表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ラグナロクブレイカー  作者: 闇夜野 カラス
大闘技祭の章 序
77/211

予選開始

 大闘技祭の予選当日は、雲一つない晴天であった。

 この城砦都市ヴィーグリーズの闘技祭は、八百長が入り込む余地のない予選が売りである。

 なぜなら、相手は人間ではなく、野生の猛獣だからだ。

 しかも、並みの猛獣ではない。

 言わば(ヌシ)と呼ばれる特別な個体を、この街に所属する猛獣狩り屋(ビーストハンター)達が捕まえてくるのだ。

 彼等もまた、傭兵王ガルガンチュアに忠誠を誓った者達である。

 この大闘技祭に、自分達の捕まえた獲物を出場させることは、一種のステータスと成っていた。

 故に、本選に残るためには、百人単位のビーストハンターの猛者達が、命懸けで捕獲してきた、巨獣(メガビースト)と十人単位で闘い、仕留めた者が、本選に進むことが出来るのである。

 本選に残った戦士達は、それだけでも、勇者としてこの街では讃えられるのだ。

 そしてそれは、女性部門でも変らない。


「では!行ってくる!主殿!」

「まあ、ほどほどにな。」


 意気揚々と予選に向かう、ブリュンヒルデに、ジークフリートはやれやれといった感じで答えた。

 正直、彼女に勝てる相手など、この世界に何人いると言うのか。

 ジークフリートは、ブリュンヒルデの優勝を疑っていなかった。

 予選会場に入ったブリュンヒルデに、最初に声をかけたのは、リンドブルムだった。


「逃げずにやって来たか!今日は前のようにはいかんぞ!必ず貴様に勝つ!」


 ブリュンヒルデは、嬉しそうに答えた。


「それは楽しみだ!私も全力で応えよう!しかし、主殿も随分好かれているようだな。これは、負けられんな!」


 再び、顔を赤くしながら、リンドブルムが反論した。


「だから!違うといってるだろ!・・・もういい!」


 去っていくリンドブルムの後ろ姿を見ながら、ブリュンヒルデはニコリと微笑んだ。

 その彼女に、話しかけた者がいた。


「アンタかい?うちの姫様に、ちょっかいかけた女騎士ってのは。」


 ブリュンヒルデが振り向くと、そこには長い柄のバトルアックスを持つ、ビキニアーマーの女戦士が立っていた。

 顔は整っており、なかなかの美人であるが、その眼光は肉食獣のそれであった。

 髪は金髪でウエーブがかかっており、肌は褐色で所々に闘いで付いたであろう傷跡があった。


「アタイの名は、カーシャってんだ。この闘技場の女闘士だよ。アタイを差し置いて姫様に挑もうなんて百年早いよ!出直してくるんだね!」


 ブリュンヒルデより頭二つ分背の高いカーシャは、ブリュンヒルデを見下ろすように威嚇して来た。

 しかし、ブリュンヒルデは少しも動じることなく、神鎧甲(モノケロス)を起動させた。

 一瞬で、鎧姿となったブリュンヒルデに、周辺の者たちも目向けるが、それよりも、カーシャは戦士としての感覚により、その強さを肌で感じ取っていた。


「ただもんじゃないね?アンタ。」

「そなたもなかなかのものだ!これは、楽しみが増えたな!」


 既に、ブリュンヒルデの予選ブロックの入場が始まっていた。

 颯爽と会場入り口まで進むと、カーシャを振り返りこう告げた。


「本選であいまみえようぞ!異国の闘士よ!」

 

 女性部門開始です!そして新たな女闘士登場も出てきました。この後の展開や如何に!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ