れ帰る所存にて!どうか!」


 その返答を聞き、ガルガンチュアはニヤリと笑った。


(これは、面白い事になって来た。)


 自身でも、ジークフリートが、リンドブルムに相応しい男かどうか、試そうと思っていたガルガンチュアは、その申し出を受けることにした。


「いいだろう!最終予選に参加されるがいい!ただし、命の保証はせんよ?」

「父上!?」

「陛下!よろしいので?」


 リンドブルムと、結界を維持しているブラギから驚きの声が上がった。

 途中参加など、他に例がなかったからだ。


「かの英雄、ヴェオウルフが、ヴィーグリーズの大闘技祭に出ようというのだ!断る訳には行くまい。」

「感謝いたしますぞ!ガルガンチュア陛下!」


 ヴェオウルフが頭を下げるのを横目にみながら、ガルガンチュアは武舞台(ステージ)に視線を戻した。

 そこでは、今まさに北門が開放され、巨獣(メガビースト)が出現する所であった。

 しかし、重戦士(ヘヴィーウォーリア)達が入ってこない。

 代わりに現れたのは、全身が金色(こんじき)の鋼に(おお)われた、巨大な猪であった。

 

 またしても、ジークフリートに強敵現る!

 ちなみに、ヴェオウルフ伝説の英雄、ヴェオウルフが元になったキャラです。

 というか、そのものです!

 フルンティングという名剣の使い手です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ