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ラグナロクブレイカー  作者: 闇夜野 カラス
大闘技祭の章 破
87/211

ヴィーグリーズの誇り

 闘技場(コロッセオ)の内部には、装飾が(ほどこ)され王の観覧席の左右には、各国の来賓の為に貴賓席が造られていた。

 ドン!ドン!と太鼓が鳴らされ、本選の開始が近いことを、観客達に知らせていた。

 ディートリヒ夫妻とシュベルトライテ、ジークルーネ達は、一般席からの観戦である。


「一晩で、凄い変りようですね。あの貴賓席など、昨日はなかったというのに。」

「そこは、この国の魔導士と、闘士達の力によるものでしょうね。大闘技祭は、ヴィーグリーズにとって、自国の力を他国に示す絶好の機会です。この早変りもその一環でしょう。」

「御二人とも!席はこちらです!」


 客席は、すでに満員で、立ち席まで一杯である。

 そこへ、ガルガンチュア王が現れると、客席から歓声が上がった。


「ガルガンチュア王万歳!」

「王の身世に幸あれーーー!」


 このヴィーグリーズにおいて、ガルガンチュア王に敬意を(いだ)かない民はいない。

 ガルガンチュアはかつて、辺境貴族の生まれであったが、先代の王、狂王と呼ばれた、ファールバウティ王の世に、父を殺され、自身も奴隷に落され、闘技場で剣闘士として生かされていたのである。

 ガルガンチュアを王に導いたのは、宮廷魔術師の筆頭ブラギである。

 ブラギは、ガルガンチュアを当時、国宝であったニョルニルの元へ連れ出し、見事にニョルニルを手に入れさせたのだ。

 神宝具(オーパーツ)であるニョルニルに、主と認めさせるには、それなりの資格が必要であったが、ブラギはガルガンチュアにその素質があると見抜いたのである。

 それ以来、この二人の治めるヴィーグリーズは、発展の一途を辿った。

 ヴィーグリーズにおいて、闘技場の闘士にいたるまで、そのカリスマ性は、行き渡っているのである。

 王が歓声に応え手を上げると、波が引くように、静寂が訪れた。


「愛すべきヴィーグリーズの民達よ!並びに各国から来られた来賓も聞かれるがよい!今日ここに、大闘技祭二日目を開催すると同時に、女性部門本選の開始を宣言する!」


 王が宣言するとともに、ファンファーレが鳴り響き、太鼓が大地を揺らせた。


『それでは、闘士達の入場です!』


 場内に、魔法で拡大された声が響き、まずは西門が開かれた。


『西の門より、白銀の女騎士ブリュンヒルデ殿が入場されます。』


 歓声に包まれ、ブリュンヒルデが現れると、貴賓席から感嘆の声が上がった。

 主に、彼女の美しさにであったが。


『続いて、東の門より、当闘技場筆頭女闘士、旋風のカーシャ殿の入場となります。』


 必要最低限の防御能力しかないと思われるような、ビキニアーマーを着たカーシャが現れると、また違った反応が見られたが、その鍛え抜かれ筋肉の鎧を(まと)った身体と、手に持ったバトルアックスの巨大さには、別種の美しさが、見て取れた。


「さあ!始めようか!」

「手加減はしないよ!」


 二人の女は、互いに武器を構えた。

 

「それでは!第一試合!はじめい!」


 ガルガンチュアの声と共に、巨大なドラが鳴らされた。

 その瞬間、ブリュンヒルデとカーシャは大地を蹴った。


 二日目開始!そして、ガルガンチュア王の過去について少し語られました。

 外伝として、書いてみたいですね(笑)

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