表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ラグナロクブレイカー  作者: 闇夜野 カラス
大闘技祭の章 破
90/211

幕間

 気を失い東門から、担架で運ばれたカーシャに、リンドブルムが駆け寄った。


「カーシャ!無事か!?」


 その呼びかけに、カーシャは目を開け、リンドブルムに答えた。


「リンド・・・。ここは・・・そうか、負けたのか、アタイは。」

「本当に大丈夫か?私には、お前がバッサリ斬られたように見えたが。」


 カーシャは、自分の体を見下ろし、傷がない事に驚いた。


「そんな・・・アタイは確かに斬られた。なのに傷どころか、痣もないなんて・・・。」


 リンドブルムは、カーシャのその様子から、ブリュンヒルデの使った技を推察した。


「おそらくは、一握りの練達の者にしか扱えぬ秘技(スペシャルアーツ)であろう。コレは油断ならんな。」


 リンドブルムのいつにない真剣な様子に、カーシャが笑顔を見せながら、軽く肩を叩いた。


「そう思いつめるな、リンド。ブリュンヒルデとやり合うのは、次の試合に勝つまでお預けなんだからな。」

「ああ、分かっているさ。」


 そこまで言ったところで、リンドブルムは、カーシャが自分の名、しかも愛称を呼んでいることに気が付いた。


「カーシャ、また私の名を呼んでくれるようになったのだな。」

「あ!そうだった。正直、死んだと思っていたから気が緩んだんだね。ごめんよ。姫様。」

「元に戻さなくていい!ついでに城に戻ってこい!私を一人にするな!」


 真剣に見つめて来るリンドブルムに、カーシャはこれまで肩肘張っていたことが、なんだか馬鹿馬鹿しく思えて来た。

 自分は、リンドブルムを守る力を手に入れる為に、傍を離れていたのに、リンドブルムを孤独にしていたことに気付いたからだ。


「ハハハ・・・我儘なのは、昔っから変らないね。降参だ。帰るよ、リンド。それより、次の試合、負けるんじゃないよ!」


 カーシャの言葉に、リンドブルムは満面の笑みを浮かべた。

 東門が再び開き、場内にリンドブルムの入場を告げるアナウンスが聞こえて来た。

 その声を聞きながら、リンドブルムはカーシャに振り向き、声を上げた。


「私を誰だと思っている!紅の戦姫、リンドブルムだぞ!それと、先程の言葉、忘れるなよ!」


 その堂々たる姿に、カーシャは安心し、見送った。

 すでに入場していたエルルーンは、リンドブルムの姿を見て気を引き締めた。


(少しは、こちらを甘く見て、油断してくれるかと思いましたが、流石は紅の戦姫ということですか)


 すでに、リンドブルムは完全武装であった。

 御約束の、魔導装甲(マギアームス)の装着もなく、その顔には、闘志が(みなぎ)っていた。


「さあ!始めようか!」

「参ります!!」


 リンドブルムとエルルーンの戦いの火蓋が切って落とされた。


 

 ブリュンヒルデが、使ったのは、人の業だけを斬る技です。

 そして、第二回戦が始まります。果たしてエルルーンは、リンドブルムに勝てるでしょうか(笑)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ