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ラグナロクブレイカー  作者: 闇夜野 カラス
竜殺しの章
58/211

魔法の女神

 ジークフリートは、あれだけの力を振るったヴァルカンが、まだ成竜ではない子供であると、ブリュンヒルデ達に説明された。

 なんでも、古代竜(エンシェントドラゴン)が成竜となるには、一万年かかるということだ。

 それゆえに、ドラゴンの中でも、古代竜は希少種であるとのことだった。


(そりゃあ、あんなのが百も、二百もいたら世界が、滅ぶよな。昔の戦いで、ジークルーネ達は、どうやって戦ったんだろうか?)


 疑問のつきぬジークフリートであったが、ブリュンヒルデの声が、彼を現実に戻した。


「さあ!主殿!ジークルーネの封印を解こうではないか!」


 その言葉に反応したのは、ジークフリートだけではなかったが、


『なに!我が花嫁の封印が解けるというのか!』


 興奮した様子で、語りかけて来たのは、ジークフリートの(グラム)に同化したヴァルカンの声だった。


「そうだ。邪魔しないで見ていろよ。」


 そういうと、ジークフリートは、(グラム)(かざ)し念じた。


(封印よ!退け!)


 (グラム)に刻まれたルーン文字が輝き、封石に(ひび)が入った。

 その時、ヴァルカンが妙な声を上げた。


『む!むむむむ!』

「だから、邪魔するなと言っただろ!」

『そうではない!ただ、今、真理の一端に、手が届きそうなそうな気がしたのだ。』

 

 ジークフリートが、怪訝に思っていた間に、封石は音を立てて砕けた。

 またしても、破片は空中で静止し、その中から、女神が、光と共に現れた。

 光が収束し、封石が元の結晶体に戻ると同時に、ジークルーネが大地に降り立った。

 そして、優雅に一礼すると、自己紹介を始めた。


「はじめまして。ご主人様。私の名はご存知かと思いますが、あえて名乗らせてもらいましょう。オーディン神が三女にして、古代魔法の担い手、ジークルーネ。これより、貴方様の臣として、粉骨砕身、全力を持って仕えさせて頂きます。では、失礼します。」


 そう言うと、静かに近づき、ジークフリートにキスをした。

 その瞬間、叫び声が聞こえた。


『あーーーーー!!!我が花嫁に、なにをするかーーーーー!!!』


 ブリュンヒルデは、その声をまるで無視して、ジークルーネに話しかけた。


「相変わらず真面目だな。ルーネ!久しぶりだ!」


 そう言うと、ジークルーネに抱きつき、再会を噛みしめているようだった。

 シュベルトライテも、嬉しそうに語りかけた。


「ようやく会えましたね。ルーネ。これで残る姉妹は、あと六人です。貴方の力、当てにしていますよ。」

「はい、姉上。頑張ります。」


 まるっきり無視された形になったヴァルカンは、力なく呟いた。


『あ、あのー、無視しないでほしいのだが・・・。』


 ジークフリートは、思った。


(これから先、どうなるのか俺にも分からん。こんな話は無かったはずだ。)


 

 ジークルーネさん復活!委員長さんタイプです。

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