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ラグナロクブレイカー  作者: 闇夜野 カラス
大闘技祭の章 破
91/211

第二試合決着

 王に用意された特別観覧席で、ガルガンチュアは、自分の娘の瞳に、並々ならぬ闘志が宿っていることを見てとった。


(カーシャが敗れたことで、気負ったか?いや、それにしては闘志は充実しているし、肩に余計な力も入っていない。ここは、信じて送り出してやるか。)


 などと考えている内に、リンドブルムとエルルーンは、武器を構えあっていた。


「悪いが、負ける訳にはいかん。勝たせてもらうぞ!エルルーン殿!」

「私とて、薔薇十字聖騎士団の団長の一人として、易々と遅れを取るつもりはありません。今年こそ、勝たせてもらいます!」


 両者共に、気力は十分である。

 それを察し、ガルガンチュアは試合開始を宣言した。


「それでは!本選第二試合、試合開始!」


 二人が同時に動き、武舞台(ステージ)の中央で武器を交錯させた。


 ガキィイイイン!


 リンドブルムの斧槍と、エルルーンの騎士剣がぶつかり合い、高い音をたてた。

 二度三度と、二人は武器を交え、互いの成長ぶりを確かめているようであった。


(流石は、紅の戦姫!更に鋭く、そしてしなやかになっている!なにより!)


 エルルーンは、上段から振り下ろされた斧槍を受け止めきれず、後方に跳んで威力を殺した。


(この力!ブリュンヒルデ様の(おっしゃ)っていた、神鎧甲(モノケロス)とやらの力か!)


 すでに、エルルーンの魔導装甲(マギアームス)はフル稼働していた。

 しかし、リンドブルムには、未だ余裕が残されているようだった。

 その理由は、ただ一つ。

 リンドブルムが、雷鳴の斧槍(ガールブレイ)の力を開放していないからであった。


「遠慮は無用です!リンドブルム王女!その斧槍の力、使われるとよろしい!手加減されたとあっては、我が騎士団の名折れ!」


 その言葉を聞いたリンドブルムは、ニヤリと笑った。


「それは失礼した!ならば、行くぞ!(いかずち)(まと)え!雷鳴の斧槍(ガールブレイ)よ!」


 雷光が(ほとばし)り、リンドブルムの斧槍の刃に、電刃(でんじん)が形成された。

 その切っ先をエルルーンに向けると、リンドブルムは勝利を宣言した。


「最早、我に敵なし!覚悟は良いか!エルルーン!」


 エルルーンは、盾を構えると、魔法を行使した。


「簡単にはいかせません!『守備力上昇(プロテクションアップ)』」


 エルルーンの全身から、白い光が溢れだし、輝いた。

 僧侶の使う防御法術である。

 リンドブルムは、距離を詰めると、雷鳴の斧槍(ガールブレイ)をエルルーンの盾に叩きつけた。

 

 バシィイイイイイイイイン!!!!


 まるで、高圧電流が流れるような音が、接触面から鳴り響いた。


「グアッ!!!」


 防御したにも関わらず、エルルーンは苦悶の声を上げた。

 雷鳴の斧槍(ガールブレイ)の電撃が、エルルーンの防御法術を容易(たやす)く貫いたからである。

 エルルーンは、全身から白い煙を上げながら、膝を付いた。

 再び斧槍が振られると、エルルーンの手から、騎士剣が弾き飛ばされた。


「さて、どうする?エルル-ン殿。」


 問われたエルルーンは、震える身体を支えながら答えた。


「私、の、負けです。」


 その瞬間、闘技場(コロッセオ)が、歓声に包まれた。

 エルルーン敗退!

 そしてようやく、主人公の出番がやってきます。

 ジークフリート、久しぶりに戦いやね!

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