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ラグナロクブレイカー  作者: 闇夜野 カラス
大闘技祭の章 序
73/211

紅の戦姫

 リンドブルムと呼ばれた女性は、ジークフリートから距離をとると、手首をクルリとスナップをきかせた。

 手にはめられた指輪から、電光が迸った。

 電光は、一瞬で斧槍(ハルバード)に変化した。

 そして、一瞬で距離をつめ、斧槍を振り下ろした。

 ジークフリートは、この展開を読んでいたので、落ち着いてグラムの召喚を行おうとした。


『我が元に来たれ!グ「我にまかせよ!主殿!」


 ジークフリートの横から、ブリュンヒルデが飛び出さなければ、であるが。

 ガコオン!!という音が鳴り響き、リンドブルムの斧槍は、ブリュンヒルデの守護の盾(スヴェル)(はば)まれた。


「おのれ!邪魔だぁ!!」


 再び、斧槍を振り上げるが、ブリュンヒルデの右腕が煌くほうが速かった。

 リンドブルムの首筋に、ブリュンヒルデの正義の剣(ゼファリス)の切っ先が当てられていた。


「バ、バカな・・・。」

「有りえん!姫様が戦いにおいて、遅れをとるなど・・・。」


 リンドブルムと共に来た、二人の戦士はその光景を驚いて見ていた。


「何者だ!貴様は!」

「人に名を尋ねるときは、自ら名乗るものだぞ!」

「グググ・・・。」


 紅の戦姫が手玉に取られるなど、このヴィーグリーズでは嘗てない事だった。

 受付に集まっていた者たちは、皆が注目を余儀なくさせられた。


「・・・ヴィーグリーズ第一王女、紅の戦姫、リンドブルム!」


 ブリュンヒルデは剣を引きながら、その名乗りに答えた。


「オーディンが第一女、守護の女神、ブリュンヒルデ!」

「ふ、ふざけるな!」


 リンドブルムが、そう思うのも、無理はない。

 しかし、ジークフリートが補足した。


「事実だ。彼女は女神だ。貴方が勝てないのも当然のことだ。」


 そう言ったが、リンドブルムの怒りは収まらない。


「嘘をつくな!先程は不意を突かれただけだ!そうだ、シグルド!お前なぜここにいる!なぜ、大闘技祭などに出場する!?」


 矢継ぎ早に、繰り出されてくる質問に答える前に、訂正することがあったことを、ジークフリートは思い出した。


「俺の本名は、ジークフリートだ。俺は、(ミズガルズ)を捨てた身だ。それに、ここへは、ある目的で来たんだよ。」


 リンドブルムは、ジークフリートが出奔したことは知っていたようだったが、名が変わっていたことには驚いていた。


「お前の本当の名は、ジークフリートというのか。それに目的だと?なんだその目的とは。」


 ジークフリートは、包み隠さず答えた。


「ガルガンチュア王に挑むためだ。王位継承に関わるあるものを頂く為に来た。」


 その答えを聞いたリンドブルムの反応は、実に不可思議なものだった。

 突然後ずさり、顔を赤くし、アワアワと声にならない声を発していた。

 その様子を、ブリュンヒルデは興味深そうに見ていた。


「と、とにかく!父上に挑むのなら好都合というもの!敗者となった貴様を捕えればいい事!首を洗って待っているがいい!」


 言うやいなや、リンドブルムは足早に去っていった。


 リンドブルムさん、何やら勘違いしたみたいです。

 お約束ですね!

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