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ラグナロクブレイカー  作者: 闇夜野 カラス
大闘技祭の章 序
76/211

出場決定

 ジークフリート一行は、ディートリヒ達との合流地点である港へと戻っていた。

 ディートリヒは既に、ウルザブルンで手に入れた鮮魚の商談を済ませていた。

 卸した鮮魚は、地元の漁協が(さば)くらしい。

 なんでも、時期が時期だけに、かなりの収益になりそうだということらしいのだが、ジークフリートにはさっぱり分からなかった。


「殿下は、この後どうするおつもりですか?」

「宿を探して泊まろうと思う。予選は明日からだしな。」

「では、私達も共に参りましょう。闘技祭の間は、私達もここに留まるつもりですからね。」


 と二人が話していると、人混みの中から、恐ろしい勢いで近づいてくる者があった。

 それは、ブリュンヒルデあった。

 彼女は、トウッ!と、跳び上がると、空中で二回ほど回転し、ジークフリートの前に着地した。


「主殿!私も今回の闘技祭、女性の部で出場することにしたぞ!」

「何!?」


 ジークフリートは驚いたが、シュベルトライテとジークルーネは、予想通りという感じで、ブリュンヒルデに話しかけた。


「やはり、そうなりましたか。」

「やはりって、どういうことだよ?」

「ご主人様、姉上は見込みのある女戦士を見つけると、決って闘いたがるのですよ。」

「うむ!あのリンドブルムというもの、なかなかの腕と見た。これは、是非手合わせしてみなければなるまい!」

「ヒルデ・・・。お前な。」

「主殿に迷惑はかけない!任せてくれ!」


 ジークフリートを見つめるブリュンヒルデの瞳には、迷いが全く無かった。

 こうなった彼女を止めることは出来ないと、ジークフリートは知っていた。


「分かった!お前の事だ。止めても無駄だろ。やりたいようにやれ!」

「流石、主殿。話が分かるな!」


 嬉しそうにそう言うと、ブリュンヒルデはジークフリートの腕に、しがみ付いてきた。


「さあ!明日からの闘いに備えて、今日の宿に向かおうではないか!」


 とそこまで言った所で、ディートリヒの妻、アリシアが済まなさそうに声をかけて来た。


「ごめんなさい!宿はどこも、満室らしく、部屋がとれませんでした。これまで通りスキーズブラズニルでの寝泊まりになると思います。」


 それを聞いてジークフリートは、もっともだと思った。

 この大闘技祭は、このアズガルドでは、知らない者がいないくらいの、大イベントである。

 当然、各地から人が集まり、その分、宿が埋まってしまうのだ。


「仕方がないな。ディートリヒ構わないか?」

「そうですね。前もって予約したならともかく、この時期に、飛び込みで泊まれる宿は、なかなかありませんからね。」


 と言いつつ、ディートリヒは内心、ホッとしていた。

 この、城砦都市ヴィーグリーズは、言わば敵地である。

 自分達と一緒にいたほうが、危険は少ないからだ。

 下手な宿に泊まって、刺客に襲われでもすればと思うと、いてもたっても居られなかったからだ。

 最も、刺客など、逆に返り討ちにしてしまえそうな面子であるのだが。




 ブリュンヒルデさん、出場決定です。

 そして、感想ありがとうございます。読んで下さる皆さんがいると、励みになります。

 これからも、ラグナロクブレイカーをよろしく!


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