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ラグナロクブレイカー  作者: 闇夜野 カラス
大闘技祭の章 破
89/211

第一試合決着

 キイイイイイイイイィィィィン!


 甲高い音と共に、ブリュンヒルデの身体から燐光が放たれ始めた。


守護者の力(ガーディアンフォース)!!』


 ブリュンヒルデが、力ある言葉を発した瞬間、一際強く光が輝いた。

 観客達が見守る中、ブリュンヒルデはその背に光の翼を背負い、鎧は光を(まと)っていた。

 

「ガアアアアアアアアアア!」


 一方、カーシャの呪印(スペル)は、今や、全身から赤い光を放ち、見開いたその目は、真っ赤に輝いていた。

 その様は正に、鬼神のそれであった。

 まるで、鬼神と女神の戦いが、二人の女闘士によって再現されたようであった。


鬼神連撃(オーガスタンピード)!!!!」


 カーシャが、呪印を発動させた時だけ使える秘技(スペシャルアーツ)を繰り出した。


百壁陣(ハンドレットウォール)!!!!」


 ブリュンヒルデもまた、秘技にてこれを迎え撃った。


 ゴガガガガガガガガガガガガガガガ・・・・


 金属と金属が激しくぶつかり合う音が鳴り響く、しかし、もはやその速さを目で追う事は、不可能となっていた。

 カーシャは、軽い木の枝でも振り回すように、バトルアックスを振るった。

 正に、旋風の二つ名そのものと言っていい攻撃であったが、ブリュンヒルデは、その全ての攻撃を受け止めていた。

 守護の盾(スヴェル)を操り、そこにまるで壁が存在するように、カーシャの攻撃が、届かないのだ。

 限界が先に訪れたのは、カーシャであった。

 鬼神の呪印(オーガスペル)は、短期決戦用の奥の手であった。

 それゆえ、息を止め一心不乱に、バトルアックスを振り続ければならない。

 

「グハッ!」


 カーシャが、息を吸い込んだその時である。


盾の一撃(シールドバッシュ)!!!」


 ブリュンヒルデが、反撃に転じた。


 バキャアアアアアアァァァン!!


 凄まじい音と共に、バトルアックスが砕け散った。

 

「何ィ!!?」


 驚きの言葉を吐きながら、()()ったカーシャに、ブリュンヒルデの追撃が襲った。

 ドン!という音がしてカーシャが宙に舞った。

 神速で、懐に入ったブリュンヒルが、回し蹴りを喰らわせたのだ。


「ガハァッ!!!」


 くの字に曲がり、飛んでゆくカーシャ、しかし、ブリュンヒルデは、まだ止まらない。


業斬剣(エゴスライサー)!!!」


 ブリュンヒルデの、正義の剣(ゼファリス)が、カーシャを袈裟がけに斬り下ろした。

 ズドン!という音と共に、武舞台に叩きつけられたカーシャは、土煙に包まれ、見えなくなった。

 客席は静まりかえり、息を飲む音が聞こえた。

 しかし、土煙が晴れると、カーシャは無傷で倒れていた。

 鬼神の呪印は消え、完全に気絶した姿で、確認されたのだ。


『しょ、勝者!白銀の女騎士、ブリュンヒルデ殿!!』


 勝者が宣言されると、闘技場(コロッセオ)に歓声が戻った。

 ブリュンヒルデは、剣を掲げ観客に応えると、悠々と西門より、出ていった。

 カーシャが、担架で運ばれ東門から出て行ったあとでも、歓声は鳴り止まなかった。

 

 ブリュンヒルデ強し!なんか、女版主人公みたいだね。

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