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ラグナロクブレイカー  作者: 闇夜野 カラス
大闘技祭の章 序
72/211

闘技場

 知らずジークフリートは、その身に秘められた闘気を放っていた。

 山車の上にいたガルガンチュアがその闘気に気付き、民衆に向けていた笑顔を引き締めた。


「陛下?」


 山車に共に乗っていた宮廷魔術師の筆頭であるブラギが、怪訝そうに尋ねた。

 ガルガンチュアは、群衆の中に、一人の青年の姿を見出した。

 そして、口元に笑みを浮かべると、


「いや。なんでもない。」


 と答え、パレードをそのまま進行させた。

 一方のジークフリートも、クルリと踵を返すと、闘技場(コロッセオ)に向けて歩き始めた。


「よいのか?主殿。」

「いいさ、それに挨拶は済んだ。」

「なるほど、そういうことだったんですね。主様。」

「粋なことをされますね。ご主人様。」

「我には、人間の心理は、よく分からん。」


 五人は、祭の喧騒の中を進んでいった。

 途中、何度かブリュンヒルデ達の美貌が元で、何度か騒動が起きたが、その騒動は、衛兵が来る前に、彼女たち自身の手で、終息させられていた。

 正直、ジークフリートが何とかしようとする前に、終わらせてしまうので、出番はなかった。


「容赦無いのう。お姉さま方も。」

「ご主人様の手を(わずら)わせる必要はありません。」

「そうだとも、我らの実力を持ってすればあの程度の連中、物の数ではないさ!」

「随分目立ってしまいましたがね。」

「災難だったなあの連中。俺でさえ易々とは勝たせてもらえないってのに、外見に騙されて、あの様か。」


 ジークフリートは、自分達の通って来た道を振り返った。

 正に、死屍累々といった風情である。

 ともあれ、一行は、闘技場に到着した。

 最初に浮かんだ感想は、デカイ!ということだった。

 闘技場に続く、長い階段には、大闘技祭に出場するであろう闘士達がたむろしていた。

 その中を、一行は堂々と進んでいった。

 何故か、彼らに絡んでくる者は、皆無であった。

 その理由は、一つであった。


「おい、あいつは・・・。」

「間違いねえ!竜殺しじゃねえか・・・。」


 ここに集まっている連中は、殆どが名の知れた闘士達である。

 ジークフリートの事を知らぬ者を探す方が難しい位である。

 それ故、大会への出場を申請する受付に問題無く到着した。

 問題が起きたのは、その後である。

 ジークフリートが、出場の申請書に名を書こうとした時であった。

 後方から、なにやら騒がしい一団が近づいてきたのである。


「今年こそ、お前とは決着をつけてやるぜ!」

「貴方は、私には勝てません。姫の婚約者は、私で決まりですよ。」


 筋骨隆々の大男と、長髪の優男が睨みあいながら受付にやってきた。


「そういうことは、せめて私に勝ってから言え!少なくとも、私は自分より弱い男の嫁になるつもりは無いからな!」

「「そんな~姫様~(泣)」」


 二人の男の間から、赤い髪を(なび)かせた赤いドレスの女性が現れた。

 その女性は、ジークフリートの隣に来ると、出場の申請書を要求したが、ふとジークフリートを見ると、目を見開いて固まった。

 ジークフリートは、この後どういう展開になるのか分かっていたが、敢えてその女性と、目を合わせた。


「キサ、キサマは・・・。」

「久しぶりだな。紅の戦姫(せんき)リンドブルム殿。」 

「キッサマー!!!シグルドーーー!!!」

 ジークフリートの過去に係る女性登場!その名は、紅の戦姫リンドブルム!彼女は、物語にどう関わってくるのでしょうか?

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