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ラグナロクブレイカー  作者: 闇夜野 カラス
大闘技祭の章 序
82/211

闘技場の御約束

「なんでしょう?勝利したというのに、釈然としないのですが・・・。」


 ブツブツと呟きながら、武舞台(ステージ)からエルルーンが帰って来た。

 そのエルルーンと摺れ違いながら、リンドブルムは声をかけた。


「見事だったなエルルーン殿、フォールクヴァングの薔薇十字騎士団を率いるだけはある。」

「こ、これは、リンドブルム王女。光栄であります。」

「次は、私の試合だ。楽しんでくれ。」


 自身満々に、武舞台に進むその姿は、正に王者のそれであるが、彼女は未だ魔導装甲(マギアームス)(まと)っていない。

 それは、一つの儀式となっている御約束の為である。

 彼女が入場するだけで、客席は、爆発したような歓声が上がった。

 共に入場した女闘士達も、慣れた感じでリンドブルムから距離を取っていた。

 リンドブルムは、武舞台の中央に立つと、魔導装甲を発動させた。

 深紅の光が輝き、闘技場(コロッセオ)の中心に華が咲いたようであった。

 光が晴れると、そこに(くれない)の鎧を纏ったリンドブルムの姿があった。

 電光を引きながら、斧槍(ハルバード)を装備したリンドブルムが、観客に向け拳を挙げると、客席からは、再び割れんばかりの歓声が上がった。

 

「なかなかに魅せてくれる!」


 ジークフリートの横に立った、ブリュンヒルデが笑顔を輝かせた。


「本当に、こういうのが好きなんだな。」

「うむ!さて相手の巨獣(メガビースト)は、一体何が出て来るのかな!?」


 対面の(ゲート)が開き、跳ね橋が下ろされた。

 中から現れたのは、鎧のような外皮を持ち、大きな角を持つ、いわゆる(さい)であるが、大きさが犀のそれではない。

 象位の大きさである。


鎧皮犀(アーマードライノス)!!それも、白銀の鎧皮!!変異種じゃないか!」

「流石、予選のトリを飾る巨獣だな!しかし、これは狙っていたのか?」

「いえ、去年は第一予選に出ておられました。その時の相手は、巨大蟹(ヒュージクラブ)でしたからね。」


 エルルーンが、ここぞとばかりに補足してきた。

 エルルーンは、フォールクヴァングの招待選手として、何度か大闘技祭に出ているとのことだった。

 リンドブルムとも、何度か剣を交えているらしいが、結果は・・・。


「全敗でした。」


 悔しそうに、リンドブルムを見るエルルーンを、カーシャが讃えた。


「あの姫様と互角以上に闘えるアンタも、相当のもんだがね。」


 どうやら、この二人も顔見知りらしい。

 そして、武舞台では、第四予選が開始された所であった。

 深紅の魔導装甲を着たリンドブルムは、他の出場者よりも、格段に目立っていた。

 鎧皮犀は、拘束されていた鎖を引き千切り、一直線にリンドブルムに突っ込んでいった。

 観客達は息を飲むが、リンドブルムの顔には、笑みが浮かんでいた。


「そんな遅い攻撃に当たるものか!喰らうがよい!我が深紅(しんく)(いかずち)を!!」


 その言葉と共に、闘技場に雷光が(ほとばし)った。


 

 リンドブルムさんは、地元のアイドル的存在です。

 正に、一人舞台!他の出場者さん達、ご愁傷様です。

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